ねずこん読書記録

小さな会社を経営しています。読んだ本について書き残していきますー

記録#42 『徹夜しないで人の2倍仕事をする技術』 まずやれ。練習している暇はない

ドラゴン桜』や『インベスターZ』など、大ヒット漫画を連発されている三田紀房さんの仕事論。現在も週刊の連載を2本持ち、毎週20頁×2を、週休3日のアシスタントさんたちと仕上げているとのこと。しかも、徹夜はせず夕方にはみんな帰らせる、と。

すごい。

仕事の哲学は徹底していて、

  • 個人の頑張りに依存しない。環境を整え、徹底的に仕組み化する
  • 偶然のアイディアに頼らず、ベタなアイディアを忌避しない
  • 自己満足な手法や技術に頼らず、読者のニーズに徹底してフォーカスする
  • 練習してから始まるなんてことはしない、本番として始めちゃう
  • ヒット作から学ぶ、真似ぶ
  • アイディアは勝手には降ってこない、日常を観察する
  • 企画は掛け算、視点は細かく

ヒット作家らしく、振り切っているなぁと。

商売の原則として、まず店を開けて商品を並べること。そうして初めて、客が来て評価をしてくれる。

カッコよく見えたり、才能をひけらかしたりするよりも、私にとっては「毎日店を開けること」が重要なのだ。

Kindle位置:120) 

私の場合は、「針の穴」理論を使う。大風呂敷を広げるのではなく、針の穴くらい狭いところにテーマを絞り込んで、企画を考えるのだ。アルキメデスの大戦』では、「戦艦大和の建造費って、いくらかかったのだろう」というところから始めた。第二次世界大戦に関わる膨大な史実の中から、ただ1点、「戦艦大和の建造費」だけを抽出したのである。

 (Kindle位置:187)

世の中は雑音だらけだが、そんなものを気にしたところで、あなたのやりたいことが実現するわけじゃない。

自分の人生を動かせるのは、自分しかいない。いい仕事をしたければ、雑音を振り払い、目標に向かって淡々と進むしかない。私はこれからも、「面白いマンガを描き続ける」ことを最優先して生きていく。王道こそが、進むべき道。そう信じて、今日もマンガを描いていく。

Kindle位置:480) 

 いい本でした!

 

記録#41 『社会は情報化の夢を見る』テクノロジーが世界を変えるなんて言うのは幻想だ。

 以前読んだ、『さよなら未来』の中で紹介されていた本。

nozomitanaka.hatenablog.com

この本自体は新装版ですが、もともとの原版が出たのは1996年。情報化社会っていう言葉がいろんなところで使われだした時代だったみたい。

情報技術が社会を変える!そんなことをみんなが言う時代に、

「んなばかな。技術が社会を規定するんじゃなくて、社会が技術を受け入れるんだよ」というメッセージがこもった本でした。

情報技術や情報科学自身はとても重要だし、役に立つ。ただ、それで社会も語れると思うのはまちがいである。それらは科学技術の世界に属しているのであって、それ以上のものではない。社会という要素が入ってきた場合、科学技術の専門家の予測がいかにあてにならないかは先にみた通りである。技術が社会にどう接続されるのかは、社会の側から決まってくる。そして、社会がどう変化するか考えるためには、まず社会自体を知らなければならない。その意味で情報技術・情報科学と「情報化社会」の問題は、むしろ別の世界の話なのである。 

現在の技術動向から未来を予測する、という取り組みがあるものの、それはただの願望に過ぎない、と著者は言います。

「情報化社会」とは何か──結局のところ、それは、技術予測の名を借りた未来社会への願望にほかならない

一言でいえば、情報化社会論は社会のしくみの問題を技術の問題にすりかえているのだ。そこでは、「情報化」は社会のしくみを考えないための呪文になっている。その呪縛をふりほどいて、はじめて私たちは情報技術と社会のかかわりを本当に考えることができるのではないか。

その後、これからの個人とは、組織とは、企業とは、その中でのテクノロジーとは、というお話が続きます。

本の中で出てくる情報化社会という単語を、テクノロジー・スタートアップ・AIあたりに変えると、まんま現代にも適用できる気がします。

もっとまっすぐに社会を見ろ。そんなことを感じました。 

 

 

 

記録#40 『人類が生まれるための12の偶然』奇跡の地球。

わたしたちが何気なく過ごしている毎日。それはどんな奇跡・偶然の上に立脚しているのか。

宇宙、太陽系、月、地球、水、生物誕生、気候変化、、、

それぞれを構成する要素が絶妙なバランスで成立しているからこそ、いまの生活があるんやなぁということを再認識させてくれる内容でした。

いくつか、面白いなぁと思った内容をメモ程度に共有

宇宙:ビッグバンの軌跡を"力"物理法則の誕生

物理を学ぶときに「基本の4つの力」というのがでてきます。①強い力②弱い力③重力④電磁気力、のこと。*1

この4つの力がいい感じにバランスしているからこそ、いい感じの宇宙が出来上がった、と。重力がいまよりも少しでも強かったら惑星はできなかった可能性が高く、逆に弱かったら超新星爆発が起きず、それはそれで惑星系が生まれなかったとされています。上記4つの力や、中性子や陽子といった素粒子の質量などは「自然定数」と呼ばれますが、それぞれの自然定数の値が「どの程度」かは計測できるけど、なぜその値なのかは解明ができていない。

謎。ミステリー。不思議。

最近なくなったホーキング博士はその著書の中で、ビッグバン1秒後の宇宙の膨張速度が、実際の速度よりも数兆分の一だけ小さかったら宇宙は現在の大きさになる前に収縮してしまい、逆に数兆分の一でも大きかったら膨張しすぎて、ダークマターばかりで物質がない空虚な宇宙になっていたはずだ、としています。

謎。ミステリー。不思議。

これだけでも十分な奇跡、偶然ですね。

月:グルングルンに回り続けていた地球を落ち着かせる存在

いま現在、地球の自転は24時間単位で行われますが、月ができる前、地球が誕生した当時のそれは6時間でした。

しかしジャイアント・インパクト的ななにかで月が形成されると、その引力によって界面を引き上げ、海底と海の水の間に摩擦を生み出し、地球の自転にブレーキをかけたと。

6時間で一日が回っていたら、私たちのように8時間以上寝て、その後ご飯を食べて、なんてのんびりした生物は生まれなかったでしょうね。。。

水:比重と分子構造の妙

私たち人間も含め、生物にとって欠かせない存在の水。その特殊性について。

他の物質は、個体の状態が最も密度が高くなります。しかし、水の場合は温度4度、つまり液体の状態の時に密度が最大化します。その結果、氷は水に浮くことになります。地球に何度も訪れた氷河期の時、もし氷のほうが水より密度が大きければ、氷はどんどん海底に沈み、界面では新しい氷が生成されることで、海全体が凍っていた可能性があります。 しかし、水という物質の特殊性によってそうはなっていない。

さらには、H2Oという構造である一方、水平構造ではなく、水素同士が104.5度の角度で結合した構造を持つために、様々な物質の「水和」(水に溶けること)を促し、物体としての安定度を高めることに貢献しています。

お水、懐が広い。。

おわりに

当たり前のこの世界について、たくさんの偶然と驚きが隠れていることを改めて感じました。

また、宇宙・地球というものの広さ・大きさも感じました。

 重要なのは、これまでの地球の歴史を振り返り、非常に多くの生物が絶滅してきたという過去の事実を忘れないことです。地球の生命の歴史は、古い種の絶滅と新種の誕生の歴史と言ってもよいほどです。

 環境問題を考える際に、よく「地球に優しく」などといいますが、これほど実体とかけ離れた表現はありません。地球は、人類に優しくされたいと思うほど弱い存在ではありません。

 それは、地球が生物をたびたび大絶滅に追い込み、その中から新たな生物を進化させてきたこれまでの歴史を振り返れば、すぐにわかります。

地球にとって、私たち人類の代わりはいくらでもいるのです。

 もしも、全面的な核戦争によって人類が死に絶えるという、最悪の事態が起きたとしましょう。しかしそれでも、生き残った生物はやがて進化を始め、地球には新たな生態系が生まれるはずです。そして長い年月のあとには、新たな高等生物が出現し、地球を支配するようになるかもしれません。彼らは、人類とは違い、高度で平和な文明を築き上げ、太陽が膨張する前に地球を脱出する可能性もあります。

私たち人類は、決して取り替えのきかない特別な存在ではないのです。(p.222)

その通り。独善的な判断から離れて、もっと素直に自分・自分たちのことを考えたら良いと思うのです。

 

人類が生まれるための12の偶然 (岩波ジュニア新書 626)

人類が生まれるための12の偶然 (岩波ジュニア新書 626)

 

 

 

 

*1:書籍内では①②をそれぞれ「強い相互作用」「弱い相互作用」としていますが、ここではかわいいイラスト付きのILC Project webでの表現を引用

記録#39 『旅に出よう 世界にはいろんな生き方があふれてる』見る、診る、観る

また岩波ジュニア新書から。

ちょっと前にTRANSITのキューバ特集を読んで以来、旅モチベーションが高まっています。

nozomitanaka.hatenablog.com

そんな私にすっと入ってくるタイトル、『旅に出よう』。

著者の近藤さんは、大学院卒業後から8年にわたって世界中を旅しながら(正確にはちょっとずつ定住しながら)生活して来た方。最近また遊牧夫婦という本を出されたりしています。 

・まず最初はオーストラリアでイルカ保護のボランティアを。

・その後は打って変わってインドネシアでクジラ・イルカ漁を行う部族の村へ。

・さらにはタイとミャンマーの国境で太平洋戦争後に現地に残留した日本兵を探したり。

・中国・昆明に渡って二胡を弾くおっちゃんの悲しい家族物語を聞いたり。

・上海では夢を追う日本人総合格闘家と一緒にリングを盛り上げる。

・イランでは、現地女性が全身をすっぽり覆うチャドルの中は普通のセーターとジーンズを来ていることに驚く。

・スイスの亡命チベット人たちの本音と建前の使い分けに世界情勢を感じる。

本書のある章のタイトルにもなっていますが、これが「見ることと聞くことの違い」だなと。

 インドの路上でなんだか分けのわからないものを売っている中年のおじさんも、そこにいるということは、ちゃんと歳をとって何十年というときを生きているわけです。ヴァラナシのガートで毎日沐浴をしている老人たちも、それぞれなんらかの方法で、半世紀以上を生きてきているのです。

 もちろん彼らが、彼らにとってベストな行き方をしているわけではないかもしれないし、凄まじい苦労を背負いながら毎日をなんとか生き抜いているのかもしれません。彼らの様子に、ただ異国情緒的な美しさのみを見て取るのは、旅行者の勝手な思い込みに過ぎないと思います。

 ただ、そのことを理解した上でも、彼らを見ているうちに、自分も、自分の生き方について、もっと自由に考えてもいいのではないか、という気が強くしてきたのです。(p. vii)

そんな思いから始まった旅行。読めば読むほど、20代後半の数年をかけてあまりある濃密な時間が底に流れていたことを感じました。

そんな近藤さんから読者にメッセージ。

 だから、未来は明るい、これから楽しいことが待っているはずだ!と思って生きることはとても重要なことだとぼくは考えています。「これからやってくる厳しい世の中を生き抜くために、将来苦しい生活に陥らないように、頑張って勉強する」のではなく、「楽しいことがたくさん待っている自分の未来に向けて、より楽しく自分の行きたいように生きるために、いまやるべきことをがんばってやっていく」という方が、きっとやる気も満ちてくるのではないかなと思います。

 世界は今後ますます変化の速度を増しながら、急激に変わっていくでしょう。そんな時代をこれから生きていく皆さんには、ぜひいい意味で、これまでの"常識"にとらわれずに、自分の発想や興味、希望を大切にして、楽しく自由にそして大胆に、自分の生き方を創造していってほしいと思っています。(p.195)

近藤さんは現在京都で活動中とのこと。理系ライターチーム・パスカルを企画しているようなので、私もお邪魔しに言ってみようかしら。経済学出身だけど。

旅に出よう――世界にはいろんな生き方があふれてる (岩波ジュニア新書)

旅に出よう――世界にはいろんな生き方があふれてる (岩波ジュニア新書)

 

 

記録#38 『ホーキング、宇宙を語る』時間、ビッグバン、ブラックホール

今年3月に亡くなった物理学者、スティーブン・W・ホーキング博士。ALSを患いながらも、一流の宇宙物理学者として長く活躍してこられました。

本書はそんなホーキング博士の研究内容について、一般向けに書かれたものです。全世界で1千万部以上売れているらしい。すごい。

確かに数式も少なく言葉自体は平易です。が、宇宙というものを考えるときに必要となる時間の概念や光の性質、素粒子論などについて、それほど多くの人が理解できるとはとても思えず...最後まで通読できる方がそんなにいるんでしょうか...

時間の話

ニュートンアリストテレスが信じてきた”絶対時間”というものについて、「そんなものはないよ」というお話。

絶対時間とは、「いかなる観察者とも無関係に存在し、宇宙のいかなる場所でも一定の早さで進んでいく」時間のこと。客観的事実としての、どの空間でも、どの人にとっても、同じように流れていく、そんな時間。

アインシュタインが発表した相対性理論はその考え方を覆すもので、

  • 運動をしている物体は、その運動速度が早いほど(光速に近いほど)時間の流れが遅くなること
  • 強い重力を受けている物体は、その力が大きいほど時間の流れが遅くなること

ということを示し、「時間は伸び縮みするよ、絶対的なものじゃないんだよ」と我々に教えてくれます。

この辺の説明は、下記の記事がわかりやすかったです。*1

ai-revolution.net

ビッグバンの話

「ビッグバンの前に何があったのか」、問うことは現状無意味だよ。だって時間という概念が生まれたのもビッグバンのときなんだから」というお話。

ビッグバン時点の宇宙は、無限のエネルギーを持ち、大きさはゼロ。いま、宇宙は膨張しており(年5~10%??)、それぞれの宇宙の温度は少しずつ下がっている。

地球という単位で見ると温暖化なんだと叫ばれてますが、宇宙単位では冷却中なんですね...

ブラックホールの話

ホーキング博士は1974年、「ブラックホールはそれほど黒くないかもしれない」という仮説を提示しています。

これは、ブラックホールが光を含めてあらゆるものをその超巨大な重力のうちに取り込んでしまうため、真っ黒に見える(光を発することができない)はずという当時広く信じられていたブラックホール論に異を唱える説でした。

ホーキング博士は、とある物質はこのブラックホールから飛び出てくるはずだとして、科学者はその現象を「ホーキング放射」と呼んでいたとのこと。

2016年、どうやらこの仮説が正しいことが実験で確かめられています。

wired.jp

1970年代ではそもそも観察技術が足りなかったため検証できなかった仮説が、今になってようやく確かめる事ができたと。

ホーキング博士、すごい、その想像力たるや。 

おわりに

とにかく難解でした。何度呼んでも、私には完全に理解できるような内容ではないと思います。

それでも、ALSと戦いながら、家族と精一杯生活を楽しみながら、この境地まで到ることができるというのは、人間に対する讃歌だとも思うわけです。

 

ホーキング、宇宙を語る―ビッグバンからブラックホールまで (ハヤカワ文庫NF)

ホーキング、宇宙を語る―ビッグバンからブラックホールまで (ハヤカワ文庫NF)

 

 

*1:正直、この本だけだと宇宙のことがよくわからなくて、いくつか追加で記事を探して読みふけりました...勉強になりましたありがとうございます...!!

記録#37 『世界の国 1位と最下位』岩波ジュニア新書 1冊目。

岩波ジュニア新書の本をいくつか読んでみようと思っています。

このシリーズの本の末尾に「岩波ジュニア新書の発足に際して」という文章が載っています。

 君たち若い世代は人生の出発点に立っています。君たちの未来は大きな可能性を持ち、陽春の日のように光り輝いています。勉学に体力づくりに、明るくはつらつとした日々を送っていることでしょう。

 しかしながら、現在の社会は、また、さまざま矛盾をはらんでいます。営々と築かれた人類の歴史の中で、幾千億の先達の英知と努力によって、未知が究明され、人類の進歩がもたらされ、大きく文化として蓄積されてきました。にもかかわらず現代は、核戦争による人類絶滅の危機、貧富の差をはじめとするさまざまな人間的不平等、社会と科学の発展が一方においてもたらした環境の破壊、エネルギーや食糧問題の不安等々、来るべき二十一世紀を前にして、解決を迫られているたくさんの課題がひしめいています。現実の世界はきわめて厳しく、人類の平和と発展のためには、きみたちの新しい英知と真摯な努力が切実に必要とされています。

 きみたちの前途には、こうした人類の明日の運命が託されています。ですから、たとえば現在の学校で生じているささいな「学力」の差、あるいは家庭環境などによる条件の違いにとらわれて、自分の将来を見限ったりしないでほしいと思います。個々人の能力とか才能は、いつどこで開花するか計り知れないものがありますし、努力と鍛錬の積み重ねの上にこそ、切り開かれるものですから、簡単に可能性を放棄したり、容易に「現実」と妥協したりすることのないように願っています。

 わたしたちは、これからの人生を歩むきみたちが、生きることのほんとうの意味を問い、大きく明日をひらくことを心から期待して、ここに新たに岩波ジュニア新書を創刊します。現実に立ち向かうために必要とする知性、豊かな感性と想像力を、きみたちが自らのなかに育てるのに役立ててもらえるよう、すぐれた執筆者による適切な話題を、豊富な写真や挿絵とともに書き下ろしで提供します。若い世代の良き話し相手として、このシリーズを注目してください。わたしたちもまた、きみたちの明日に刮目しています。 (1979年)

 1979年という年は、1960年代末から続いた冷戦の緊張緩和から一転、再度緊張が高まった年です。ソ連アフガニスタンに侵攻、中東ではイラン革命が起きるなど国際情勢が緊迫し、1980年からはイラン・イラク戦争に発展するなど、世界中が大混乱に陥りました。

 そんな中で、これからの時代を背負う子どもたちに対して、矛盾に溢れたこの世界の中でそれぞれの能力や才能を開花させ、生きていくことの意味を提示しようとする姿勢と、その思いから生み出される本や知識。いっそう複雑化するこの世界でも、一読の価値があるのではと思います。

1位はわかる。では2位、3位は?

本書『世界の国 1位と最下位』は、人口や国土の広さ、経済規模、食料自給率貧困率などについて、世界で1位の国と最下位の国を比較することを基本としています。人口なら一位は中国、最下位はバチカン、といったように。

ただ、個人的に面白いなと思ったのは、上位・下位それぞれ2~10位程度の"群"とその分布についてのコメント。

例えばGDP国内総生産)の視点でいうと、最下位として紹介されているのはツバルとナウル*1。それに続いてアフリカのギニア湾上に浮かぶ島国、サントメ・プリンシペとなります。最新のデータ*2を見ると、その他に下位に位置する国はキリバスパラオマーシャル諸島ミクロネシアといった太平洋上に浮かぶ島嶼国家が並びます。

これらの国々を群としてみると、島国であるというだけではなく、長年他の国の植民地とされる中である種いびつな経済構造(単一作物栽培など)を強いられてきた国ということがわかります。この他にも、貧困率や食料自給率出生率なんかについても、群で捉えると、ただ知るだけではなく、考える、というきっかけになるな、と思っています。

ナウル共和国について紹介した本を読んだ時の感想を書いた記事。『アホウドリの糞でできた国

nozomitanaka.hatenablog.com

日本の人口がフィリピンより少なくなる日

私自身も、本書を読んでいて初めて知った事実がたくさんあります。

GDPのだいたい概念としてGNH(国民総幸福量)が紹介されていたり、オリバー・サックス開発経済学の概念がたくさん出てきたり、2010年にそういうトピック盛り上がっていたな、と思い返すきっかけにもなりました。 

おわりに

岩波ジュニア新書シリーズ、ざっとテーマだけでも見てみると面白いと思います。

岩波ジュニア新書 - 岩波書店

短歌は最強アイテム』なんていう尖ったタイトルのものも... 

世界の国 1位と最下位――国際情勢の基礎を知ろう (岩波ジュニア新書)

世界の国 1位と最下位――国際情勢の基礎を知ろう (岩波ジュニア新書)

 

 

*1:本書出版の2010年時点。2016年ではツバルが最下位で約3,400万ドル(約35億円)

*2:世界の名目GDP(USドル)ランキング - 世界経済のネタ帳

記録#36 『独学プログラマー』 やるぞ、Pythonでデータサイエンス

昨年2017年末にG's AcademyのData Science Bootcampに参加して、Pythonを活用した機械学習・データサイエンスにトライしていました。

いまはビジネス・デザイン中心に働いていますが、中期的にデータ周りの力をもっとつけて、データサイエンスの方々と一緒に働けるようになりたいなと思っています。

それに向けて、一人ひっそり学びを続けています。どこかのコミュニティに入ってメンター探して、みたいなのをおすすめされるんですが、人見知りを発動させてなかなか飛び込めずにいます...*1

タイトルそのまま、「独学プログラマー」読んでみました。著者のコーリー・アルソフさんは政治学を学んで大学を終了後、1年間プログラミングを独学しながら、その後eBayのソフトウェアエンジニアとして働き始めた人。相当努力されたんだろうなぁ...

プログラミングの基本

本書で言うところのプログラミングは、Pythonを基としています。これまで全く触ったことのない方でもわかりやすいように算術演算子や関数からはじめ、ループやファイル管理まで扱っています。

適宜「知識を一つにまとめる」というタイトルで演習が入っているのがとても良かったです。私はGoogle Colaboratoryを使ってやりました。便利。

www.codexa.net

オブジェクト指向”といわれるもの

これまで何度か聞いていたと思うんですが、やっとぱっきり理解できた気がします。

「相互に作用するオブジェクトを定義するパラダイム」と言われるとよくわからなかったんですが、手続き型プログラミング・関数型プログラミングと対比してもらって、かつ例もわかりやすくてありがたい...

バッグにオレンジがいくつも入っている状況を例に説明すると、どのオレンジもそれぞれがオブジェクトです。どのオレンジにも、色や重さと行った共通の属性情報があります。どのオブジェクトにも共通した属性情報がありますが、その値はオブジェクトごとに異なります。クラスを使ってオレンジにどんな特徴(属性)があるのかを定義して、クラスから個々のオレンジオブジェクトを異なる属性値で作成します。

(p.149) 

いつか誰かに説明を求められたとしても自分の言葉で伝えられるようになりたいです。

プログラマとしての心得

  • コードを書くのは最後の手段:他の誰かがすでにこの問題を解決していないか?をまず考える
  • DRY(Don't Repeat Yourself):同じ作業を繰り返さない
  • 直交性を保つ:モジュール間での依存性をなくす
  • 慣例に従う:PEP8読み込め
  • テストしろ:「テストされていないコードは、壊れているコードだ」

文中に出てくる"The Zen of Python"は仕事に立ち向かうときの心構えの話だった。

Beautiful is better than ugly.

Explicit is better than implicit.

Simple is better than complex.

Complex is better than complicated.

Flat is better than nested.

Sparse is better than dense.

Readability counts.

Special cases aren't special enough to break the rules.

Although practicality beats purity.

Errors should never pass silently.

Unless explicitly silenced.

In the face of ambiguity, refuse the temptation to guess.

There should be one-- and preferably only one --obvious way to do it.

Although that way may not be obvious at first unless you're Dutch.

Now is better than never.

Although never is often better than *right* now.

If the implementation is hard to explain, it's a bad idea.

If the implementation is easy to explain, it may be a good idea.

Namespaces are one honking great idea -- let's do more of those!

qiita.com

 

 何かデータ系のプロジェクトを始める・参加してみようと思います。 

独学プログラマー Python言語の基本から仕事のやり方まで

独学プログラマー Python言語の基本から仕事のやり方まで

 

 

*1:みんなのペースに合わせるの苦手...結果↑のData Science Bootcampも最後の演習直前にドロップアウトしました