記録#99 『人生は、運よりも実力よりも「勘違いさせる力」で決まっている』不都合だが面白い人間の真実。
最近読んだ本の中で圧倒的におすすめの一冊。
この本の言いたいことはまさにタイトルの通りで、
- 人が他人を判断するときに実力だと思っているものの多くは錯覚である
- その錯覚はハロー効果や認知的不協和、感情ヒューリスティックなどに基づいて本人にも気づかれることなく発動しており消しようがない
- だったらばその錯覚を活用する方向で働いてみてはどうだろう?
ということでした。
私がハロー効果のことを知ったのは大学の時で、下記の本がきっかけでした。
- 作者: フィル・ローゼンツワイグ,桃井緑美子
- 出版社/メーカー: 日経BP社
- 発売日: 2008/05/15
- メディア: 単行本
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↑の本は、経営書の中で最も売れた本のうちの一つ『ビジョナリー・カンパニー』をぼこぼこに叩いている本なんですが、原著のタイトルは"The Halo Effect"でした。
ハロー効果とは、「一つの要素に対する評価が他の要素に対する評価にも影響すること」で、例えば「容姿の良さが(実態はさておき)仕事の評価に影響する」みたいなところでも発揮されています。Halo=後光のことで、一つなにかいいところがあると、その人に後光がさすように、全体が素晴らしく見えてしまう効果のこと。
法律の専門家の人に経済政策に関するコメントを求めてしまう朝のワイドショーみたいなものですね。その意見が素人と変わらないようなものでも、他分野の実績があるだけになんとなく信頼できるものに聞こえてしまう、というもの。
ハロー効果に代表される、人間の認知におけるバグを活用して、どう快適にはたらくか。
- 「錯覚資産」=他人が自分に対して錯覚を起こすような成功実績を、小さくてもたくさん上げること
- そのために、小さいチャレンジを繰り返し数を打つこと。成功確率というコンバージョンよりも、元々の挑戦回数を上げたほうが効率がいいはず
- 上で築いたハロー効果の強さに対して、①自身の思い浮かびやすさ(想起度)×②思い浮かべる人の数×③思い浮かべる人の質、が錯覚資産の大きさ
- ①~③を強化するためにはSNSはもちろん勉強会やリアルな場を活用すること、飲み屋ももちろんOK
スキルを高めている場合じゃない、築くべきは錯覚資産だ、と。
面白い示唆が溢れた本でした。賛成反対含めて、ぜひ一度読むべき。
本当におすすめです。