ねずこん読書記録

小さな会社を経営しています。読んだ本について書き残していきますー

記録#242 『世界のなかで自分の役割を見つけること』最高のアートを描くための仕事の流儀

 

世界のなかで自分の役割を見つけること――最高のアートを描くための仕事の流儀

世界のなかで自分の役割を見つけること――最高のアートを描くための仕事の流儀

 

感じたこと


  • 著者・小松さんの出身地・長野県坂城町はゆかりのある場所。それもあって手にとってみました。一度だけお会いしたことがあり、不思議な空気感を身にまとった方で、本書にあるような、神々との対話を行いながらアートを仕上げていく姿がすっとイメージできる方。
  • 自然を感じる力が本来は皆に備わっている、アートを通じてそれを発露させる、と書いているのはなるほどなぁと。
  • Amazonレビューを見ると、「アートではなく落書き」「中学生の日記レベル」のようなレビューも目立って、アーティストとしてやっていくというのはこういう無名・匿名の批判にさらされ続けることでもあるから、大変だなぁとつくづく。
  • 本文中に出てくる茨木のり子さんの「自分の感受性くらい」という詩を読んで、改めて素敵で、がつーんと頭を殴られるような文章でした。
  • アーティストとして成功するためならTVはじめメディアにも出るし、本も書く。その姿勢は、一つの姿としてありなんじゃないかと私は思います。

内容


  • 第1章:つながるためのアート
    • 人は心身だけではなく、魂でも生きている。魂を磨く、つながる、そのためのアート
    • 良い作品には著者の魂はもちろん、作成に携わったスタッフはじめ様々な霊が宿る。それが人を魅了する
    • 一つの物事に囚われすぎず、様々なものを融合させていく大和力。海外でも現地のものごとを取り込んでキメラ化させ、絵を通じたコミュニケーションを促したい
  • 第2章:アートの原点
    • 長野県坂城町の山の中で出会った山犬さん
    • 不登校に近かった中学生時代と、その中で画家になると決意するまで
  • 第3章:「自分の心」を超えていけ
    • 自分の感受性のみにこだわっていた時期
    • 自分のアートを、みんなのための道具にする、という決意
  • 第4章:大和力を、世界へ
    • ニューヨークで必死で画廊を回るも全滅
    • 伊勢神宮出雲大社などで開眼し、色というものを扱い始める
    • 職人さんやアートプロデューサーなどとの出会いにより、活動の場がどんどん広がっていく
  • 第5章:未来のためのアート
    • 覚醒→進化→達成、と3年周期でアーティスト人生を進めていく
    • 熱く戦う、牙のあるアーティストとして、世界の第一線で戦いたい
    • メディアに取り上げられることはチャンス、それを通じて様々な人が個展に来てくれる
    • 大嫌いは無関心よりずっといい。

引用メモ


大和力というのは、「日本らしさ」ということではない。日本が古来持っている、いろいろなものを組み合わせ、まとめ上げてデザインする力であり、方法である。世界の様々な文化を集約し、統合する能力こそ、日本が持つ「和」のちからであり、「大和力」とは大きな和の力である。「和」は一人称で、「大和」となると大勢になるというようなイメージもある。 「和」とは、まるで円のように、ありとあらゆる異なるものを全て包み込み、ミックスする力だ。異なる文化、異なる宗教、異なる考え方、異なる歴史が融合することで、和が自然に成立していく。