記録#90 『もじ部 書体デザイナーに聞く デザインの背景・フォント選びと使い方のコツ』あふれるフォント愛。
元同僚におすすめされた本。
これまで資料はたっくさん作ってきたものの、使ったフォントは和文・英文あわせて10くらい。游明朝・ゴシックやメイリオ、泣く泣く使ったMS P ゴシック、英文ならArialや数字でVerdana、国の報告書なんかはTimes New Romanなどなど。
もっともっと文字に触れたい。そんな思いで手にとったのが本書です。
もじ部 書体デザイナーに聞く デザインの背景・フォント選びと使い方のコツ
- 作者: 雪朱里+グラフィック社編集部
- 出版社/メーカー: グラフィック社
- 発売日: 2015/12/07
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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インタビュアーとフォントデザインやグラフィックに関わる人達が「部員」となって、書体デザインをするプロフェッショナル「部長」のところに話を聞きに行く、ということをしています。素敵。
宇遊工房やモリサワ、Adobeなどの私でも知ってる日本企業もあれば、海外の欧文書体デザイナーまで、インタビューをする先は幅広い。できるだけ色を付けない書体を意識する人もいれば、ご当地フォントのように地域色をぐっとつける人、さらには文字だけではなく文字と文字の間のスペースの取り方についてアツく語る人まで。
字体、本当に面白い。
特に心に残ったお話が、
- 流麗仮名という書体を作るとき、文章を組み上げてみてもともとの書体をリデザインするということをしていたら、「れ」の一文字を合計14回もなおすことに*1(pp.14)
- ユニバーサルデザインフォント(UDフォント)をデザインするときに、白内障の方の見え方を体験できるシミュレーターを用いて一つ一つの字体を検証(pp.22)
- 白い部分も文字。字と字の間のスペースをとるときに、どこに基準を置くのか。欧文書体で、IとLやAとVの間を基準にすると詰まるし、IとVの間を基準にすると広くなる(pp.54)
- 映画タイトルデザインという仕事、限られた時間のみ見える文字だからこその工夫。グラフィックデザイン全般に、時間という概念を考えて取り込んで見る(pp.114)
どれもこれも、新鮮なデザインのお話でした。
仕事で資料を作ったり見たりする方、全般読んでみるべき本だと思いました。
デフォルトでセットされているMS ゴシック、今日は変えてみませんか?(理由なくポップ体にしないように)
もじ部 書体デザイナーに聞く デザインの背景・フォント選びと使い方のコツ
- 作者: 雪朱里+グラフィック社編集部
- 出版社/メーカー: グラフィック社
- 発売日: 2015/12/07
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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*1:私には14こすべて同じに見えました...