記録#304 『医師の不足と過剰:医療格差を医師の数から考える』
感じたこと・内容
- 理系人材として、工学部・理学部などに進学したあとのビジョンが見えづらいと、優秀層が一定の尊敬と収入が見えている医学部を選択しがちなのはある程度仕方がないことなのかも
- 韓国などでも医学部人気がすごいらしい
- 日本では戦時中の軍医育成から、その後の高度経済成長への対応など、ところどころ意志の育成アクセルを踏んだシーンがあり、人口あたりの医師数は緩やかに増加している
- 毎年9,000名程度が新たに参加し、3,000名程度の医師が増えていく計算
- 一方でこれからは人口減少社会に入るため医師数も絞っていく必要がある一方、各大学の思惑としては自らのところの定員を絞ることはしづらく、ブレーキのかかり方はゆるやか
- 欧州各国を見ると過剰とも言える医師数が設置されており、日本はそこまでの水準にはないが、医師の養成コストの高さ(大学6年間で総額1億円/人)などを考えるとどこまでその育成に社会資源を投じるべきなのかは議論の余地がある
- 医療のコスト・品質・アクセスのトリレンマ。どれか一つは必ず犠牲になってしまう。その中でどの2つを選択するのかは社会のステージや健康状態によって変わるのはそのとおりだなぁと。
- 日本という国は医師が過剰であるとも不足であるとも言いづらいが、地域ごとの格差は相応にある。診療科ごと、あるいは一次~四次までの医療機関のステージによって地域ごとの偏りが存在している
- 人口あたりの医療者数、徳島が最大で、埼玉が全国的に少ない方、というのはかなり意外だった。
- 地方での外科、救急、小児科の不足が深刻。地方で働いてみても良いと考える医師は一定いるが、20代であれば学習・研究環境が、30台以降
- 地方都市の民として、自分に何ができるのか/しなくてはいけないのか、自分が一人の生活者としてどのような医療環境と向き合っているのかを考えるいいきっかけをくれた本