記録#212 『嫉妬と自己愛』 「負の感情」を制したものだけが生き残れる
嫉妬と自己愛 - 「負の感情」を制した者だけが生き残れる (中公新書ラクレ)
- 作者: 佐藤優
- 出版社/メーカー: 中央公論新社
- 発売日: 2017/02/08
- メディア: 新書
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元外務官僚の佐藤優さんが描く、現代の嫉妬と自己愛について。
もともとは霞が関で、その後は編集の世界で見てきた男の深い嫉妬と、背景にある深い自己愛の描写から本書は始まります。
その嫉妬や自己愛の構造はどうなっているのか。過去の小説や専門家との対談を含めて検討していく内容になっています。
- 嫉妬そのものは努力の源泉にもなっているものだが、自己愛によりその嫉妬が歪むとストーカーになったり精神疾患になったり
- 一方で現代は自らに近い存在としての嫉妬ではなく、遠くの世界の人に対する羨望に変化してきている
- 永続成長の神話が崩壊する中で、"上"の世界は目指さないけど中の下より下には行きたくない、というメンタリティが強くなってきている
自己愛を管理しよう。嫉妬の芽を摘もう。そんなメッセージがある本書。
一方で禅やマインドフルネスが流行っているのも、この流れなのかもなぁと。
『嫌われる勇気』、改めて読んでみようかしら。