記録#213 『薄情』内陸、余所者、内と外
『小説の一行目』の中でも特に感動した1行。
今年のベスト句読点です。 pic.twitter.com/yFcMxgFRGr
— uoɔzǝu / ᴉɯozou (@nezc0n) December 23, 2018
この書き出しは、絲山秋子先生の『舟を待つ』のもの。心惹かれて、糸山先生の他の書籍に手を出してみました。
読み終えてから、下記のインタビューを読むとまた味わい深い。
― 「薄情」というタイトルと深く関わってくる「弱い毒」や「薄い毒」という言葉が印象的でした。これは「余所者に対する土地の人の無意識の悪意」というように読み取れますが、群馬で暮らしていてこういうものを感じたことはありますか?
絲山: 実際には感じてはいないものの「いつか起こり得るリスク」として考えることもあります。
結局、「余所者」には「良い」か「悪い」かしかないんですよ。私は群馬にたくさん友達ができましたし、本当に良くしてもらっていますし、ラジオ番組も持たせてもらっています。でも、絶対にそんなことはしませんが、たとえば私が飲酒運転で捕まったり、何か許されないような事件を起こしたとしたら、結構なリスクがあるんじゃないか。つまり、その時に私は「余所者」に戻るんじゃないかという気がしています。そういうリスクへの危機感が反映されているのが、作中の「鹿谷さん」の事件だと思います。
私も実家・長野を離れて、神戸で生活をしています。会社化までしてしまいました。
余所者として、淡々と、やっていこうと思います。