記録#58 『今日もていねいに。 暮らしのなかの工夫と発見ノート』
モノマリスト、の本を読んだときに紹介されていた、松浦弥太郎さんの本。
もとから大好きな人の一人なので、改めてこの本を手にとってみました。
2006年から2015年まで 暮しの手帖の編集長を務められ、中目黒にあるCOW Booksの代表も長いことされている松浦さんが見つめてきた、毎日の生活。
そこにある哲学は、表題の通り、毎日をていねいに生きる、ということなんだと感じました。
自分プロジェクトをもつこと
ていねいに毎日を過ごす、というお話の本の中で、頭に出てくるお話が「自分プロジェクト」について。
毎日をただなんとなく、おもしろがりもせず、漫然と生きていくくらいなら、どんなに小さいものであっても自分なりの流儀や決めごとを持ってみては、という提言です。
自分プロジェクトとは、言葉を換えれば、自分で問題を見つけ、答えを考える「独学」です。一日に一つ何かを学ぼうとする心持ちです。 p17
子どもは毎日たくさんの疑問を持ち、周りの人にたくさんの質問をします。(一説では2歳から5歳までのあいだに4万回もの質問をする。*1)
それは、この世界に関心をもって、観察して、疑問を持つから。
同じように、自分なりに周囲を観察し、問いをもち、自分ごと化していくことで日々がもっと充実していくはずです。
「最近、なにか楽しいことはあった?」こうたずねられたとき、「どうかな、特別に楽しいことはなかったな」などと、あっさり答える人がいます。そのたひ、僕は、ああもったいないなと思うのです。楽しみは、発見するもの。喜びは、工夫するから生まれると僕は信じています。 p27
世の中を面白がること。自分ももっともっと、周りを楽しく観ていきたいなと思いました。
ちなみに松浦さんの自分プロジェクトのひとつは、「毎朝おいしいハーブティーを入れること」だそう。素敵。
自分発で物事を考えること
1日にやることを、松浦さんはThings to doとして上に書き出して一つ一つつぶしていくんだそう。
どんな順番で?
それは、自分の体とリズムにあう順番で。
今日かることを箇条書きでリストアップしたら、優先順位や効率だけを考えるのではなく、自分にとって心地よいリズムでこなしたいと思います。 周りの影響は受けるものの、何かをするときの動機は自分発でありたい、自分の関わることは自分でコントロールしたい、そう願っているのです。 p41
どこまでも自分発で。その繰り返しが「誰がなんていったって」という頑固さと、「たしかにそうかもな」という柔軟さのバランスを心地よく保つことに繋がる気がします。
一人の時間を持つこと
松浦さんも、その奥さんも、一人の時間をとても大切にしているとのこと。
自分という人間に"余白"がなくなってきたとき、生活が硬直しているなと感じたとき、ふらっと引きこもったり、旅にでたりする。それも、自分という人間をしっかりと観察しているからこそできること。
そこで自分という存在に水を上げて、取り戻して、父親だったり夫だったり編集長だったり社長だったり、という役割に戻っていく。
一人の個として立てるからこそ、いろんな役割を背負い込める。
裸んぼうの、なんでもない自分になれるひとときがあれば、そこで自分を取り戻し、一息つけます。そこから真剣に人とかかわり、精一杯、コミュニケーションに心を砕く力が生まれると思うのです。一人の時間がなくては編集長にも父親にも、何者にもなれない、僕はそんなふうに感じています。 p108
おわりに
他にも、食事の話やあいさつの話、贈り物・シェアリングの話、姿勢の話、お金の話、手の話...
いろんなテーマで、暮らし、というものを見つめていらっしゃいます。
自分の生活を見つめ直すための、いい本でした。本当におすすめです。
*1:子どもは40000回質問する https://amzn.to/2HX2tFf