記録#298 『ヒップな生活革命』
感じたこと
- 食や音楽には文化の流れが詰まっている。小さなムーブメントがそこらじゅうで起きていて、それが大きなうねりになる日まで。インディペンデントな生き方を実践する人に優しい世界を。
- おわりに、にあるように、ポートランドや北欧のカルチャー・取組をそのまま日本に持ってきてもだめだろう。自分たちの文化の中からぽっと信念を持って出てくるまで。自分たちがその担い手になるまで。
内容
- もっと調べたいここのお店や会社、取組
- 正しい消費を。
記録#297 『本当の勇気は「弱さ」を認めること』
感じたこと
- 他人の視点で生きないこと。自分の不完全性を認め受け入れること。他者を真っ直ぐに捉えること。
- 禅の心と共通するところがあるなぁ
内容
- 偽らない生き方の10の指標
- 自分らしくあるという本来感を育む-人からどう思われるか気にすることをやめる
- 自分自身を慈しむ事故共感を育む-完璧主義を捨てる
- 立ち直る力を培う-感覚を麻痺させることをやめ無力感と手を切る
- 感謝と喜びを育む-欠乏感と闇への恐れを捨てる
- 直感と信じる心を育む-確実性への欲求を捨てる
- 創造性を育む-比較することをやめる
- 遊びと休息を豊かにする-疲労をステータスシンボルにしたり、生産性を自己価値として捉えることをやめる
- 平静さを培う-ライフスタイル化した不安を捨てる
- 有意義な仕事に励む-自己不信と「~すべき」を捨てる
- 笑い、歌、踊りを豊かにする-「カッコつける」ことや「何があっても取り乱さない」ことをやめる
- 一方で、人間は3つの要素により終わらない欠乏感に苛まれている
- 恥:人を管理し規律を守らせるために、ばかにされることやけなされることへの不安が利用されているか。自己価値が業績、生産性、規則の遵守に結びついているか。人のせいにしたり攻めたりすることが当たり前になっているか。こき下ろしや中傷が横行しているか。えこひいきがあるか。完璧さが重視されているか。
- 比較:健全な競争なら有益である。だが公然とあるいは暗に、比較やランク付けが常に行われているか。創造性を抑えつけているか。個性的な才能や貢献を認めるよりも、一つの狭い尺度にこだわっているか。ある理想像やあるタイプの才能を、全ての人の価値を測る基準にしているか
- 関わる意欲の喪失:リスクを負うことや新しいことを試すことに不安があるか。体験やアイディアを発表するよりも、黙っておとなしくしている方が楽か。本気で目を配り耳を傾けてくれる人はいないと感じるか。存在を認めてもらえずに苦しんでいるか。
- 偽りのない心の中心には、ヴァルネラビリティと自己肯定感がある。確実なものがなく、脆さを晒し、感情的リスクを負いながらも、私はことでよいと思えること
- 私たちは他人がありのままに自分をさらけ出すことを歓迎しながらも、自分自身はそうしない。不安に押しつぶされる
- ありのままの私を晒す勇気を与えてほしい。たとえ失敗しても、やる価値のあるものはなにか?
- 精一杯生きていくとき、失望し、傷つき、胸が張り裂けるような思いがすることは避けられない。だがそれを乗り越えて進むためには、たとえ敗北したとしても、それで愛や居場所、喜びに値しなくなるなどと決して思ってはならない
- 恥から立ち直るための3要素
- 勇気を出して助けを求める。恥と戦い、誇りを守るためには、この体験を誰かに打ち明ける必要がある。愛してくれる人に
- 大切な人が窮地に陥ったときに語りかけるように、自分自身に語りかける
- 体験自身を自分のものにする。恥の体験を忘却しようとしたり、こじらせ化膿させたりしてはいけない。自分自身のものに取り込む。
引用メモ
イノベーションと情熱を再び燃え上がらせるためには、仕事に人間性を取り戻さなくてはならない。恥を利用して人を管理しようとするとき、関わる意欲は失われる。失敗が許されないとき、学習、創造性、イノベーションは忘れられていく。
信頼は生身を晒すことによって、時間をかけ、手間をかけ、気にかけ、関わることによって育っていく。信頼は大掛かりなことをやって見せることではなく、ビー玉を1個づつためていくようなものなのである。
私に起きたことが私なのではない。私がそうなると決めたものが私なのである。
競技場に出てきて戦い、時には自分も傷つく覚悟のない人の発言など、耳を傾けるに値しない。
ただ批判するだけの人に価値はない。強い人のつまずきを指摘し、やり手ならもっとうまくできたはずだとあげつらうだけの人には。 称賛に値するのは、実際に競技場に立ち、誇りと汗と血にまみれながらも勇敢に戦う人だ。あるときは間違いを犯し、あと一歩で届かないことが何度もあるかもしれない。 何をするにも間違いや欠点をつきまとう。それでもなお、ことを成し遂げるためにもがき苦しみ、情熱に燃え、力を尽くし、大義のために身を粉にして励む人こそ偉大なのだ。 順風ならば最後には勝利に輝くだろうし、最悪の場合、失敗に終わるかもしれない。だが彼らは、少なくとも果敢なる挑戦をしたのである。 (セオドア・ルーズベルト)
記録#296 『悲観する力』
感じたこと
- 過去には楽観的に、未来には悲観的に。準備をしよう。
- 結びの言葉、揺らぎの表現が素敵。
内容
- 人間が人間たる要素の一つが、複雑な要素を踏まえて予測を立て、それに対処すること。悲観する力はその予測性を高めることにつながる。楽観が過ぎると、多くを見落とす
- くよくよするな!悪いことを考えるな!という楽観姿勢はもっと悪い結果を生む
- 思い通りに行かない、を前提に準備する。エラーを想定すれば、準備ができる
- 楽観重視が広がる現代。幸運信仰。時間も金も人間も消費されてしまう。不毛。
- 楽観の原動力は期待と願望。平和がそれを加速させた。
- 悲観の原動力は自制であり理性。
- 人間は機械よりも不安定だからこそ、失敗をする前提で。悲観的に。
- 悲観することがバックアップにつながる。フェールセーフ。
- 信号は本来青だけあれば機能する。しかしランプ切れなども考えると、青も黄色も赤も準備しておくべき。
- バックアップができていれば、自信が生まれる。
- 表向きは楽観に。内向きには悲観に。
- リーダーシップが楽観的な態度から生まれることは確か。あくまで使い所
- 理性的な悲観主義は論理を生む。ロジックをベースに検討し、準備・対策をすることはリーダーにとって必要なアクション。
- 悲観の手法
- Aならば必ずB、のような決まりごとが絶対ではないと疑う
- 決めきる発言に対して、例外や反例を探す
- 見込める効果を小さめに評価し、それでも全体が成立するか検討する
- 多数意見を鵜呑みにしない
- 都合の悪い事態ほど優先して考える
- できるだけ多数の視点に立って考える
- 自分の説明が相手に理解されていないことを考慮しておく
- 周囲からの評価を期待しない
- 過去を楽観し、未来を悲観すること。変えられない過去をどう捉えるかは個人の自由、好きにすれば良い。しかし未来に対しては徹底して準備・対策するために、悲観を。
引用メモ
考えることが、どれほど楽しいことか、僕は機会があるごとに書いているのだが、もうほとんどわかってもらえなくなった。つまり、本当の楽しさをしらない人が多くて、楽しさの価値さえわかってもらえない気がする。(中略) 人間は、自分が望むとおりになる、と僕は常々話している。これは楽観ではない。明らかにそう観察される客観的な事実だ。考えて行動した人が、考えたとおりの結果を得る。結果を得られない人は、考えていなかったからそうなった。差は、考えたかどうかである。
明日にも死ぬかもしれないという悲観と、まだしばらくは大丈夫だろうという楽観の間で、人は揺れ動く。生きるとは、考えるとは、つまりはこの揺らぎのことである。
記録#295 『THE MODEL マーケティング・インサイドセールス・営業・カスタマーサクセスの共業プロセス』
THE MODEL(MarkeZine BOOKS) マーケティング・インサイドセールス・営業・カスタマーサクセスの共業プロセス
- 作者: 福田康隆
- 出版社/メーカー: 翔泳社
- 発売日: 2019/01/30
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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感じたこと
- 営業を科学する。背景にあるのは名著・The Goalで、営業というものを全体として考えた時に、計測すべき指標はどうあるべきか、リサイクルをどのように行うべきか、不具合の起きた組織の問題点をいかに特定してFIXするか、など、学びに溢れた本だった。。すべてのスタートアップ経営・事業開発マンにおすすめ。
- 営業マンが会う前に勝負が決まっている。事前にどんな情報をどんなふうに提示できるのか。あった瞬間が0ではないことを認識せねば。
- マルケトで導入している、営業プロセス移行基準の厳密性に驚かされる。優れた組織はここまで徹底しているんだなと。自分が一定の営業組織を見ることになったらこの粒度でやろう
- 最後に出てくる野村克也さんの名言が最高。利益と尊敬、少しの恐怖、そして潤滑油としての笑い。これぞ名将、名経営者。
- 人間は道具を使ってこそ。最後の自転車の話、何度聞いてもいいね。
内容
- 営業をファネル管理するのみならず、ファネルから漏れた対象をいかに再活用・リサイクルするかが重要。ファネルを一方向で管理すると天井が来る。新規の流入が先細る中で拡大のKPIを設定し続けると個別最適の罠にハマって死ぬ。
- 営業が会う前に、勝負は決まっている
- 数字の背景にある構造・洞察を捉えること。単なる数字ではなく、それが意味することを瞬間で把握できるように。著者の福田さんは、リード案件を毎日・全県目を通していると。小さな変化でも、それが何を意味するのか一瞬で想像ができるようになる。自分のアンテナを高く。視座は広く。
- レベニューモデルはどんどん進化する。認知拡大からリード育成へ。その後商談を経て顧客とした後も、オンボーディングやリニューアル・アップセル・クロスセルと関係が続いていく
- 認知拡大→リード獲得→リード育成とするときに、育成対象外として情報を捨てる意思決定をすること。すべてを闇雲に育てに行かない
- 育成の結果有望リードとした後にアポイント訪問へと回していくが、何を持って有望リードとするのか、商談プロセスの成約確度をどの基準で計測するかなどは厳密な定義をしておくべき
- 契約後にも、顧客のオンボーディングやサポート、コミュニティ形成などを通じたカスタマーサクセスへの貢献が求められる。
- KPIを管理することに満足しない。ボトルネックは一つで、それが様々なKPIに影響して課題が表出する。ボトルネックを特定することにアンテナを立てておくこと。The Goalのように。
- 営業は件数だけでなく金額もみるなど、常に二つ以上の指標で見ること。単価や打率など、複数指標で見ないと見逃すこともある。かつ部署間比較などはApple to apple担っているかを大切に。時系列で見てあげたほうがフェアな場合も。
- 数字は大切だが、数字のみで判断をしないこと。数字はブレる。コントロールできない要因でブレる。
- SaaSの常識だから、Startupの常識だから、ということに流されないこと。状況に応じて考え抜く姿勢を持つこと。
引用メモ
「ここまでは本当にうまくやってきて成功したと思うが、10年も経つとだんだんやれることの幅が狭くなってくる。事業を始めたばかりの頃はいろいろな選択肢が取れる。市場戦略、マーケティング戦略、人材採用を決めていくと、同時に制約も出てくる。あとになってここはこうしたほうが良かったなと思っても、後戻りはできないことがたくさんある。また最初からやり直したら、もっとうまくできるのにと思うことがたくさんあるんだよね」
ナポレオンは「人間を動かす2つのテコがある。それは恐怖と利益である」と言った。私はこの2つに「尊敬」を加えたい。リーダーは「利益と尊敬と、少しの恐怖」で組織を動かしていくべきで、その潤滑油が「笑い(ユーモア)」だ。
記録#294 『堀江貴文vs鮨職人 鮨屋に修行は必要か?』
感じたこと
- 修行に終わりはないと。技術を学んだからハイ終わり、ってことはなく、仕込みの学びは延々続くし、新しいことへのチャレンジもやめちゃいけない。修行は続く。
- 最初の苦しさを耐え抜いた後に、どこで差別化していくのか。STPですね、STP。
- インバウンドの鮨需要が今後も広がっていく、というのはそのとおりなんだろうなぁ。
内容
- 元ラッパーの方が営む渋谷の鮨屋、「くろ崎」。夜のうちにLineで発注を書けたり工夫をしながら、カウンターをL字にしないだったり、お店を出た瞬間に車が通る場所にしない、予約は2ヶ月先まで等、気配りに溢れたお店。センスの固まり。
- 3代続く福岡・戸畑の鮨屋、照寿司。すきやばし次郎に憧れながら、とにかくFBに上げ続けた。大将の人柄も一つの素材。そして福岡・山口のいい素材を使い続ける。
- 北海道、もとは真駒内で営業していた鮨 一幸。集客に効くのは食べログだけど、事故みたいなお客さんも。素材の力は半端ない。白身は絶対関西から。言葉で説明できる美味しさだけではなく、感性に従った美味を。
- 銀座 はっこく。和食屋さんなどで修行して、鮨屋に。銀座という場所で、30貫コースで出す。小さい魚をさばくのは大変ですよ、と。
- ワイワイした中でお鮨を楽しんでほしいと、目黒で営む鮨 りんだ。人通りがない場所に立つ店だけに、一度来たお客さんは逃さないぞと。食べることは戦いではない。もっとすっとやればいいのでは。仕入れはLineをフル活用。インバウンド需要をがんがん求めていく。
- 大衆鮨、高級鮨、屋台鮨を経験していま、鮓職人 秦野よしき。新しいチャレンジで自身の第一形態を、北海道の鮨 一幸に憧れて第二形態に。気持ちを高めるために毎度ファーストクラスで。米の産地も指定。使った魚全部のあらをつかった透き通ったアラ汁も。
- 銀座久兵衛など伝統を重んじる場所で修行をしてきた新井さんが銀座で握る 鮨 あらい。鮨の専門学校もある。握りの技術でそんなに差はつかない。最後は人間力。
引用メモ
時代によって正義は違う。必ず見極めろ。
記録#293 『キングダムで学ぶ 乱世のリーダーシップ』
感じたこと
- 自分を会社を率いる身。やっていこう。
- つくづく、コンサルタントって怪しいな...
内容
- 乱世の現代。漫画・キングダムの舞台となっている春秋戦国時代から学べることもあるのでは。
- リーダーの条件①:人を巻き込み同志にできるか
- そもそもの熱量は十分か。それを他人に示せるか。
- エンロールメントを実現するための信頼関係、報酬、方向性を提示できるか
- リーダーの条件②:率先して範を示せるか
- 率先垂範。苦しいときほど先頭に立つ。
- 部がか育たない。やる気がない。それを言い訳にしない
- リーダーの条件③:先を見通し細部まで気を配れるか
- 部下を守り、組織の力を最大限に発揮して勝つためには、味方も敵も状況も冷静に判断して決断しなくてはいけない
- 自らが苦手なら、周りで補う。
- リーダーの条件④:合理的に考え時に非情になれるか
- 本来の目的、組織全体のために、私情を排する必要がある瞬間がある
- 意地や面子で判断を狂わせてはならない
- ネガティブな意思決定はリーダーしかできない
- リーダーの条件⑤:部下愛を持って人を育てられるか
- 部下を認め、尊重し、感謝し、愛す
- 一緒に戦うことで成長する、というのも一つの報酬
- リーダーの条件⑥:前向きさ明るさを持っているか
- 心を広く、常に前を向く
- 明朗快活に。部下を持ったらなおさらに。
- リーダーの条件⑦:すべてを背負う覚悟はあるか
- 組織を背負うからこそ、細かいことまでケアする
- しかし、蛮勇であってはならない。リスク計算は正確に。
- リーダーの条件⑧:人間を理解しているか
- 人主の患いは、人を信ずるに在り
- 人間の感情や知性は組織を、行動を複雑にする。恨みや辛み、怨念も。
- リーダーの条件⑨:熱いビジョンを作り出せるか
- 目的地なくして行動なし。そこまでの道筋やストーリーも語れてこそ。
- 真善美の価値をフォロワーに感じてもらってこそ
- リーダーの条件⑩:自らを捧げる使命感はあるか
- その立場に置かれ、やるしかないと覚悟を決め、それが自分の人生なのだと使命感を確立することで、誰しもがリーダーになれる
- 使命感は伝染する。人に紡ぐ。
記録#292 『あなたの人生の意味』
感じたこと
- 人としての内面を磨くことの大切さを教えてくれる。履歴書向けの成功よりも、墓碑向けの成功を。謙虚に、まっすぐ、正しくあろう。
- 心がまだら模様であること。成功に至る野心が搾取につながってしまうことも、独創性につながる自信が傲慢さにつながることも。
- 一度謙虚の谷に降りなくてはいけない。そこから人間性の山を登る。
内容
- 2つの人間の美徳。この2つそれぞれが一人の人間の中に収まっており、絶えずせめぎ合っている。
- アダムI:私たちの中のキャリア志向で、野心的な面。何かを創り、築き上げること、生み出すこと、新たな何かを発見することを望む。そして高い地位と勝利を求める。創造力に富み、目に見える成果をあげる。そして、その成果を享受する。物事の仕組みを知りたがる。常に前進しようとする
- アダムII:心の内に何らかの道徳的資質を持とうとする。内なる自分を晴れやかで曇りのないものにしたい、穏やかだが強固な善悪の観念を持ちたいと望む。善き行ないをするだけでなく、善き存在であることも求める。他人に深い愛を注ぐこと、他人への奉仕のために自己を犠牲にすることを 欲する。普遍的な真理に忠実に従って生きたいと望み、創造と自分自身の可能性を尊重する揺るぎない魂を内に持ちたいと望む。何らかの崇高な目的のために世俗的な成功や社会的な地位を放棄する。物事の存在理由を知りたがる。自分の原点へと帰りたがる。
- 私たちの心はまだら模様になっている。起業をするには野心が必要だが、その同じ野心によって儲け主義に走ることも、誰かを搾取することもある。性欲がなければ子供は生まれないが、その同じ欲望が不倫につながることもある。大胆に独創的なことをするためには自信が必要だが、その自信はともすれば過信、傲慢さになってしまう。
引用メモ
自分の人格を磨き、実際に素晴らしい人格を持つにいたった人たちを実例として取りあげている。その中には何百年も昔に生きた人もいる。皆、明らかに現代の私たちとは違う物の見方、考え方をしている。そして、現代の私たちとは違い、心の中に鉄のように硬い芯を作っていた。また、ただよく頭が働くというだけではない、真の賢明さを身につけていた。正直に言おう。私はこの本を、自分の心を救うために書いた。
自分自身の中で最も良いと思われる部分を大きく育て、最も悪いと思われる部分に打ち克つ。それが謙虚な人たちにとっての生きる意味であり、そのために大変な努力をする。ともかく最初に、自分には生まれつき大きな欠陥があるのだとはっきり認識する、すべてはそこからだ。
人間には、時間の経過とともに道徳的に向上する責任がある。最高の人生とは、常に心を磨くことのできる人生、道徳的な喜びや、静かな感謝の念を抱くことができる人生だ。心は穏やかであるべきだが、その穏やかさには、内面での道徳的な葛藤を経験し、その葛藤に打ち克たない限り到達できない。有意義な人生を生きることができれば、それは永遠のものになる。有意義な人生とは、理想を掲げ、その理想に向かって最後まで闘い続けた人生のことである。人生は本質的には道徳劇であり、快楽は人生の本質ではない。
一人の人生はあまりに短く、一人の能力はあまりに少ない。だが、他者に頼ることで、自分一人では絶対に得られない発想が得られる。優れた助言を得て自信を持って前に進むこともできる。欠点を克服すると決意して闘ってはいても、はじめに計画したようには行動できないこともあれば、思いどおりに成果があがらないこともある。その時は反省して何度でもやり直すことができる。たとえ失敗しても、懸命に取り組んだのなら、それは尊いことだ。失敗し、それに気づいて、反省し、やり直す、成功はその先にしかない。谷底に落ち、謙虚になって自分の姿を見つめ、努力をして高みに上がり、自分が愛されていると実感する。それが美しい人生へと続く道のりだ。
他者と互いに助け合う人生、互いに感謝し合う人生には喜びがある。互いに感謝し、尊敬し、称賛し合う人生にも喜びがある。自分よりも偉大な人に倣い、偉大な思想を取り入れ、重要な大義のために尽くすことにも喜びがある。どの人、どの思想、大義を選ぶかは自由だ。誰かに受け入れられるという喜びもある。自分には大した価値がないとわかっている。にもかかわらず誰かが愛情を注いでくれたとすれば、人生に自分を組み込んでくれたとすれば、喜ばしい気持ちになるだろう。そして、道徳的に正しい行動を取った時に得られる喜び。これに比べれば、他の喜びなど取るに足りず、いつでも捨てることができる。美しいものに触れた時の喜びは何にも代え難いものだからである。