ねずこん読書記録

小さな会社を経営しています。読んだ本について書き残していきますー

記録#122 『家訓で読む戦国』組織論から人生哲学まで

図書館でふらっと目に入った本書。

最近ふとつけたTV番組で石田三成の歴史検証をやっていたりしたので、これもご縁かと思いながら手を伸ばしてみました。 

 戦国武将が家来や子どもたちに伝える目的で残した家訓や遺訓、さらにはそれぞれの地域の分国法にまで手を伸ばして、そこから見える彼らが大切にしたことがまとめられています。

いくつか心に残ったものを。

  • 人には其長所のあれば、己が心を捨て、ただ人の長所をとれと仰られしこともあり(東照宮御実紀)
  • 武士はほめるもそしるも、踏まえ所をもってさたするものなり(甲陽軍鑑
  • 大将によらず、諸侍とも義を専らに守るべし(北条氏綱公御書置)
  • 水は方円の器に随ひ、人は善悪の友によるという事実なる哉(今川了俊同名仲秋へ制詞条々)
  • 人間の一生は、若きに極まる。一座の人にもあかれ候はぬ様に(直茂様御教訓ヶ条覚書)

その他にも、どんな書物を読むべきか、呪術をどう扱うか(!?)のようなことにまで言及している武将もいるようで。

いまのように情報を取るのも簡単ではなく、思いを伝えるのも難しかった時代に、過去の経験をぐっと凝縮した言葉の数々は迫力がありました。良い本。