ねずこん読書記録

小さな会社を経営しています。読んだ本について書き残していきますー

記録#179 『銀座ママの給与明細』クラブで働くお姉さま方の生活を垣間見る。

銀座ママの給与明細 (ベスト新書)

銀座ママの給与明細 (ベスト新書)

 

10年前の本ですが、銀座のクラブで働く方々の生活事情だったり、お支払いのときについてくる各種チャージの内容だったり、飲みに行くときのお作法なんかが紹介されています。

シーバル・リーガルが1本3万円で、それを水割りとかロックで飲むと、最後のお会計はだいたい10万円くらいとのこと。

「それに見合うだけの価値を我々は提供しなければなりません」と文章中でおっしゃっていて、実際にそれに見合ったものを享受されている方々が行く世界なんでしょうね...

私は一生ご縁がなさそう...

同じ和希ママが2017年にLEONのWeb記事に登場していました。

デキる大人はなぜ接待でクラブを使うのか? 

ママ「お客様の来店目的を早く見抜くことが私たちには重要です。それに応じて対応も変わりますから。女の子にはお礼のメールや、ご挨拶の仕方は接客するうえでとても大事と常に言っています。

接客の質がクラブとラウンジでは違うと言いましたが、女性は容姿だけじゃありません。賢さが重要。ただ口説かれているだけという子は会話のセンスがないから。昔から人気のある子は頭が良くてお話上手で、努力を惜しまないんです。」

なるほど。確かに機転の利く女性をブレーンにつけているとなれば、商談もうまくいくに違いありません。ただ、はいはいと返事をしているだけでなく、相手の気分も自由自在に操れるスマートな女性がいてくれれば、百人力といったところ。どうしても勝ち取りたい商談があれば、クラブの最高のもてなしで、商談相手を味方につけるのは策士のテクニック。
https://www.leon.jp/peoples/6282?page=4 より) 

www.leon.jp

 

お、おう。。。商談をクラブでするのか。。不動産売買とかなのかな。。。

縁遠い世界の一端を垣間見ました。。

銀座ママの給与明細 (ベスト新書)

銀座ママの給与明細 (ベスト新書)

 

 

記録#178 『コンフィデンシャル あの会社の真実』日経さんの取材力。

 

コンフィデンシャル あの会社の真実

コンフィデンシャル あの会社の真実

 

コンサル時代の友人が勧めてくれた本。

日経電子版のキラーコンテンツ
「コンフィデンシャル」を書籍化!

任天堂「黒子社長」の悩み
三井三菱を食らう「謎の造船一族」の秘密
大王製紙「カジノ事件」の真相とは
普通のサラリーマンがある日、収監! カルテル摘発の恐怖
ひさしを貸して母屋を取られた日本ペイント
再成長に向け、経営体制を一新したヤフーの苦悩
AIの異能集団、プリファード・ネットワークスの実態
東芝、シャープの軍門にくだる2000人
イオンを拒んだ町とその「後悔」
勝てるか、ジーンズをはいたパナソニック……

新聞では書き切れなかったさまざまな「裏事情」を赤裸々に描く。
日経の取材記者だからこそ書ける、迫真のルポ!

コンフィデンシャル あの会社の真実 | 日本経済新聞出版社 より)

今治造船日本ペイントの経営だったり、自動車部品のカルテル摘発については不勉強で全く知らない内容だったので、驚きとともに読ませていただきました。

確かにこれはキラーコンテンツになりそう。

後半、YahooとPreferred Networksにそれぞれ1章ずつ割かれていたのが印象的でした。2010年以降のYahoo! Japanの苦しみと、現在の経営陣に託されたバトンの重み。トヨタとがっつり組んで世界を変えに行く日本のユニコーン・プリファード・ネットワークス。

日経さんが好きそうなテーマ、会社だなと...

紙の新聞を取らなくなって久しいですが、こんな企画があるなら新聞買ってみようかな、と思わせてくれる面白い内容でした!!

コンフィデンシャル あの会社の真実

コンフィデンシャル あの会社の真実

 

 

記録#177 『8 Steps to High Performance』よりよい仕事の成果を出すために変えられること。

8 Steps to High Performance: Focus On What You Can Change (Ignore the Rest) (English Edition)

8 Steps to High Performance: Focus On What You Can Change (Ignore the Rest) (English Edition)

 

仕事でより良い成果を出す「ハイ・パフォーマー」になるためには何が必要か?
いろいろ言う人がいるけども、その中でも学術的に一定検証されたものに絞り、8つの段階・ステップとしてアイディアを共有する本書。

If we could gather these great insights, sort through them to identify which matter most, and make them practical, applicable, and easy to understand, we could enable anyone to become a high performer. This knowledge would democratize high performance by making it available to everyone, rather than just a lucky, privileged few. That’s the purpose of 8 Steps to High Performance.

 (Kindle位置:76)

手法自体は目新しいものはありません。逆に言うと、昔から言われている"定石"をしっかりとこなしていくことが大切だということなんだと思います。

その8つのステップが↓で、

 

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 (https://www.the8steps.com/ より)

まとめ+意訳すると、

  1. Set Big Goals:ちっちゃなゴールをたくさん持つより、2~3の大きな目標に集中すること
  2. Behave to Perform:所属する文化・組織の文脈に沿った"ふるまい"を徹底すること
  3. Grow Yourself Faster:ただ成果を出すだけでなく、成長に時間・お金を投資すること
  4. Connect:よりより成果を出す人と強い関係を築くこと
  5. Maximize Fit:文化・組織・戦略の変化に合わせて自身を変革すること
  6. Fake it:「本当の自分」にこだわらず、各場面で自分を善く"偽る"こと
  7. Commit Your Body:睡眠や運動を通じて身体を最適な状態に置くこと
  8. Avoid Distractions:一時的に流行するアイディアに流されず、本質的なコンセプトにコミットすること(↑7つのステップを守ること)

特に面白いなぁと思ったのは"6. Fake it"で、「本当の自分なんて考えずに、その場その場に自分を適応させていきんしゃい」といっていること。

さらに序盤では「パフォーマンスの50%は家柄だったり生来の性格だったりで決まってしまってるんだよね」というお話も。著者の主張は、「とはいえその50%は変えられないんだから、残りの50%を最大化するためにこの8ステップを頑張っていきましょううや!」と。

それが副題の

Focus on What You Can Change (Ignore the Rest)

の真意でしょう。

ほんまですね。変えられることに集中して、ゴリっとやっていきましょう。

神よ、

変えることのできるものについて、
それを変えるだけの勇気をわれらに与えたまえ。
変えることのできないものについては、
それを受けいれるだけの冷静さを与えたまえ。
そして、
変えることのできるものと、変えることのできないものとを、
識別する知恵を与えたまえ。

(ニーバーの祈り)

興味深い本でした!

8 Steps to High Performance: Focus On What You Can Change (Ignore the Rest) (English Edition)

8 Steps to High Performance: Focus On What You Can Change (Ignore the Rest) (English Edition)

 

 

記録#176 『物を売るバカ2』感情(エモ)を営業のきっかけに。

 

物を売るバカ2 感情を揺さぶる7つの売り方 (角川新書)

物を売るバカ2 感情を揺さぶる7つの売り方 (角川新書)

 

「もっとも売上が上がる売り場は自宅」

そんなネットショッピング全盛の時代に、消費者の心を揺さぶる売り方とは。

コピーライターの筆者が取り上げる、全国の良い事例。

  • 販売はWebに振り切り、店舗の役割をDIY体験にふりきった大都
  • 社員による商品紹介動画を上げ続けた文具企業・カスタネット
  • 東急ハンズのショップインショップ
  • 街ごと宿泊施設にするセカイホテル
  • ファンを巻き込むヤッホーブルーイングの超宴
  • いまだけ・ここだけを売るサザコーヒー
  • 街全体で体験を作り上げる小布施見にマラソン
  • 量子や農家の方にあえて履いてもらい本物の色落ちを作り上げる尾道デニムプロジェクト
  • 会葬礼状に特化して想いをつなぐお手伝いをするマコセエージェンシー

優秀な会社がたくさんある。自分自身も、味のある事業を作っていきたいなと感じます。 いい本でした。

物を売るバカ2 感情を揺さぶる7つの売り方 (角川新書)

物を売るバカ2 感情を揺さぶる7つの売り方 (角川新書)

 

 

記録#175 『職業、女流棋士』 香川愛生女流三段より。

 

職業、女流棋士 (マイナビ新書)

職業、女流棋士 (マイナビ新書)

 

注目が続く将棋界の中。「番長」の愛称で親しまれる香川愛生女流三段の著書が出ました。女流王将のタイトルを2期保持した一流の女流棋士です。

たまに「女性のプロ棋士女流棋士じゃないの?」と言われたりしますが、棋士女流棋士は、なるために必要なステップが異なります。そのあたりは、この本や、↓のマンガでぜひ読んでみてください。

15歳で女流棋士となりながら、棋士になるために奨励会にチャレンジしたり、大学に行ったり、様々な葛藤が本書でも描かれています。ぽんと出てくる、羽生竜王の姿勢に関する記述。

将棋に出会ってからというもの、どちらが強いか、価値観と価値観をぶつけることが全てだと考えてきました。でも実はそんなことはないと、羽生竜王の姿勢に習いました。棋士としても、人間としても尊敬している方のひとりです。対局中の険しい表情と、朗らかな一面を併せ持っていらっしゃり、過密なスケジュールの送られる中で「なるほど」「そうなんですか」とどなたにも耳を傾け優しく受け止める。将棋界の第一人者という立場は、私からは想像が及ばないほど抱えていらっしゃるものがあると思いますが、それでもしなやかな心でいられる柔軟さを見ると、自分の頑なさを反省せずにはいられません。

悲しみ喜ぶ自分を肯定し、心の豊かさと盤上の強さの両立を目指したい。

(pp. 203)

素敵だ、番長...!! 

職業、女流棋士 (マイナビ新書)

職業、女流棋士 (マイナビ新書)

 

 

記録#174 『ゆるいつながり』仲間をつくる、繋がり合う。

 

半分ハワイ生活が本当に羨ましい本田直之さんが語る、これからのひととの繋がり方について。

深いつながりを得るためには人脈なんていう利益だけの浅いつながりだけではなく、「一緒に成長していけるマインドの高い仲間たちの結びつき」 が必要だ、と。

そのためには、

  • まずは自分が成長すること、自身を高めること
  • SNS時代にふさわしい他人とのコミュニケーション力(ヨコのつながり力)を養うこと
  • 周りに対して積極的に共感すること

をおこなうこと。

本書の中にある昭和のコミュニケーションしかできないおじちゃん・おばちゃんたちに読んでほしい。。

 

 

記録#173 『ホモ・デウス』サピエンス全史に続く名作でした...!!

最近書店に行くと、大きなポスター・ポップが目立つこの本。
上下巻でそれぞれそこそこの厚さがあるので敬遠する方も多そう。私は心をおられないためにKindleで上下合本版を買いました...!!

著者のユヴァル・ノア・ハラリは歴史学者で、前作の「サピエンス全史」が日本を含めた世界中でバカ売れして著作界で一気に名を挙げました。

私たち人間=ホモ・サピエンスが地球上でここまで成功したのは、他の動物にはない想像力・妄想力に基づく「認知革命」や、協力が可能になったことによる「農業革命」、さらには「科学革命」を起こしたからだ、というのがこの本の大筋。何度もほぉぉぉとなる好奇心を刺激される一冊でした。

nozomitanaka.hatenablog.com

(素晴らしい図解もあります...!!)

サピエンス全史図解(詳説版)|きょん|note

ホモ・デウスとは

前回の本が、人間・サピエンスの"これまで"だったのに対して、今回の本は人間の"これから"についての本です。サピエンス全史の最後の章でも、科学がこれからの人間をどう変えていくか、という指摘がありましたが、この本ではそのテーマについてぐーっと深ぼられています。

結論、人間は、神(デウス)になることを目指す、と。それがそのままタイトルに。

生物的な課題から脱却したサピエンス

人間が生まれてからこれまでずっと戦ってきたのは、「飢饉と疫病と戦争」だった、と著者は言います。しかし19世紀以降の科学の進歩もあり、世界中で発生している飢饉は減り(一方で肥満は増え)、疫病も抑制され(一方で生活習慣病が増え)、戦争もほとんど起こっていない(一方でテロは起きている)としています。

そんな中で、21世紀以降のサピエンスは不死や至福といったこれまで神のみが実現できるとされていたことを、テクノロジーの力を使って追求していくだろうと。

なぜ人間はホモ・デウスになること、すなわち不死と至福と神のような力の獲得(本書では、これを神性の獲得という概念に集約している)を必然的に目指す道をたどるのかという理由を解き明かす。
第一の理由は、従来の課題を達成したことだ。古来、サピエンスは飢饉と疫病と戦争に悩まされてきたが、これらの問題は三つとも二一世紀初頭までにほぼ克服された。
第二に、歴史は空白を許さず、サピエンスを待ち受けているのは「充足ではなくさらなる渇望」であり、「成功は野心を生」み、そこに「科学界の主流の動態」と「資本主義経済の必要性」が加わると、新しい課題の追求が始まる。
そして第三の理由が、過去300年にわたって世界を支配してきた人間至上主義だった。「人間至上主義は、ホモ・サピエンスの生命と幸福と力を神聖視する。不死と至福と神性を獲得しようとする試みは、人間至上主義者の積年の理想を突き詰めていった場合の、論理上必然の結論にすぎない」

Kindle位置:8,116)

充足ではなく渇望

これはサピエンス全史につながるところもある考え方。人間は、虚構を作り出す力=認知の力によって地球上でここまでの成功を収めてきました。しかし、その虚構を作る力によって、決して充足することなく、あらゆるものを渇望する生物になってしまっていると。

虚構は悪くはない。不可欠だ。

お金や国家や協力などについて、広く受け容れられている物語がなければ、複雑な人間社会は一つとして機能しえない。人が定めた同一のルールを誰もが信じていないかぎりサッカーはできないし、それと似通った想像上の物語なしでは市場や法廷の恩恵を受けることはできない。

だが、物語は道具にすぎない。だから、物語を目標や基準にするべきではない。私たちは物語がただの虚構であることを忘れたら、現実を見失ってしまう。すると、「企業に莫大な収益をもたらすため」、あるいは「国益を守るため」に戦争を始めてしまう。

企業やお金や国家は私たちの想像の中にしか存在しない。私たちは、自分に役立てるためにそれらを創り出した。それなのになぜ、気がつくとそれらのために自分の人生を犠牲にしているのか?

Kindle位置:3,371)

人間至上主義

本書の後半は、ずっとこの話と言っても過言ではないです。

神でもなく、自然でもなく、人間こそが至上の存在である。
ほんとうの美しさや正しさという基準も、神や自然ではなく、人間が決める。

そんな志向。

消費者は常に正しい、というスタンスで経営される企業。

物事の意味は、あなた自身が決めていいんだよ、と伝えてくるカウンセラー。

みんな人間至上主義の発露だと。

人間至上主義から、データ至上主義へ

ここまでは、この本でいうと前段。最後の最後、この「データ至上主義」というところが本書のオチです。ここが何より面白い。

人間至上主義(それに紐づく自由主義や民主主義)は今後も持続可能なのか?
アルゴリズム・AIが発達した先では、むしろデータ至上主義となり、人間は不完全なデータ処理部品となるのでは?

そんなお話。とっても面白いです。

ところが二一世紀の今、もはや感情は世界で最高のアルゴリズムではない。私たちはかつてない演算能力と巨大なデータベースを利用する優れたアルゴリズムを開発している。グーグルとフェイスブックアルゴリズムは、あなたがどのように感じているかを正確に知っているだけでなく、あなたに関して、あなたには思いもよらない他の無数の事柄も知っている。

したがって、あなたは自分の感情に耳を傾けるのをやめて、代わりにこうした外部のアルゴリズムに耳を傾け始めるべきだ。一人ひとりが誰に投票するかだけでなく、ある人が民主党の候補者に投票し、別の人が共和党の候補者に投票するときに、その根底にある神経学的な理由もアルゴリズムが知っているのなら、民主的な選挙をすることにどんな意味があるのだろうか?

人間至上主義が「汝の感情に耳を傾けよ!」と命じたのに対して、
データ至上主義は今や「アルゴリズムに耳を傾けよ!」と命令する。

Kindle位置:7,942)

間違いなく、学びのある本。 まとまった時間が取れるときに、ガツッと読むことをおすすめします。

ホモ・デウス 上下合本版 テクノロジーとサピエンスの未来

ホモ・デウス 上下合本版 テクノロジーとサピエンスの未来