ねずこん読書記録

小さな会社を経営しています。読んだ本について書き残していきますー

記録#311 『新シニア市場攻略のカギはモラトリアムおじさんだ! ―――ビデオリサーチが提案するマーケティング新論II』

 

新シニア市場攻略のカギはモラトリアムおじさんだ! ―――ビデオリサーチが提案するマーケティング新論II

新シニア市場攻略のカギはモラトリアムおじさんだ! ―――ビデオリサーチが提案するマーケティング新論II

 

 

感じたこと


  • シニアマーケットに関する解像度が低い、ということは様々なクライアントのマーケチームと話していても感じるところ。本書で紹介されている6つのセグメントはまぁなるほどという感じ。共通言語化できればスパスパ話が進んでいきそう
  • ペルソナを年齢・性別などではなく価値観で分類するの、シニアに限らず最近よく見る事例。触れている情報が多様化していて、世代できることの意味合いが小さくなっていっているのかなぁ
  • イオンのシニア専門店舗の事例、おもしろい。通常のGMSにおいてある数倍の単価のもの(靴/杖)でも売れる。小分けの食品はむしろ売れない。などなど。示唆が深い...
  • 手本はないから、とにかく実験。新しいもの好きのシニア層と一緒にトライをしていく感じで。

内容


  • シニアは年齢が上がれば上がるほど落ち着き、保守的になるというのは先入観に過ぎず、正しくない
  • 10年前のシニアと比べて現在は、気持ちの麺でも体力の面でも同年齢の人のパフォーマンスが10歳若くなっていると考えたほうがよい
  • 英国の歴史社会学者、ピーター・ラスレットが提唱した人生4期論によると、現在のシニアはサードエイジに分類され、達成・完成・充実を大切にする期間と定義される。概ね50代前半~70代前半が当てはまる。
    • 身体、社会的立場、家族の3つの視点で加齢変化を実感するタイミングは50代前半から半ばにかけて
    • 要支援/要介護認定は75歳以上で急激に増加。むしろそこまでは不具合はありつつも元気に生活している側面が強い
  • シニアマーケティングにおける分類を行う上での6つの因子を調査により特定
    • 経済的豊かさ欲求
    • 友人とのつながり欲求
    • 伝統的家族間
    • 社会とのつながり不安
    • 新しいものへの意欲
    • シンプル・スローライフ思考
  • 上記の因子を持って6つのキャラクターに分解。カッコ内は構成比
    • 従来型シニア(伝統・保守な思考)
      • 淡々コンサバ(25%):現状維持の生活を望んでおり、個人としての意見や強い主張もない
      • アクティブトラッド(15%):悠々自適。生活に余裕があり、伝統があるブランドやリゾートを好む。
      • 身の丈リアリスト(17%):「お金のなさ」を理由に様々なことを諦める。人生の引き算思考が強い。
    • 新型シニア(変化・刺激を求める思考)
      • ラブ・マイライフ(9%):新しいものが好きでどんどん試す。若さを保つための投資も惜しまない。自由人。
      • 社会派インディペンデント(8%):価値観の向かう先が他人や社会全体。コト消費や人とのつながりを好む。
      • セカンドライフ・モラトリアム(27%):挑戦意欲はあるものの人間関係の希薄さや健康不安から踏み出せていない層。典型的な企業戦士タイプに多い
  • これらの分類は飲んでいるビールや希望する旅行先などで顕著に違いが出る