記録#310 『グッド・フライト、グッド・ナイト パイロットが誘う最高の空旅』
グッド・フライト、グッド・ナイト パイロットが誘う最高の空旅 (ハヤカワ文庫NF)
- 作者: マーク・ヴァンホーナッカー,岡本由香子
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2018/12/20
- メディア: 文庫
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感じたこと
- 空の旅、なんて豊かなんだろう。ただ風景を見るだけではなく、空の世界にある風、空の世界から見る水、空を飛ぶためのチーム、地上で動く整備の方々、すべてが美しい。
- 飛行機に関するテクニカルな説明もされているところは現役パイロットだからこそ書ける内容。ふんわり素敵なエッセイと、ハードな技術の内容の織り交ぜ。素敵。
- 最後の眞鍋かおりさんの解説も文章が素敵で、経験が人を豊かにし、魅力的にするとしみじみ
内容
《ニューヨーク・タイムズ》ベストセラー、《エコノミスト》年間ベスト・ブック現役パイロットが誘う、空の秘密を明かす旅
空の向こうは、信じられないほど感動に満ちている──高度3万フィートから見下ろす地球の絶景、精緻さとダイナミックさを併せ持つジェット機の神秘、地上とは全く異なるルールで動いている上空の世界、同じように空で働き、空を愛する同僚たちとの邂逅…… ボーイング747を操縦して世界中を飛び回る現役パイロットが空と飛行機について語り尽くす、極上のエッセイ。解説/眞鍋かをり「サン=テグジュペリ『夜間飛行』以来の名作」 ──コンデナスト・トラベラー誌「空旅がいかに神秘と魅力に満ちているかをあらためて教えてくれる」 ──ニューヨーク・タイムズ誌「科学者の脳と詩人の心で書かれた本」 ──ニューヨーカー誌「読んだらきっと、窓側の席をリクエストせずにいられない」──ブックセラー誌
記録#309 『熔ける 大王製紙前会長 井川意高の懺悔録 (幻冬舎文庫)』
記録#308 『「サバを読む」の「サバ」の正体: NHK 気になることば (新潮文庫)』
「サバを読む」の「サバ」の正体: NHK 気になることば (新潮文庫)
- 作者: NHKアナウンス室
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2014/02/28
- メディア: 文庫
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感じたこと
- 自分の第一言語が英語だったら日本語を学ぶのはスーパーハードだっただろうなと。複雑過ぎる。しかしその複雑性が魅力でもある。改めて言葉を学ぶ時間になりました。この本あまりに素敵。
- 語源系のおはなしはどれ呼んでも面白い。個人的にはさかなの話がすき。
内容
- 「丁」には、ちょど良い時期にあたって盛んである様、という意味があり、一丁やるか!などに使われる。銃を数えるときの丁はもともと挺だったが代わりに用いられるようになった。挺は真っ直ぐなものを数える時に用いる単位で、農具の鋤や鍬、三味線やバイオリン、そろばんも挺で数える。
- 数字・三は不思議な数字。再三、という言葉に現れる通り「たびたび」という意味もあれば、三年=多くの年月という意味もあれば、三日天下のように短い期間を表すときもある。
- 「仕事をサクサク片付ける」「さくっと食事に行く」のときの”さくさく”とは、連続する軽快で爽やかな感じのする音を表す語。もともとは水の流れをイメージしているとも。ネット時代になってから便利な言葉になったぞ。
- 不具合という言葉が広がったのは昭和20年台の航空機産業で、その後車や電車、その後コンピュータや手続き・処理関係でも使われるようになった。故障や欠陥などの言葉のイメージを引きづらないように、しょうがないことなんですというニュアンスを伝えるように編み出された言葉。
- 「朝っぱら」のぱら、元々は朝腹。朝食前の空腹を意味していたが、江戸時代にはこの意味が転じて、朝早い時間・早朝を意味するようになった。さらに転じて朝食前に食べるちょっとした食べ物や、物事が容易なこと、を意味するようになった
- 圧倒的とは、他とはかけ離れて優れていること/他を全くしのいでいること、という意味。少ない、不便、不利などの状況に使う言葉としては本来適切ではない。同様に、指折り、屈指という言葉も同様。
- 七夕はもともと「棚機」と書き、棚は神棚、機は機織りのこと。水の神を祀る民間信仰が、中国からやってきた七夕(しちせき)と結びついて現在の形に。
- 傘をすぼめるは傘の広がりを小さくする動作、傘をつぼめるは開いていた傘を畳む動作のことをさす
- 母のことをお母さんと呼ぶことの語源は、平安時代の上流社会の奥方が住んでいたのが寝殿造りの北の方角にあったため「北の方(きたのかた)」と呼ばれており、「おかたさま」と呼ぶようになったことがはじめ。おふくろと呼ぶのは「お金など大事なものを入れる袋」を取り仕切っていたことから。
- 「さかな」は元々酒の肴のほうがはじめ。酒の肴のなかで最も美味だったものが「魚(うお)」だったことから、魚のことを「さかな」と呼ぶようになった。
記録#307 『カーネギー名言集』
引用メモ
大胆は勇気を、臆病は恐怖をもたらす
家から出るときは、いつでも顎を引いて頭を真っ直ぐに立て、できる限り大きく呼吸すること。日光を吸い込むのだ。友人には笑顔を持って接し、握手には心を込める。誤解される心配などはせず、敵のことに心を煩わさない。やりたいことをしっかりと心の中で決める。そして、まっしぐらに目標に向かって突進する。大きな素晴らしいことをやり遂げたいと考え、それを絶えず念頭に置く。
この世を動かす力は希望である。やがて成長して新しい種子が得られるという希望がなければ、農夫は畠に種子をまかない。
度胸がほしければ、恐ろしくて手が出ないことに挑んでみることだ。これを欠かさずやり続けて、成功の実績を作るのだ。これが恐怖心を克服するための最も迅速でしかも確実な方法である。
自信は大事業を行うための一番の必要条件である。
行動は必ずしも幸福をもたらさないかもしれないが、行動のないところに幸福は生まれない。
信念は人を強くする。疑いは活力を麻痺させる。信念は力である。
「われわれの政策は何か」と問われたら、私はこう答えるだろう。「それは、神が与え給う限りのあらゆる力を動員して、海上に、陸上に、空中に、戦って戦い抜くことである。人類の罪悪史上未だかつて例を見ない大暴君を相手に戦い抜くことである」
信念を持たない限り、人に信念を与える事はできない。自分で納得ゆかない限り人を納得させられない。
人生もフットボールも原則は同じだ。ラインに向かって突っ込め、ファウルするな。ボールから身をかわすな。ラインに向かって突っ込め。
うんと熱中せよ。熱中は熱中を生む。
美徳は自信を生み、自信は熱中を生む。そして熱中は世界を征服する。
A弦が切れたら残りの3本の弦で演奏する、これが人生である。
機械がだめになるのは、絶えず回転するからではなく、絶えず摩擦するからである。
口論は誰にもできるゲームだが、双方とも決して勝てない奇妙なゲームだ。
私の人生における成功の全ては、どんな場合でも必ず15分前に到着したおかげである。
記録#306 『30代にしておきたい17のこと』
感じたこと
- せっかく日当たりの気持ちいい部屋に住んでいるんだから、ホームパーティをしようと思いました。以上です。
内容
- 「すべてを手に入れることは不可能」だと知る
- 人生の時間は有限であって、30代は自由が少しずつ奪われていくのを体感する
- しかし起業のチャンスもあり、家族もできる可能性があり、その中で自分が何を能動的に選択していくのかが重要になる時代
- 変えられることと、変えられないことの違いを知る
- 20代の自分を裏切らない、なりたい自分を目指す
- 役割を固定しすぎずに、新しい自分を発見することをあきらめない
- 自分の勝ち・負けパターンを知る
- どんなときにうまくいき、どんなときにはうまくいかなかったかを冷静に振り返る
- 他人の勝ちパターン/負けパターンを観察し、学ぶ
- 過去の体験、他人の体験を体系化して未来に備える
- セルフイメージを定期的にチェックする
- 自分の人生にふさわしいもの、こと、ひとを改めて考えて、幸せを定義する
- 小さくセルフイメージを揺さぶる体験をしてみる
- お金と真剣に向き合う
- いくら稼いでいくら使うのかのイメージを持ち、決める
- 35歳を過ぎて一気に金銭的に豊かになる人は少ない中で、どのみちを登るのか、イメージしておく
- 他人を観察し、お金が人に及ぼす感情的インパクトを理解・体感しておく
- パートナーや子供を持つかどうかを決める
- ハッピーシングルもある、家族/子供を持つ幸せもある
- イメージを膨らませて、自分の人生の決断をする
- 自分の居場所を決める
- 自分はどの分野で戦うのか、掛け算の考え方をもって検討していく
- 専門分野にも目標型と展開型があり、どちらが自分の道なのかを見極める
- 両親とお別れしておく
- 親と一緒に過ごせる期間は思っているよりもずっと短い
- 関係を見直し、友人となり、お別れできる準備を整えておく
- 親と問題がある場合は、それを子供には引き継がない
- 年齢の離れた友人を持つ
- 年下の友人を持ち刺激を受ける
- 年上の友人を見ながら自分の将来をシミュレーションする
- 運を味方につける
- 人生のリズム感を大切に、運の波を把握しておく
- 周りに運の良い人を
- 自分の内に潜むダークサイドを癒やす
- 自分の中の毒や怒りを、溜め込みすぎず、発散する
- メンターから学び、教えを次に回す
- 複数のメンターを持っておく
- メンターの教えを丸呑みせず、自分なりに咀嚼する
- 受けた教えを次に回す
- 人脈を金脈に変える
- 自分主催のパーティを開く
- 人との付き合いと学びにお金を惜しんではいけない
- 才能の掛け算で勝負する
- 中途半端な才能しかなかったとしても、それをかけ合わせれば貴重な人材になる
- 掛け算で高め会える人と付き合う
- 大好きなことを仕事にする
- 人生の目的を知る
- 自分のお葬式の弔事を書いてみる
記録#305 『戦略思考トレーニング 最強経済クイズ[精選版]』
戦略思考トレーニング 最強経済クイズ[精選版] (日経ビジネス人文庫)
- 作者: 鈴木貴博
- 出版社/メーカー: 日本経済新聞出版社
- 発売日: 2018/10/02
- メディア: 文庫
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感じたこと
- 問いと答えの一致度が気になったりしたけども、頭を柔らかくして考えるための実例に溢れていた。
- いま学生の就職活動支援でケース面接やインターン対策をしているんだけど、こういう事例を1冊読んでおくだけでも思考の幅が広まりそうだ。おすすめしておこう。
内容
- 高い戦略思考力=常識を超える力、論理的思考力、柔軟な発想力、たくさんの事例についてしっていること
- さて、問題を問いていこう!
- ハインツはなかなか出てこない瓶型のケチャップについてどのようなPRを行ってシェアを取り戻したか?
- なぜアパレルショップは古着の受け取りをするのか?CSR視点以外にどのような目的が?
- 上越新幹線の2階建て車両、2階は景色が見えるけど1階は見えない。この不公平感にJRはどう対処したか?
- ペットの数は増え続けているのにドッグフードの売上は個々数年下がってきているらしい。なぜ?
- 普段は絶対作動せず、あるきっかけで急速に膨張する。この機能を満たすべきエアバッグについて、「うちの技術を使えば安く作れる!」となったのはもともと何を作っていた会社?
- 米フォードと米ハーツレンタカー、ダイエーとローソン。2つの関係性の共通点とは?
- くら寿司のお皿をカウンターの穴に落とす仕組みは、女性客の単価向上に貢献しているらしい。なぜ?
- カップヌードルが初めてアメリカに上陸したとき、営業マンはそれを「この商品は〇〇です」とスーパーに売り込んだ。その文句とは?
- 魚の売れ行きが全般的に低調なスーパーマーケット、週に2日だけ「魚が売れる日」がある。それはいつ?
- 1960年代の米マクドナルドは、フランチャイズ収入、材料/消耗品販売に加えて、どのようにして加盟店からお金を徴収していた?
- 電化製品の工程別収益率をみると、製品販売よりもアフターサービスのほうが収益性が高くなるのはなぜ?
- プリンタのキャノン、リポビタンDの大正製薬、化粧品の資生堂、この3つの高収益企業に共通するのはどんなこと?
- エクスペディア等の旅行サイトが実施する「最低価格保証サービス」が及ぼすメリットは、顧客満足度の向上に加えて、他にどんな要素が考えられる?
- なぜ国家間お為替レートを議論するのにビッグマックがふさわしいと考えられるのか?
- 製品の安売りで成長を遂げたものの不信に陥った業界5位のボーデン社の工場を信越化学が50億円で買収。その戦略的な意図はどこにある?
- 最近の冷蔵庫、冷凍庫の位置が最下段から中段に移行しているのはなぜ?その弊害は?
- 飲料水の宅配事業を行うアクアクララはとある業種の会社が親会社になってから急成長。その親会社の業態とは?
- 1982年に発売されたHONDAの2代目プレリュード。その車に搭載されていた、当時の男性の若者を魅了した機能とは?
- ベトナム戦争により米国→ベトナムのコンテナ船が増加。それによって日本経済に被った恩恵とは?
- 中国の化粧品店では万引きが絶えず、困ったメーカーは万引きの数量に応じて店員の給料からペナルティを差し引くことを決定。その結果起きたこととは?
- 米国において、社会人になり年令を重ねることで価格の高い歯磨き粉を使うようになる理由はなに?
- 北海道の国内旅行の観光需要は1.08兆円、日本各地から北海道への旅行客は年間600万人。この2つの数値から、観光客一人あたりの北海道旅行の消費額は約18万円と読み取れる。この計算は正しい?
- 星野リゾートは日本各地でホテル・旅館の再生を請け負っているが、再生後の絵姿が高級路線に依っていて、大衆路線のものはほとんどない。大衆路線を取られると困るのはだれ?
- 国内メーカーの中でもっとも高収益(営業利益率・ROE)な自動車会社はどこ?
- インドのある地方で、予防接種の接種率を5%から38%に向上させた施策はなに?
- 中国の固定電話最大手・中国電信が、携帯電話に対抗するためにとったコードレス電話の性能向上策とは?
- ゲリラ豪雨の発生を予測し即座に警報を出せるようにするために、現在活用が検討されている街で見かけるあるものとは?
- Jリーグが、経営の持続性担保のために、J3のチームに勧めている打ち手とは?
- 19世紀末、アメリカで2ドル99セントのような半端な単位の価格設定が広がった最初の理由は?
- 車の給油口の位置が右・左で統一されていない理由は?
- 江戸時代、日本に来校したオランダの商船は甲板が狭い設計になっていた。それはなぜ?
記録#304 『医師の不足と過剰:医療格差を医師の数から考える』
感じたこと・内容
- 理系人材として、工学部・理学部などに進学したあとのビジョンが見えづらいと、優秀層が一定の尊敬と収入が見えている医学部を選択しがちなのはある程度仕方がないことなのかも
- 韓国などでも医学部人気がすごいらしい
- 日本では戦時中の軍医育成から、その後の高度経済成長への対応など、ところどころ意志の育成アクセルを踏んだシーンがあり、人口あたりの医師数は緩やかに増加している
- 毎年9,000名程度が新たに参加し、3,000名程度の医師が増えていく計算
- 一方でこれからは人口減少社会に入るため医師数も絞っていく必要がある一方、各大学の思惑としては自らのところの定員を絞ることはしづらく、ブレーキのかかり方はゆるやか
- 欧州各国を見ると過剰とも言える医師数が設置されており、日本はそこまでの水準にはないが、医師の養成コストの高さ(大学6年間で総額1億円/人)などを考えるとどこまでその育成に社会資源を投じるべきなのかは議論の余地がある
- 医療のコスト・品質・アクセスのトリレンマ。どれか一つは必ず犠牲になってしまう。その中でどの2つを選択するのかは社会のステージや健康状態によって変わるのはそのとおりだなぁと。
- 日本という国は医師が過剰であるとも不足であるとも言いづらいが、地域ごとの格差は相応にある。診療科ごと、あるいは一次~四次までの医療機関のステージによって地域ごとの偏りが存在している
- 人口あたりの医療者数、徳島が最大で、埼玉が全国的に少ない方、というのはかなり意外だった。
- 地方での外科、救急、小児科の不足が深刻。地方で働いてみても良いと考える医師は一定いるが、20代であれば学習・研究環境が、30台以降
- 地方都市の民として、自分に何ができるのか/しなくてはいけないのか、自分が一人の生活者としてどのような医療環境と向き合っているのかを考えるいいきっかけをくれた本