記録#303 『ブラック語録大全』
感じたこと/内容
- 流石にひどい発言だなと言う経営者の言葉ももちろんある一方、流石にそれは穿った見方が過ぎるでしょうという編者側のコメントもあって、なんというか、読んでいて苦しくなる本だった。
- 日本電産の永守さん、発言が攻めまくってる...
- ワタミの渡邉さん、今見ても発言がひどい。本当にひどい。飲食業界と人材業界、やばい経営者がこんなにいるのか...
- 法律を守ることはもちろん大切で絶対なんだけど、「仕事のパフォーマンスが出ない人にはやめてもらわないと」→「経営者の横暴だ!」というのはさすがに。ジェンダー問題でもそうなんだけど、「私達は絶対的に弱い立場にあるから様々な権利を主張する立場にある」という立場/前提に立っていろんなものに噛み付いていく姿勢、だれもハッピーにしないし、なんの改善にもつながらないと思うんだよね。
- 雇ったら簡単に解雇できないから雇わない。パワハラだなんだと言われるから課題を与えての指導もできない。周りを見ると、そういう事例が溢れているねぇ。難しい時代だねぇ。
記録#302 『常勝経営のカリスマ 藤田田語録』
感じたこと
- 日本マクドナルドをここまで成功させた藤田田。空襲で家族と財産を失いながらも藤田商店を大成功させ、孫正義が尊敬・心酔するまでの強い経営哲学を持った経営者。本書で紹介されるエピソードも癖強めのものばかりで圧倒された...
- 1999年に発刊された本書。ドルの時代が終わってユーロの時代に、など、当時は本当にそうだったんだろうなぁと。沖縄を99年借款に出す、アメリカと組んで欧州に対抗するなど、ぶっ飛んだ提案もいくつもしていて、20世紀の名経営者ここにあり感がある。
- 正しい間違っているはさておき、自分なりの時代理解と将来像を持っている経営者はこうも強いものか、人を惹きつけるのかと。自分もそういう時代感性を強くしないとなぁ。
- ハンバーガー100円だと顧客満足度100%だから、80円にしたら120%や!は流石にわらった
内容
- 景気が悪いことを言い訳にしない。不景気とは魚がいなくなったわけではなくて、単に漁場が変わり、漁法が変わるだけ。データから予測を立て、対策を立てて進軍すれば恐れるものはないと。
- 割引よりもインセンティブをあげるほうが消費者は動く。500円の商品の売れ行きを伸ばすなら、100円割引するよりも卵や醤油のような生活必需品を上げるほうが顧客満足度を上げ、大衆を魅了することにつながる
- 狙うべきは女と口。
- 財界活動に精を出すことはしない。役所の肩書は持たない。
- トップの知識と経験は決断するためにある。アイディアや直感力を動員しながら、ビジョンを描き、コンピュータ・データを駆使してシミュレーションし、決めきる。社長業は決断業。
- 本を読め、人と会え、道を歩け
- 60%確実ならばやるべき。100%確実なら他社がやる
- 「思いは真実になる」ということを自分に信じさせる。言ったら達成する
引用メモ
国の政策がなんとかしてくれると考えていたら、事業はやっていけない。
成功するベンチャーには2つの要素があるのです。1つは時間短縮、もう1つは簡便化です
記録#300 『脱走王と呼ばれた男』
脱走王と呼ばれた男:第二次世界大戦中21回脱走した捕虜の半生
- 作者: デイヴィッド・M・ガス,花田知恵
- 出版社/メーカー: 原書房
- 発売日: 2019/03/26
- メディア: 単行本
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感じたこと
- 捕虜になったあとは国際条約に基づき将校たちは丁重に扱われる。そんな中で、あえて危険を犯して脱走を繰り返したアレスター・クラム。何が彼をそんなに突き動かしたのか。本文にあるような、脱走がもたらすある種の高揚感なのか、自由への意志か、創造力への渇望か、祖国への思いなのか。
- 捕虜として収容されている場所で、脱走委員会なる組織があったことにびっくり。一般的なことだったんだなぁ。
- 途中でてきた特殊空挺部隊(SAS)創設者、デイヴィッド・スターリング。裕福な家に生まれながら学校は放校処分、芸術・建築の分野もすぐに投げ出し、軍入隊後も夜遊びで軍法会議にかけられる始末。しかし、SAS創設ですべてを覆したリーダー。かっこいい...
内容
- Amazon/BOOKデータベースによるほんの紹介
引用メモ
もう1週間以上あるき続けており、逃亡中によく体験する神秘的な領域に日ごとに近づいていた。自由の高揚感、危険に対する恐れ、脱走者の酔うような感覚、自然の中に一人でいると感じられる混じりけのない匂いと音、身体の酷使に加え、飢えと睡眠不足から起こる譫妄状態ーそれらが一つになると「感覚のさらなる高い領域」への道が切り開かれる。山登りの喜びに達する道と同じだ。
自由を獲得した脱走者がほぼ例外なく味わう爽快感は、たとえ短い時間であったとしても、大学生の年頃の男が規則を破る軽率ないたずらで得られる興奮を遥かに超えるものだった。しぶれるような高揚感、エンドルフィンの一撃、後にも先にも経験したことのない「魔法の時間」がある。ある脱走者はそれを「高揚感の波」といい、別の脱走者は「生涯最高の充実したひととき」といい、ドイツの収容所から何度か脱走したパイロット、テックス・アッシュは「あんなに生を実感したことは他にない」と語った。彼は「脱走の遺伝子」とか、脱走せずにはいられない「フーディーニ症候群」というものがあるのだろうかとさえ思った。彼によると「脱走は非常に中毒性があるし、あらゆる麻薬と同じで、きわめて危険だ」そして、命を落とすかもしれないこの危うさこそ、脱走を「最も偉大なスポーツ」に押し上げている秘密の要素だ。
記録#299 『人工知能の「最適解」と人間の選択』
人工知能の「最適解」と人間の選択 (NHK出版新書 534)
- 作者: NHKスペシャル取材班
- 出版社/メーカー: NHK出版
- 発売日: 2017/11/08
- メディア: 新書
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感じたこと
- 2017年10月の刊行。ここから1年半でAIの進歩はさらに進んでいて、IBM・テクノロジーハイプ・サイクルだとディープ・ラーニングは過度の期待の頂点にある。一方で汎用AIはまだまだ黎明期。さてこれからどうなるか。
- この本の中でフォーカスされていた電王戦、それを戦った佐藤天彦名人が2019年にはいよいよ失冠し、コンピューター将棋で本格的に研究を行ってきた豊島先生が名人に。コンピュータの完成を自身に取り込める、うまく協業できる人間がパフォーマンスを高めることができる時代。私たちもそうならなければいけないぞ。
- AIをうまく使えるかどうか、その答えを善とするか悪とするか、人間の手に委ねられている部分が沢山ある
内容
- タクシーの需要予測、トレーディングの予測モデル及び高速取引プログラム、バス運転評価プログラム、犯罪判定プログラム、退職可能性判定AI、AI政治家、、人間の意志が介在するところにAIはもれなく参入してくる
- AIは過去のデータを踏まえて判定するため、人間視点では差別に分類されることも一つの因子としてフェアに捉えてしまう。その良し悪しをどう捉えるべきか。
- AIと協働する人間の役割は、
- 人工知能が新しい地平線を見せてくれる。それを人間がどう取り扱うのか。表現される最適解を、人としてどう取り扱うのか。より人間らしい世界の実現に、AIが貢献してくれるのかもしれない
記録#298 『ヒップな生活革命』
感じたこと
- 食や音楽には文化の流れが詰まっている。小さなムーブメントがそこらじゅうで起きていて、それが大きなうねりになる日まで。インディペンデントな生き方を実践する人に優しい世界を。
- おわりに、にあるように、ポートランドや北欧のカルチャー・取組をそのまま日本に持ってきてもだめだろう。自分たちの文化の中からぽっと信念を持って出てくるまで。自分たちがその担い手になるまで。
内容
- もっと調べたいここのお店や会社、取組
- 正しい消費を。
記録#297 『本当の勇気は「弱さ」を認めること』
感じたこと
- 他人の視点で生きないこと。自分の不完全性を認め受け入れること。他者を真っ直ぐに捉えること。
- 禅の心と共通するところがあるなぁ
内容
- 偽らない生き方の10の指標
- 自分らしくあるという本来感を育む-人からどう思われるか気にすることをやめる
- 自分自身を慈しむ事故共感を育む-完璧主義を捨てる
- 立ち直る力を培う-感覚を麻痺させることをやめ無力感と手を切る
- 感謝と喜びを育む-欠乏感と闇への恐れを捨てる
- 直感と信じる心を育む-確実性への欲求を捨てる
- 創造性を育む-比較することをやめる
- 遊びと休息を豊かにする-疲労をステータスシンボルにしたり、生産性を自己価値として捉えることをやめる
- 平静さを培う-ライフスタイル化した不安を捨てる
- 有意義な仕事に励む-自己不信と「~すべき」を捨てる
- 笑い、歌、踊りを豊かにする-「カッコつける」ことや「何があっても取り乱さない」ことをやめる
- 一方で、人間は3つの要素により終わらない欠乏感に苛まれている
- 恥:人を管理し規律を守らせるために、ばかにされることやけなされることへの不安が利用されているか。自己価値が業績、生産性、規則の遵守に結びついているか。人のせいにしたり攻めたりすることが当たり前になっているか。こき下ろしや中傷が横行しているか。えこひいきがあるか。完璧さが重視されているか。
- 比較:健全な競争なら有益である。だが公然とあるいは暗に、比較やランク付けが常に行われているか。創造性を抑えつけているか。個性的な才能や貢献を認めるよりも、一つの狭い尺度にこだわっているか。ある理想像やあるタイプの才能を、全ての人の価値を測る基準にしているか
- 関わる意欲の喪失:リスクを負うことや新しいことを試すことに不安があるか。体験やアイディアを発表するよりも、黙っておとなしくしている方が楽か。本気で目を配り耳を傾けてくれる人はいないと感じるか。存在を認めてもらえずに苦しんでいるか。
- 偽りのない心の中心には、ヴァルネラビリティと自己肯定感がある。確実なものがなく、脆さを晒し、感情的リスクを負いながらも、私はことでよいと思えること
- 私たちは他人がありのままに自分をさらけ出すことを歓迎しながらも、自分自身はそうしない。不安に押しつぶされる
- ありのままの私を晒す勇気を与えてほしい。たとえ失敗しても、やる価値のあるものはなにか?
- 精一杯生きていくとき、失望し、傷つき、胸が張り裂けるような思いがすることは避けられない。だがそれを乗り越えて進むためには、たとえ敗北したとしても、それで愛や居場所、喜びに値しなくなるなどと決して思ってはならない
- 恥から立ち直るための3要素
- 勇気を出して助けを求める。恥と戦い、誇りを守るためには、この体験を誰かに打ち明ける必要がある。愛してくれる人に
- 大切な人が窮地に陥ったときに語りかけるように、自分自身に語りかける
- 体験自身を自分のものにする。恥の体験を忘却しようとしたり、こじらせ化膿させたりしてはいけない。自分自身のものに取り込む。
引用メモ
イノベーションと情熱を再び燃え上がらせるためには、仕事に人間性を取り戻さなくてはならない。恥を利用して人を管理しようとするとき、関わる意欲は失われる。失敗が許されないとき、学習、創造性、イノベーションは忘れられていく。
信頼は生身を晒すことによって、時間をかけ、手間をかけ、気にかけ、関わることによって育っていく。信頼は大掛かりなことをやって見せることではなく、ビー玉を1個づつためていくようなものなのである。
私に起きたことが私なのではない。私がそうなると決めたものが私なのである。
競技場に出てきて戦い、時には自分も傷つく覚悟のない人の発言など、耳を傾けるに値しない。
ただ批判するだけの人に価値はない。強い人のつまずきを指摘し、やり手ならもっとうまくできたはずだとあげつらうだけの人には。 称賛に値するのは、実際に競技場に立ち、誇りと汗と血にまみれながらも勇敢に戦う人だ。あるときは間違いを犯し、あと一歩で届かないことが何度もあるかもしれない。 何をするにも間違いや欠点をつきまとう。それでもなお、ことを成し遂げるためにもがき苦しみ、情熱に燃え、力を尽くし、大義のために身を粉にして励む人こそ偉大なのだ。 順風ならば最後には勝利に輝くだろうし、最悪の場合、失敗に終わるかもしれない。だが彼らは、少なくとも果敢なる挑戦をしたのである。 (セオドア・ルーズベルト)