ねずこん読書記録

小さな会社を経営しています。読んだ本について書き残していきますー

記録#289 『自動的に夢がかなっていく ブレイン・プログラミング』

 

自動的に夢がかなっていく ブレイン・プログラミング

自動的に夢がかなっていく ブレイン・プログラミング

 

 

感じたこと


  • 無意識が捉えている情報の多さ。脳の認識・処理構造にアプローチができれば目標達成はぐっと近くなる。言い聞かせろ。「できる」と信じる脳に栄養を。
  • 笑え。どんな状況でもその捉え方は自分で決められる。面白おかしく。笑え。笑われろ。
  • Howを意識するな、Whatを決めきって後は脳に任せよ。新鮮なアドバイスだ。

内容


  • 脳内のRASが自動的に情報を処理してくれている。自分が目標ややりたいことを明確に意識することで、RASが勝手に情報を取得してくれるようになる。
    • 何を したいのか、 何が 欲しいのか、 何になりたいのかが、はっきりとわかると、RASはそのための方法を探しはじめる。 目標を心に決めると、それに関係する情報が次々に目や耳に入り、くわしいことを知ることができるようになる。
    • 実に単純な方法だ。それなのに、実行する人はほとんどいない。
  • 目標達成のために前進すること。目標を決め、期限を切り、Howを脳・RASに考えてもらい始めよう。
    • 夢は、達成するまでの期限を決めなければ、単なる夢に終わる
    • 期限を決めたら行動しないわけにいかない。期限は前進するための原動力である。
    • 期限はどんなことにでも決められる。ネガティブな考え方をやめるための期限も。
    • 大きな目標は、小さな一口サイズの目標に切り分けて、一度に一口ずつ片づけよう。
    • 期限までに達成できないと思ったときは、もう一度期限を決め直そう。
    • 期限は現実的で短めなものにしよう。期限に迫られるぐらいのほうがよい。始めるなら 今。目標のうち五つぐらいは「期限」を決めて書き入れよ
  • 目標達成をするのは他の誰でもない、自分自身だ。
    • 自分の人生の運転席に自分が座るということだから。自分でハンドルを握ってどこへでも行ける。それは、人生で起こるあらゆるできごとの結果について、なぜそうなったのかを頭を使って考え、次の行動に生かすことを意味する。
    • 自分の人生の物語を書いているとき、他人にペンを持たせてはいけない。
    • あなたの将来は、あなたが今日からどんな考え方をして、何を選ぶかによって決まっている
  • 心をオープンに。ストレスにやられるな。オープンに、優しく。
    • 人には、幸せを壊し、対立をつくり出す感情が四つある。「罪悪感」「 狼狽」「 羞恥心」「他人に対するひがみ」
    • つらいできごとがあっても、おもしろおかしい面を見つけ出すようにしていると、ストレスが減り、病気にかかりにくくなり、何をやってもうまくいくことが多くなり、長生きできる。

引用メモ


これからの人生の責任は、すべて自分で引きうけよ

今日からは、自分の人生のすべてに対して100パーセントの責任を負うと決心しよう。  何かに不満を言っている自分に気づいたら、すぐにやめよう。  今からは、人生で何が起ころうと、それに対するあなたの反応の仕方を変えるのだ。そうすれば、物事が急にこれまでとは違う展開を見せるようになってきて、夢を実現させるための道が目の前に開けてくる。  これからは、自分に何ができるのか、 何を するのかを、前向きに語っていこうではないか。

体が麻痺する前の私には、できることが一万あった。今は九千ある。 失った一千を嘆くこともできるが、 残された九千に全力投球することもできる。

記録#288 『心配事の9割は起こらない: 減らす、手放す、忘れる「禅の教え」』

 

感じたこと


  • 禅の心は、とにかくいま・ここに集中すること。得るよりも捨てること。すべての縁を理解し感謝すること。大切にしたい。
  • 悟れば好悪無し、随処に主となれば立処みな真なり、歩歩是道場、清風明月を拂い明月清風を拂う、いい言葉ばかりだ。素敵。
  • 日々真っ直ぐに生きていきたいなぁ。過去にとらわれず。未来にとらわれず。

引用メモ


「あれが欲しい」という我欲も、「これを手放したくない」という執着も妄想です。 他人がうらやましいという気持ちも、自分はダメだという思いも、実はすべて妄想なのです。  もちろん、心をとらえるあらゆる妄想を断ち切って、いっさいの妄想と無縁で生きる、なんていうことはできません。それは仏様の境地。人間であるかぎり、心のどこかに妄想があって致し方なし、なのです。

「比較」することに、なにか意味があるでしょうか。 「悟れば好悪無し」 という禅語があります。  人間関係に引き寄せてその意味をいえば、他の人がどうであろうと、あるがままを認めたら、好きとか嫌いとか(自分に比べて相手が上とか下とか……)といった感情に流されることはない、ということでしょう。 日本における曹洞宗の開祖・道元禅師も、「 他 は 是 れ 吾 にあらず」 といっています。  他人のしたことは、自分のしたことにはならない、と教えています。他人が努力したことで、自分が向上することはありません。向上するためには自分が努力するしかないのです。 禅はどんなものも、どんな人も、他とは比べようがない「絶対」の存在と教えます。  あなたもそうですし、他人もそうです。

私たちが生きていく「原点」である命さえ、すでにどうにもならないことに気づいたら、どうにもならないことがたくさんあっても、なんの不思議もないことがわかる。そして、それをどうにかする必要などない、ということがスッと胸に落ちるのではないかと思います。  そう、 自分ではどうにもならないことは、そのまま、あるがままに受け取っておけばいい のです。

心技体がともに最高度に充実していたとされる双葉山関にして、なお、心に揺れが生じることがあるのですから、「木鶏たる」のはまさしく至難のわざです。  悪いことが起きたり、つらい境遇に立たされたりしたら、気持ちが落ち込んでもいいのです。そのうえで、負の心をプラスに転じていく。それが禅の考え方です。

「随処に主となれば、立処みな真なり」という、臨済宗の開祖である臨済義玄禅師の言葉があります。  その意味は、どんなところにあっても、「いま」「ここ」でできることを一生懸命にやっていれば、自分が主人公になって生きられる、ということです。

松下幸之助さんの言葉です。 「逆境もよし、順境もよし、要はその与えられた境遇を素直に生き抜くことである」 まさに至言です。 素直に生きていたら、よい境遇も悪い境遇もないのです。 そこにはただ、一生懸命に生きる「場所」があるだけです。

「帰家穏坐」という禅語があります。その意味は、平たくいえば、 わが家に帰ってゆったりとあぐらをかいたときにこそ、心がどこまでも安らかで穏やかな世界が広がっている、 ということです。  さらに禅の本質からいえば、 わが家という言葉には、誰の中にも備わっている仏性、つまり、本来の自己という意味も込められています。 即ち、自分の仏性に目覚める悦びを示した言葉なのです。  本来、「家」とはそうした場所、自分の居場所にもっともふさわしい場所なのです。  ここはひとつ、少し性根を据えて「家」を見直してみませんか?

「歩歩是道場」 という禅語があります。 私の好きな言葉ですが、どこにいてもそこが「道場」であり、なにをしていてもそれが「修行」である、という意味です。  禅では「行住坐臥」のすべてが修行ですから、坐禅をするのも、食事をするのも、掃除をするのも、顔を洗うのも、同じように丁寧に取り組まなければなりません。

「清風明月を拂い、明月清風を拂う」  さわやかに吹く風と明るく輝く月は、それぞれに美しく、ときによって、お互いが主となったり客となったりしながら、一体となって美を高め合っている、という意味の言葉です。  人間関係にあてはめれば、 人はつきあっている人に生かされ、また、その人を生かしてもいる、 ということ。誰かを生かしたり、誰かに生かされたりしている、と感じるのは、なにも熱っぽく実のある議論をしたり、高尚な対話をしたりしているときだけではありません。

記録#287 『処女のまま始発で帰れ』

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http://teyona.thebase.in/items/2621176

 

感じたこと


  • 最高。何という歌集なんだろうか。まさに今の自分、30代前後くらいの人のこころにすっと入ってくる詩たちだ。
  • 本の装丁、イラストまで含めて最高。
  • あとがきの淡々とした文体。よい。

内容


  • GreeeeNのeを数えているうちにデパスはきっと効いてくるから
  • 全部好きだ。

記録#286 『失敗図鑑 すごい人ほどダメだった!』

 

失敗図鑑 すごい人ほどダメだった!

失敗図鑑 すごい人ほどダメだった!

 

感じたこと


  • 失敗を活かした人もいる。ただ逃げただけの人もいる。そもそも失敗だと思っていなかった人もいる。様々。失敗はただの現象であって、比べないこと。ただただ前に向かっていこう。
  • 失敗できるくらい、打席に立って、バットを振っていかないとダメですね。

内容


  • 成功にしがみついて裁判ばかりになってしまったライト兄弟

  • 村人からのプレッシャーに負けて逃げ出してしまったが、悟り戻った後に成果を出し続けた二宮尊徳

  • 戦争を契機に時代遅れと言われたが、フランスを抜け出しアメリカでチャンスを掴んだココ・シャネル。

  • 英語が喋れず引きこもったが、治療のために書き始めた小説で成功を収めた夏目漱石

  • 頑固すぎて弟子たちの意見を取り入れなかったが、結果として多様な心理学形態の発展に貢献したジークムント・フロイト

  • 戦争中に弟を思う詩を正直に記し炎上した与謝野晶子

  • 周りの漫画家の悪口を言いまくりながらも自分を鼓舞し続けた手塚治虫

  • 数学以外がまるでできなかったものの、その力を生かして相対性理論を確立したアインシュタイン

  • 当時の美の基準からコンプレックスを抱き続けたものの演技の現場で戦い続けたオードリー・ヘップバーン

  • こだわりすぎて映画製作会社から断れ続けるものの創作活動を続けた黒澤明

  • たっっっっっっっっっっくさん失敗し続けたがチャレンジを続けたカーネル・サンダース

 

  • みんなすごい。みんな立派。失敗はかならずある。負けるな。

記録#285 『アフターデジタル オフラインのない時代に生き残る』

 

アフターデジタル オフラインのない時代に生き残る

アフターデジタル オフラインのない時代に生き残る

 

 

感じたこと


  • 中国のサービス事例がたくさん。User Experienceの最先端は中国にあるんだろうなぁと思っていたのが確信に変わってきた。いかなきゃ、杭州あたり。
  • もともとの既存事業のクオリティが低い/ばらつきが大きいからこそイノベーションの余地がある。医療分野で、整理券をとってから受診できるまで7日かかる、というのはびっくり。
  • 単発売上→LTV、販売ありきのカスタマーサポート→カスタマーサクセス、プロダクト→顧客体験、チェーン→ジャーニーなど、キーワードがたくさんあってよかった。体に染み込ませておこう。
  • 小売・医療あたりは中国・東南アジアを継続リサーチしている。続けていこう。
  • アリババのUED大学、ぜひ入学したい...
  • ビービットさん、アジアで戦っていらっしゃるなぁ。すごい。

内容


  • 以下の言葉に変革の内容が現れている。データベースの改善をどれくらい高速に回していけるかが勝負。
    • "「顧客接点データを多く持ち、それをエクスペリエンスの良さに還元する」という新たな改善ループをいかに高速で回せるか。これが新しい競争原理です。競争原理が変われば、当然産業構造は変わります。これまではメーカー主導で、バリューチェーンの上流のほうが偉く、顧客接点側はヒエラルキーの低い位置にいました。これからは顧客接点を多く持っているプラットフォームが偉くなり、単にモノを作っているだけのメーカーは「接点のうちの1つ」となる商品を提供する下請けになります。この新しい構造変化を、私たちは「バリューチェーンからバリュージャーニーへ」という言葉で表現しています。" (Kindle位置:35)
    • 「モバイルもPCもコンビニも、デジタル処理できるならすべて同じユーザーインターフェースである」(Kindle位置:1,125)
    • 「アフターデジタルにおいてリアルチャネルは、『密にコミュニケーションを取れる貴重な接点』であり、高い体験価値や感情価値が求められるようになる」(Kindle位置:1,446)
    • その一つの形がOMOであり、ニューリテール。
  • ジーマ・クレジットはディストピアにつながるのか。現実的にはゲーム感覚で楽しまれている感じ。このサービスによって、民度も着実に上っている。行動変容
    • C2Cサービスでも「ジーマ・クレジットで700以上の人のみ」のようなケースも
    • SNSで自分のスコアを開示している人も。まさに信頼を築くためのスコアに。
  • オンラインはオフラインの付属(O2O的な)ではなくOMO(Online-Merged-Offline)に。Online/Offlineは提供者側のチャネルの話で、受け取り手であるユーザーは「その時・その場で最適なチャネルを選択する」だけの話。ユーザー中心で考えるとその区分に意味はない。とにかくユーザー中心で改善を進めていく。
    • スマートフォンおよびモバイルネットワークの普及。いつでもどこでもデータを取得でき、我々に偏在的な接続性をもたらす
    • モバイル決済浸透率の上昇。モバイル決済は少額でもどんな場所でも利用が可能になる。
    • 幅広い種類のセンサーが高品質で安価に手に入り、偏在する。現実世界の動作をリアルタイムでデジタル化し、活用が可能になる。
    • 自動化されたロボット、人工知能の普及。最終的には物流(サプライチェーンプロセス)も自動化することが可能になる。
    • 以上4つの条件により、「リアルチャネルであってもオンラインで常時接続し、その場でデータが処理されてインタラクションすることが可能になるため、オンラインとオフラインの境界は曖昧になり、融合していく」
    • "「もうO2Oの時代ではありません。店舗というリアルチャネルであっても、ユーザーの行動のすべてをデータとして取得できる時代です。 我々にとってはモバイルもPCもコンビニも、ただのユーザーインターフェースでしかありません。例えば、顧客がスマホで水を1本購入することも、無人コンビニで顧客が水を1本購入することも、誰がいつどこでどの銘柄を購入したのかがすべてデータとして分かるのであれば同じことですよね。顧客は水が欲しいと思った時、もしたまたま近くにコンビニがあればそこで買うでしょう。わざわざスマホで購入して家に届けてもうらなんてことはしないはずです。顧客は『オンラインとかオフラインとか』といちいち考えておらず、 その時最も便利な方法で買いたいだけなので、我々は様々な選択肢を提供することが大事 だと思っています。そのために無人コンビニも展開しているのです。" (Kindle位置:745)
  • ニューリテールの代表例「フーマー」:”リテールテインメント” 顧客がウォークインできる楽しい食品EC倉庫。
  • 無人化は効率化がバリューではない。人間がもっと人間らしい活動に従事できるようになることこそが価値。
    • ”「無人化」というとどんどんサービスが機械化していく印象がありますが、実際には 従業員とよりコミュニケーションを取り、より人間的な温かいサービスを提供する プレイヤーが生き残っています。これは、リアル店舗での顧客との接点の価値が変わっていく大きなポイントではないかと思っています。 こうした現象について、「ツイッター」の共同創業者であり、急成長を続けているモバイル決済「スクエア」の創業者でもあるジャック・ドーシーは「シンプリファイズ・ザ・ワールド」と呼んでいます。ドーシーは、「決済という作業は、商品を売る側と購入する人が仕方なくやらなければいけない行為で、もしこれを短縮したり不可視化できたりすれば、買い物という行為は本来の人間対人間のコミュニケーションや物語の交換に戻って、売りたい人と買いたい人の意識が一瞬でつながることができる」”(Kindle位置:1,502)
  • アフターデジタル時代のビジネス原理
    • (1)高頻度接点による行動データとエクスペリエンス品質のループを回すこと
    • (2)ターゲットだけでなく、最適なタイミングで、最適なコンテンツを、最適なコミュニケーション形態で提供すること。

記録#284 『外資系コンサルの知的生産術 プロだけが知る「99の心得」』

 

 

感じたこと


  • サービス業において大事なのは顧客を特定して、持っているリソースを武器に、彼らの期待値に合う/超えるサービスを提供すること。基本に丁寧に。
  • コンサル入社時に「クライアントの前に、上司を顧客だと思え」とアドバイスされたことを思い出す。あれはある意味正しかったと常々。

内容


  • 正しい問いを設定すれば答えは自然に立ち現れる。1週間以上作業を進めているのに答えが出ないときは、問いそのものが誤っていること/ずれていることが多い。考えること=プロセッシングで、そこに一定のスキルはあるものの、基本は処理。ガーベッジイン・ガーベッジアウトの原則に従って、正しい問いに基づいた正しいインプットをすれば、中学生でも正しいアウトプットに行き着く。
  • 外部/内部のインタビューや外部に調達を依頼しなくてはいけない情報ソース確保は時間がかかるため、その仕込みは先に。眼の前にあるデータの分析やデスクトップリサーチにのめり込む前に、仕込むこと。
  • スタンスを取ること。付加価値を出すには相手と「異なる」ことが絶対条件。広さ・深さで上回るか、ずらすか。スタンスを取る。「これである」の他に「あれではない」も併せ持つこと。
  • 長く考えるより、短く何回も考える。短距離思考を繰り返すほうが解に行きつきやすい。
  • 書くことは考えること。紙とペンでガンガン考えろ。
  • 自分の中の「嫌い」「嫌悪感」を大切に。そこに自分の価値観が現れる。それは好きの真裏にある。

引用メモ


知的生産物のクオリティは、 異なるポジションを取る人と摩擦を起こすことで初めて高まるからです。摩擦を避けているといつまで経ってもフニャフニャした知的生産物しか生み出せません。電通の行動規範である『電通鬼十則』の中にも「摩擦を怖れるな、摩擦は進歩の母、積極の肥料だ、でないと君は卑屈未練になる」という一文があります。他者との摩擦を恐れていてはクオリティの高い知的生産は絶対にできません。

「よい答え」というのは、無理矢理に探し出すものではありません。適切に情報が集められ、それを虚心坦懐に見れば自然とそこに立ち現れてくるはず

ここで重要になってくるのはまずは紙とペンということになります。大量の紙を使って、アタマの中にあるさまざまな情報やアイデア、しっくり来ない点を書き出してみる。これは電通でもBCGでも同様で、エースと呼ばれる人は必ず、まず紙に自分の思考を落とす、ということをしていました。 思考を深めようと思ったら、まずとにかく紙に書き出してみる、自分のアタマの中の情報や思考を、アタマの外に出して相対化してみる ということが重要

記録#283 『成功する起業家は居場所を選ぶ』

 

 

感じたこと


  • 居場所の意味合いとして、人やコトと通じて高め合う場でもあり、安全を保証する場でもあり、これからの時代にリアルな場の重要性はどんどん高まるんだろうなぁと。
  • FoundX、素敵。
  • 研究結果が豊富に盛り込まれながら、心理学系の研究の再現性問題にも言及しており、どこまでもフェアな内容だと思った。

内容


  • セルフコントロールをするために、自分の意志や頭だけに頼らず、環境や他人との関係性を活用すること。自分の意志の弱さを認め、目標達成のためのアクションを自然と取れてしまうような環境を整えること。それが自分自身を向上させる一つのやり方になる
  • スタートアップアクセラレーターの本来的な価値は、提供する支援プログラムではなく、スタートアップが育ちやすい環境づくり
  • 環境は人の行動や思考を変える
    • Googleの社食では、直径31センチだったお皿を23センチに小さくし複数のお皿をおいて選択肢を増やしたところ、約21%が小さいお皿を選び、食べる量を減らした。加えて、サラダを列の最初に、健康的なお菓子を手前に置くことで、従業員の健康的な食生活へと誘導している
    • 肥満は伝染する。自身が太ると、友人が太る可能性が57%増加する
    • ドナーカードの同意形式をオプトイン→オプトアウトに変更すると同意してくれる比率が16%上昇する
  • スタートアップのメンタリングでいうと、メンタリングのHowは効果に影響しない
    • パフォーマンスに影響がない要素:メンタリングプログラム、メンターが過ごした時間、メンターの数
    • パフォーマンスに影響する要素:メンターのバックグラウンド、対象者のキャリアを実質的に支援していくスポンサーシップ
  • 効果的な教育法の一つがジグソー法で、宿題などと比べても効果が高いとされている。加えて、コンセプトマップや相互教授法なども平均に比べて効果が高い
    • ジグソーグループと呼ばれるグループを複数作り、学習対象となるコンテンツを分割して担当を分ける
    • 同じ部分を担当する、別のジグソーグループのエキスパートたちと集まってエキスパートグループをつくる
    • エキスパートグループで読み込みと議論を行い、理解を深め合う
    • 自分のジグソーグループに戻り、自分の担当した部分を説明する
    • ジグソーグループでさらに議論を行う
  • 主観に頼らない
    • イギリスの調査では、通勤時間が20分増えると仕事の満足度は収入が19%減るのと同程度の悪影響を受ける一方で、
    • ジョブオファーとして$67kで通勤50分、$64kで通勤20分の2つを受けると、84%が前者を選択する。未来予測の難しさよ。
  • 良いアイディアは他人からやってくる(ニュートンのリンゴの話も実は複数人での議論から)。よい「壁打ち」ができる相手が身近にいるかどうか重要。誰かと話すことで自分の考えがまとまり、相手から全く異なる発想を得ることもある
  • アントレプレナーシップとは、規律ある実践。プロセスよりもメソッドにフォーカスする
    • 起業家教育で有名なバブソンカレッジでは、5つの練習を通じて起業家精神を養う
      • 遊びのプラクティス:自由で創造的な思考に関連し、イノベーションや機会を見出す
      • 共感のプラクティス:心理学、神経科学、デザイン思考などを用いて、他人のニーズや感情を理解する
      • 創造のプラクティス:予想するのではなく、創り出すための思考を身につける
      • 実験のプラクティス:実際の状況下で、実験結果を見て結果から学び、再度試すことを通して、機会の創造や資源獲得、リーダーシップに関する概念やテクニック、知識を得る
      • 内省(リフレクション)のプラクティス:学習体験を体系化し、すべてのプラクティスを統合する
    • 「よく考えられた練習・実践」のための6つの条件。 byアンダース・エリクソン
      • 教師がいる
      • 練習課題が常に少し難しく、自分のコンフォートゾーンを抜け出す必要がある
      • 具体的な目標がある
      • フィードバックがある
      • 心的イメージとの相互影響がある
      • 地道な改善を続けている
    • 経験学習の循環モデルを回す
      • 具体的経験:文字通り、具体的な経験を積み重ねること
      • 内省的観察:経験や出来事から離れて経験を俯瞰的に見て、多様な観点から振り返り、意味づけること
      • 抽象的概念化:経験都内性から他の状況でも応用可能な知識やルール、スキーマを形成すること
      • 能動的実験:学んだルールやスキーマを実践して検証すること
    • 小さく始めて、自己効力感を高める。バンデューラが提唱したその要素は、
      • 達成経験:自分自身が何かを達成したり、成功したりした過去の経験
      • 理経験:自分以外の他人、特に影響力の強いオピニオンリーダーロールモデルが何かを達成したり成功したりするのを観察して学習すること
      • 言語的説得:自分の能力を言語的に説明されること、言語的/社会的な励まし
      • 感情換気:酒などの薬物やその他の要因で気分が高揚すること
    • 実践を続けるためには、思考を捨てて、現実的に。WOOP手法が良い。
      • Wish:願い
      • Outcome:成功
      • Obstacles:障害
      • Plan:計画
  • 良い環境をつくる・選ぶために必要となる意思決定。それをうまく行うための8つの知恵
    • 選択肢の数を増やす/リフレーミングする:ポジティブ/ネガティブワード、機会費用の明示など
    • 「探索」と「深化」の違いを知る:両利き経営の実践。キャリア開発でも専門性を高めることと新しい仕事や業務へのチャレンジをかけ合わせて実行する必要
    • 意識的に「余裕」をつくる:slack(きつくないこと)を大切に。効率性を追求すると時間の欠乏が生じて仕事の割り込みがあるとすべてが破綻する
    • 効果的な時間の使い方を「バーベル戦略」で考える:両端、両方に時間を投資する。せめて10%程度は仕事以外のつながりを作ることに時間を割いておきたい
    • 焼きなまし法を応用する:キャリアの初期では自分に会いかもしれない会社や職種の山を探すつもりで、何度か場所を変えてみるのも戦略の一つ。アルゴリズムの探索問題のように。
    • 秘書問題を応用する:40年の仕事人生だとしたら、最初15年位は試してみる。Googleの人事部長は「キャリア最初10年は実験するべきだ」と。
    • Satisfice~足るを知る:最低限何を満たせばよいのか?BATNA(Best Alternative to Negotiated Agreeement)、ZOPA(Zone of Possible Agreement)を定めておく
    • WRAPのプロセスを実践する
      • Widen your Options:選択肢を広げる
      • Reality-Test your Assumptions:仮説の現実性を確かめる
      • Attain some Distance Before Deciding:決断の前に距離を置く
      • Prepare to be Wrong:誤りに備える
  • 「死亡前死因分析」の手法も良い意思決定の参考になる。”半年後、その従業員が会社をやめたとする。その理由は?”
  • クリエイティブコミニティに必要な4タイプの人たち
    • 一流の教師:職業や業界のパターンやノウハウを伝授してくれる人。目的意識を持った練習を積むときに必要なフィードバックを提供してくれる
    • 相補的なパートナー:自分の欠点や苦手なことを補うような特徴を持った人。
    • 創作の女神:凹む時期を乗り込めるためのモチベーションや刺激、新たなアイディアを出してくれる、ライバルのような人
    • 卓越したプロモーター:あなたの宣伝をしたり、自分の名声をあなたのために分け与えてくれる人
  • アイディアを形成する6つのS
    • Survey:調査結果・ファクト
    • Strategy:戦略キャンバス
    • Structure:ビジネス構造・ビジネスモデル
    • Stream:顧客体験の流れ
    • Story:POV madlib
    • Sketch:プロダクトイメージ
  • 東工大のエンジニアリングデザインプロジェクトの内容はいろいろ参考になりそう

引用メモ


私は、私と私の環境である。そしてもしこの環境を救わないなら、わたしをも救えない。(オルテガ

「あなたが成功すれば社会はきっともっと良くなるから、起業家として成功してほしい」。そう言ってもらえるような人が起業家の中で増えていくことを、私は楽しみにしています。