記録#267 『SPRINT 最速仕事術』
SPRINT 最速仕事術――あらゆる仕事がうまくいく最も合理的な方法
- 作者: ジェイク・ナップ,ジョン・ゼラツキー,ブレイデン・コウィッツ,櫻井祐子
- 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
- 発売日: 2017/04/13
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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感じたこと
- 一瞬のワークショップでもなく、3ヶ月のプロジェクトでもなく、1週間のスプリント。
- 何にでも適用できる考え方。観察→発散→意思決定→ストーリー化→プロトタイプ→テスト。これをやりながら、1日6時間で完了させるのが素晴らしい
- これの案内やりたいところだ。
内容
- スプリントは最初Google社内で生まれ、その後GV投資先やその他のチームへと広がっていった
- スプリントが目指すのは、効果の最大化を最小時間で成し遂げること
- 職場で過ごす時間を効率的で有意義なものにすること
- 本当に大事なことに集中して、自分のため、チームのため、顧客のために時間を有益に使うこと
- スプリント=アイデアをプロトタイプの形にすばやく落とし込み、それを顧客とテストすることにより、たった5日間で重要な問題に答えを出す手法
- 月曜日:問題を洗い出して、どの重要部分に照準を合わせるかを決める
- 火曜日:多くのソリューションを紙にスケッチする
- 水曜日:最高のソリューションを選ぶという困難な決定をください、アイデアを検証可能な仮説の形に変える
- 木曜日:リアルなプロトタイプを完成させる
- 金曜日:本物の生身の人間でそれをテストする
- スプリントは下記のような状況で力を発揮する
- リスクが高いとき
- 時間が足りないとき:スプリントは高速化のためのプロセスとなる
- 何から手をつけていいかわからないとき
- スプリントには必ず意思決定者を巻き込んで同席してもらうこと。難しければ一部でも。
- 「急速な前進」が可能になる
- 一回きりの実験だとして口説く
- デメリットも併せて提示すべき
- スプリントの理想的な人数は7人以下
- エンジニア/デザイナー/プロダクトマネージャーなど製品に直接関与するメンバーは巻き込む
- 一方で、顧客に接点を持つ役職や財務の人間を入れ込むのもよし。大切なのは多様性。
- 追加の専門家がいる場合には、月曜の午後のみ参加してもらう。1人30分程度、専門性をもったアドバイスをもらう時間を設ける
- 集中できる時間割・環境を構築する
- 5日連続で10~17時を抑え、ランチは1時間、11時と15時に休憩を入れ込む。実質6時間集中して取り組む。
- ワーク中は携帯電話はオフ。メールチェックなどは前後に組み込む
- 月曜日:目標を固める
- 「終わりから始める」というワークから始める
- 「僕らはなぜこのプロジェクトをやっているんだろう?いまから半年後、1年後、5年後にどうなっていたいのか」を30秒~30分程度議論する
- スプリントクエスチョンを書き出す
- このスプリントでどんな質問に答えを出したいか
- 長期目標を達成するには、どんな前提が満たされなくてはならないか
- 未来にタイムトラベルしたら、プロジェクトが失敗に終わっていた。どんな原因が考えられるだろうか
- その後指針となる「マップ」を作成する
- 役者・ステークホルダーを書き出す:ストーリーの主要人物を洗い出す
- 完了要件を書く:最後のアクションを確定させる
- 一言フレーズと矢印でつなぐ
- シンプルにする:5~15程度のステップでつなぐ
- チーム全体で見直す
- 専門家の意見を反映する
- 戦略
- 顧客の声
- ものごとの仕組み
- 過去の取り組み
- 専門家に対しては30分ほどでシンプルに問いかける
- スプリントについて説明する
- ホワイトボードを振り返る
- 話してもらう
- 質問をする
- ホワイトボードを修正する
- How might we ~~?? 「どうすれば~できるだろう」という質問の形式に課題を変換していく
- 選ばれたHMWの問いをマップの上に張り出していく
- 誰のどの瞬間をターゲットとするかを定める
- 最終的にはスプリントチームの決定者に委ねる
- 火曜日:思考を発散させる
- まず、ソリューションのヒントになりそうな既存の製品/サービスを考えてリストアップする
- 必要に応じて、月曜夜の宿題にする
- 自分の提案する製品を3分で光速デモしてもらう
- 高速デモを踏まえてビッグアイディアをホワイトボードに書き出していく
- アイデア/マップ/スプリントクエスチョン/どうすればメモ、を素材にして、ソリューションを構築していく。その上での役割分担を実施する
- ホーム画面?
- タスク部分?
- 管理画面?など
- スケッチをする!
- 書き終わったスケッチは見ることなく、水曜日までおいておく
- 並行して、5日目に参加してくれるテスト顧客を探す
- 海外ではクレイグスリストが有効に機能
- 日本でどうするかは別途考える必要あり
- まず、ソリューションのヒントになりそうな既存の製品/サービスを考えてリストアップする
- 水曜日:ベストを決める
- すべてのソリューションを一斉に評価し、一斉に品評し、一斉に決定を下す
- 午前中に、プロトタイプするソリューションを決定する
- 「くっつく決定」
- 美術館形式:マスキングテープでソリューションスケッチを壁に貼り付ける
- ヒートマップ:黙ってソリューションを見て回り、オモシロイと思った部分にドットシールを貼る
- スピード品評:それぞれのソリューションの見どころをすばやく話し合い、ビッグアイディアを付箋に張り出す
- 各アイディアについて3分で議論を進めていく
- 3分でタイマーをセットし、進行役がスケッチのナレーションをし、投票の多い部分にフォーカスする
- チームで、漏れている良いアイディアの部分について補足し、初期がそれを書き留める
- アイディアに名前をつけて、質問や疑問について話し合う
- 最後にスケッチの作者が名乗り出て必要なら補足する
- 次のスケッチに移る
- 模擬投票:各自がソリューションを一つ選び、シールで投票する
- スーパー投票:決定者がこれまたシールで最終決定を下す
- ソリューションが決まったら、ストーリーボードに起こす
- 実際のソリューションが開始する1~2ステップ前から始める:ニュース記事やメールの着信、雑誌の広告、店の棚など
- 新しいアイディアを考えたい衝動を抑え、部屋の中にある既に出たアイディアをフルで活用する
- 迷ったらリスクが高い方を採用する
- テストは15分程度で完了するものに。ストーリーを絞り込む
- デザインや言い回しなどの細かい部分は木曜日に持ち越してもOK
- 木曜日:幻想をつくる
- プロトタイプ思考:9割型リアルなものを作り上げる
- 必要最低限のものを、使い捨てする気持ちで、しかしリアルなものを。
- 正しいツールを用いることを考える
- 画面で見せるもの:キーノートやパワーポイント、ウェブサイト作成ツール
- 紙で見せるもの:キーノートやパワーポイント、Docsなど
- サービス:台本を書き、スプリントチームを役者として使う
- 物理的空間:既存jん空間に手を加える
- モノ:既存製品に手を加える、プロトタイプを3Dプリントする、販促資料のプロトタイプをつくる
- 5つの役割で分担する
- 金曜日:テストをする
引用メモ
これこそあるべき仕事の姿だ。長ったらしい会議で時間を無駄にして、ボウリング大会で親睦を深める代わりに、現実の人々にとって意味のあるものをつくるために力を合わせるのだ。 これこそ最高に有意義な時間の使い方だ。 これこそスプリントだ。(pp.304)