記録#243 『発酵の技法 : 世界の発酵食品と発酵文化の探求』発酵させるって、楽しい。
発酵の技法 ―世界の発酵食品と発酵文化の探求 (Make:Japan Books)
- 作者: Sandor Ellix Katz,水原文
- 出版社/メーカー: オライリージャパン
- 発売日: 2016/04/23
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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感じたこと
- 人類が食べるものの1/3が発酵食品である、というのが1つ目の驚きポイント
- 2つ目は、「発酵バクテリアの存在により真核細胞が誕生した」、つまり人間のような複雑な生物の誕生には、発酵が欠かせない要素!だったこと。ありがとう、発酵。
- 発酵は、文化。その土地に根付く菌と、育つ植物とが掛合わさって発酵のスタイルが生まれる。発酵を知ることは、文化を知ること。
- この本はレシピ本。なかに、アルコールからサラミまで、あらゆる発酵食品をつくるための方法やそのために利用する器具について書かれている。大判本でよかった。
- 心惹かれたレシピが、
- オクラの塩漬け
- オリーブの塩漬け
- ぬか漬け
- 乾塩熟成ソーセージ(サラミ)
- いま我が家のロフトでも、昨年末に仕込んだ味噌が発酵中。美味しく育ってほしい。
内容
- 嫌気的代謝:酸素無しで栄養素からエネルギーを作り出すこと=発酵
- 発酵バクテリアと初期の単細胞生物との共生関係が固定される(シンビオジェネシス)ことによって、植物や動物や菌類を構成している真核細胞が生まれたとする生物学者の学説
- 発酵にはいくつもの現実的なメリットが。
- 2種の発酵:天然発酵と培養発酵
- 天然発酵:食品や環境中に自生する微生物による発酵
- 培養発酵:分離された微生物や定着した群落を培地へ導入しておこなう発酵
- 数々のメニューとトラブルシューティングに対するメッセージ
- 後半には発酵の事業化に向けたアドバイスまで。
引用メモ
人類が発酵を発明したり作り出したりしたわけではない。発酵が我々人類を作り出した、というほうが正確だろう。
オライリーらしさのあふれる素敵な本でした...!!