記録#201 『大阪食文化大全』くいだおれの街に根付く"始末"の文化
関西に久しぶりに戻ってきて、こちらの食文化の豊かさには改めて驚かされることばかりです。美味しいのはもちろん、食材そのもの、その使い方、調理技法、調味料・だし、見せ方、幅がとーっても広い。
その源流に少しでも触れてみようと手にとったこの本。素晴らしい内容でした。
基本となる食文化
まずは割烹について。カウンター越しに調理の流れを見せる割烹のスタイルで話題になった浜作などに見える、料理人とお客さんのコミュニケーション。話のネタまで料理してこそ、というスタイルがいかにも大阪らしい。
さらには食い味という表現。大阪湾で取れる新鮮な海の幸(桜鯛や鱧、ふぐなどなど)を、濃厚な昆布だしとともに食べる。まさに「食い味」。
そして料理人を育てる文化。江戸では苦手なお店にあたったらそれっきり、しかし大阪では客がその料理人を連れて一緒に一流店に行き、文字通り料理人を"育てる"という文化があったと。なんという、まさに"タニマチ"の育て方。
どれも素晴らしい。
数々の食材
浪速・なにわの語源が魚庭(なにわ)
というのは初めて知ったことでした。
鯛やスズキ、鰆や鰯をはじめとして取れる魚種が豊富で、淡路島などともつながって鱧やタコ、エビなども食べられていたと。
さらには田辺大根や鳥飼茄子、高山牛蒡などの地野菜も豊富で、どれも味が濃い。
どうりでどうりで、美味しいはずだ。
大全の名の通り、豊臣秀吉以降の時代の大阪の食文化がカテゴリーごとに詳述されている興味深い本でした。
お腹が減ってきた...!!
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