記録#186 『インド・シフト』世界のトップ企業はなぜバンガロールに拠点を置くのか?
インド・シフト 世界のトップ企業はなぜ、「バンガロール」に拠点を置くのか?
- 作者: 武鑓行雄
- 出版社/メーカー: PHP研究所
- 発売日: 2018/02/22
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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2028年にはGDPで世界3位になると予想されるインド。
少し前までインドのITというと、「アメリカ企業のオフショア拠点」というような位置づけで語られていました。優秀な大卒のIT人材が格安な賃金で確保でき、アメリカとの時差がおよそ12時間前後であり24時間体制での開発・保守が可能になることなどから、多くの米国企業がインドにIT開発をアウトソースしたり、自社開発拠点をつくったりしていたことで、そのイメージが定着します。
しかし時代は変わり、インドはイノベーションの拠点になっている、と著者の武鑓さんは言います。著者はソニー・インディア・ソフトウェア・センターの責任者として7年にわたりバンガロールやインド全体のITの進化を実際にその目で見てきた方。インドのIT産業は、海外からくるIT案件を受託する「受け身」の産業ではなく、イノベーションを起こし海外にその成果を広げていく次なるシリコンバレーだと、力強く書かれています。
その背景にあるのは、
- オフショア拠点として成長していく中で築いたIT関連インフラ
- 今後も継続して優秀な人材を生み出すための教育期間・教育投資の充実度
- 社会インフラが整っていないからこそ、逆に新たな発想を実装しやすい社会環境
を上げています。インド発のITジャイアント、タタ・コンサルタンシーやインフォシス、ウィプロなどに加えて、
- Flipkart(EC)
- snapdeal(EC)
- InMobi(アドテク)
などのユニコーンとなるスタートアップもどんどん生まれていて、いまもどんどん新しいスタートアップが生まれているとのこと。
すごい勢い。
ソ連の開発拠点があったエストニアがIT立国として大きく成長していることなどを見ても、開発拠点として成長→厚い人材プールができる→新規事業・スタートアップが生まれる、というサイクルがうまく回っているんだなぁと。
いってみたくなりました、バンガロール。
インド・シフト 世界のトップ企業はなぜ、「バンガロール」に拠点を置くのか?
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