記録#129 『Beyond the Label』答えなんてない、男性だろうと女性だろうと。
元シャネルのCEOの方が書かれた本。女性のキャリア!というテーマはここ数年ずっとテーマで、皆さんいろいろ言われるものの、個人的に落ち着かないところもあったので、本の形で学んでみようと手を伸ばしてみました。
Beyond the Label (ビヨンド・ザ・ラベル) 「こうあるべき」の先にある、自分流リーダーシップと成功の形 (ハーパーコリンズ・ノンフィクション)
- 作者: モーリーンシケ,神崎朗子
- 出版社/メーカー: ハーパーコリンズ・ ジャパン
- 発売日: 2018/06/08
- メディア: 単行本
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自叙伝の形ですが、メッセージは最初の部分に濃縮されていると感じました。
アイデンティティのあり方について。
私たちはつい、地位や肩書きや役割を、自分のアイデンティティと混同してしまう。たしかに地位や肩書きは、メンター、妻、母などの役割と同じように、ある一定の期間は自分の存在を定義すると言える。私たちはさまざまな役割を引き受け、〝私はこういう人間です〟というラベルを、自分にべたべたと貼りつける。ところがやがて、まるで着古したスーツのように、そういうラベルが似合わなくなったり、自分らしくないと感じ始めたりすると、私たちは怖くなってしまう。
ところが、そうした役割というのは、周囲に押し付けられたものであれ、自分から引き受けたものであれ、私が思っていたより、はるかに流動的なものだった。じつは、周囲からの期待をはねのけることよりも、こうでなければならないという、自分自身の窮屈で頑固な思い込みを捨てるほうが難しかったりする。私たちが社会や家庭で担っている役割の陰に隠れた本当の自分──つねに変化していく、つかみどころのない〝本当の自分〟を受け入れるには、勇気がいるし、時間もかかる。そして、安全地帯から踏み出すには、強い意志も必要だ。私が心がけてきたのは、好奇心を持って、自分の目と耳で物事をよく観察し、つねに心を開いていること。思い切って新しいことに挑戦し、自分の魂に訴えるものを見きわめること。自分はどんなことが好きで、なにを愛しているのかを、みずからに問い続けること。そして、自分はなにをしようとしているのか、それはなぜなのかを、しっかりと考えること。そういうすべてのことが、私がこれまでの人生で、多くの固定観念を乗り越えるのに役立ってきた。
(Kindle位置:71)
女性のキャリアについて。シャネルのCEOまで務めた彼女のところには、様々な助成から相談が来るとのこと。
彼女たちは、すべてに対する答えを欲しがっている。キャリアも、家庭も、幸福も、充実した人生も、すべてを手に入れたいのだ。できることなら答えを教えてあげたいが、もちろん、できない。なぜなら、そんな答えなど知らないから。実際、誰も知らないはずだ。でも私がはっきりとわかっているのは、どのような態度や感受性をもって人生に取り組み、自分自身にどんなことを問いかければよいか、ということ。そうやって好奇心を失わずに歩んでいけば、既存の概念や社会のしきたりにとらわれず、他人にとって便利なだけのラベルを乗り越えて、いつか本当の自分に出会えるということ。あなたはどんな人間か──それを決めるのは、あなた自身。私が安易なアドバイスなどできるわけがないし、インターンシップにはここへ行きなさい、なんて言えるはずもない。ファッション業界でキャリアを積んだからといって、他人に着こなしのアドバイスはできないし、ましてやどんな道に進むべきかなど、教えられるはずがない。
(Kindle位置:135)
答えなど誰も持っていない、問いだけを胸に、自分自身で切り開いていかなければ行けないのは男性だろうと女性だろうと一緒でしょう、と。
私が周囲の女性を見ていて思ったのは、キャリアを検討するときに女性の話のみを参照している事が多いなぁということ。「この助成の姿勢は尊敬できる!」「女性のエンパワーメント!」のような記事をたくさんFacebookでシェアしていたりして、あまり性別にこだわらずに、いろいろな人を見て、部分部分を抽出して参考にしていくのがいいんじゃないかと個人的には思います。
性別や出身地、人種などの"ラベル"を超えて、自分を探す旅にでましょう。
Beyond the Label (ビヨンド・ザ・ラベル) 「こうあるべき」の先にある、自分流リーダーシップと成功の形 (ハーパーコリンズ・ノンフィクション)
- 作者: モーリーンシケ,神崎朗子
- 出版社/メーカー: ハーパーコリンズ・ ジャパン
- 発売日: 2018/06/08
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