記録#127 『WE ARE LONELY,BUT NOT ALONE』現代の孤独と持続可能な経済圏としてのコミュニティ
TwitterをはじめSNSでここ最近ぐっとお名前を聞く機会が増えたコルクの佐渡島さん。その新著です。
WE ARE LONELY,BUT NOT ALONE. ?現代の孤独と持続可能な経済圏としてのコミュニティ? (NewsPicks Book)
- 作者: 佐渡島庸平
- 出版社/メーカー: 幻冬舎
- 発売日: 2018/05/08
- メディア: Kindle版
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テーマは、インターネットが人をつなぎながらも皆が孤独に苦しむ現在の、コミュニティのあり方・作り方。佐渡島さんは編集者でありながら、アーティストを束ねるエージェントもやっていて、コルクラボのようなコミュニティ運営もされていてる。場のプロフェッショナルです。
SNS、ソーシャル・ネットワーキングサービスが様々出てきて、皆が何かしらのサービスを通じて常に他人とつながっている時代。しかし、皆が孤独を感じている。
この当たりの問題意識は、以前読んだ藤田一照さんの記事にも通じることがあります。タイトルの意味合いも近いですね。
健全なコミュニティの運営のために必要なのは、参加者の安全・安心を確保する仕組み。ただ熱狂だけに依拠するコミュニティは徐々にその勢いが減衰していくと。
オープンなSNSは、安心、心理的安全をも脅かす。時には、社会的な安全も脅かす。 ネットはすべての関係をフラット化する。今までは、違うコミュニティに属する人の詳細を知ることがなかった。社会には、さまざまな意見が存在するのではなく、全く逆な意見が共存している。現実では自分の周りには、似た意見が揃っているから、逆の意見を意識することはほとんどない。意識するときは敵として、認識してしまっている。
(Kindle位置:437)
安全は物理・環境視点でのもの。安心は個々人の心理的なもの。
場に参加するとき、コミュニティに参加するとき、安心を担保してあげることが一歩踏み出す上で大切になるはず。
すべてのサービスが、安全・安心の設計ができていないと、もはやユーザーの手元に届かない。昔は、コンテンツが少なかったから、ユーザーが、こちらに歩み寄ってきてくれていた。しかし今は、どんどん広告が迫ってきて、必要のないものを買わされてしまうのではないかと、ユーザーは不安になっている。その不安を、一度、溶かす必要がある
(Kindle位置:1,125)
その安心を生み出す上で大切になるのが、過去の経験のリミックス。学校と同じ様に皆に役割を付与してあげる、名称を過去の有名な作品に寄せる、などなど。
消費者ではなくファンの時代、といわれています。
そのファンが生まれてくるコミュニティをいかに健全に作り上げ、持続させていくか。
大切な視点を頂いた気がします。
WE ARE LONELY,BUT NOT ALONE. ?現代の孤独と持続可能な経済圏としてのコミュニティ? (NewsPicks Book)
- 作者: 佐渡島庸平
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