ねずこん読書記録

小さな会社を経営しています。読んだ本について書き残していきますー

記録#84 『ポケモンGOからの問い:拡張されるリアリティ』

前の記事で紹介したような本を探すため、「問い」というキーワードで本を探していたときに、たまたま目についた本著。

塩に絞って歴史を見る、ひとつの事件からアフリカ問題を考察する、エッジをきかせれば聞かせるほど本の「当たり」確率が上がるというのが個人的な感覚なので、今回も手を伸ばしてみました。 

ポケモンGOからの問い: 拡張されるリアリティ

ポケモンGOからの問い: 拡張されるリアリティ

 

GPSやマップなどの活用事例について学びもあり、江別のイベント事例なんかは面白く読ませていただきました。一方で、正直に言って、多くの論考はそれほど心に残りませんでした。

  • ポケモンGoは画面に縛られているから、公園などの公共空間で、それと知らない利用者と軋轢を生むよね
  • 寺社だったり遊園地だったり、元から何かしらの意味を持った場所の上で「ポケモンが出現する場所」という意味が上乗せされるよね、それでいろいろ起こるよね
  • ポケモンが多く見つかるのは大都市で、かつ地方とのコラボ・観光イベント化もあまりうまくいかず、一つのゲームとして世界が完結したよね

のように、書かれているのはみなさん研究者さんだったりジャーナリストの方だったりするんですが、わざわざ論文の形態でかかずにブログで書けばよいのでは?と思うような文章でした。反証可能性もないし、考察も・・・という感じで。社会学領域の論文はだいたいこんな感じなんでしょうか...「ポケモンGoというゲームは我々の主体性を奪っている。そんな状態のプレイヤーは人間と呼べるのか」みたいな主張を見ると、はぁ、、としか言いようがないわけで。。社会学よりの人、やたら人間の主体性とか身体性とか好きですよね。。

ポケモンGoというテーマを選びながら、この著者はいろんなことを自分が元々もっている主張と勝手に結びつけて適当なそれっぽさで語る人なんだろう、と勝手に納得しました。

そういう意味で、考えを刺激してくれた本でした。自分のための記録として。

ポケモンGOからの問い: 拡張されるリアリティ

ポケモンGOからの問い: 拡張されるリアリティ