ねずこん読書記録

小さな会社を経営しています。読んだ本について書き残していきますー

記録#11『反応しない練習』騒がしいこの世界で心静かに過ごすために

2017年に読んだ本の中でいちばん、自分の生活の捉え方を大きく変えた本でした。

鈍感な世界に生きる 敏感な人たち』を読んでみて、この本の中で紹介されるHSP(Highly Sensitive Person)というのに自分がどうやら当てはまるらしいと思ったのが2016年の末。

どうやったら周りに振り回されず落ち着いて毎日を過ごしていけるのかな」と思っている中で出会ったのがこの本でした。

タイトルそのまま、周りに反応しないために練習しませんか、という内容。

勘違いされやすいのですが、反応しないことは、無理してガマンすることや、無視すること、無関心でいることではありません。

悩みを増やしてしまうようなムダな反応を〝最初からしない〟こと

怒りや、不安や、「どうせ自分なんて」と暗い気分が出てきたら、すばやくリセット・解消することです。(Kindle 位置No.33)

この反応に至る経路の解説がとてもクリアでわかりやすいです。

①まず〝求める心〟があり、
②それが〝七つの欲求〟を生み出し、
③その欲求に突き動かされて、人は反応する。

④ときには欲求を満たす喜びが、
⑤ときには欲求がかなわない不満が生まれる。

そういうサイクルを繰り返しているのが、人間の人生である。(Kindle 位置No.288)

求める心は、"快"をもとめる心。その快は7つの欲求にわかれ、①生存欲、②睡眠欲、③食欲、④性欲、⑤怠惰欲、⑥感楽欲、⑦承認欲となる。

これらの欲求に基づいて反応するが、その思いに執着してしまうことが不満・不幸を生みます。

人は三つの執着によって苦しむ。

①求めるものを得たいという執着(だがかなわない)
②手にしたものがいつまでも続くようにという執着(やがて必ず失われる)
③苦痛となっている物事をなくしたいという執着である(だが思い通りにはなくならない)

では、これらの苦しみが止むとは、どういう状態なのだろうか。それは、苦しい現実そのものではなく、苦しみの原因である〝執着〟が完全に止んだ状態なのだ。 (Kindle 位置No.588)

上の構造を考えるときに、"反応しない"という目的を達するために、「正しい理解」が大切になります。

「正しい理解」とは、「自分が正しいと考える」ことではありません。「自分流の見方・考え方で理解する」ことではありません。

むしろ逆に、「自分はこう考える」という判断や、解釈や、ものの見方をいっさい差し引いて、「ある」ものを「ある」とだけ、ありのままに、客観的に、主観抜きの〝ニュートラル〟な目で、物事を見すえることを意味しています。

「正しい理解」に「反応」はありません。ただ見ているだけです。動揺しない。何も考えない。じっと見つめているだけです。そういう徹底したクリアな心で、自分を、相手を、世界を理解することを、「正しい理解」と表現しています。(Kindle 位置No.503)

その「正しい理解」に基づいて、「正しい努力」を行うことの大切さ。

「正しい努力」とは、いわば「外の世界」を忘れて、「自分のモノゴトに集中」して、そのプロセスに「自ら納得できる」ことです。(Kindle 位置No.1,482)

この本を読んでから、ここで書かれているような正しいことをしよう、と思っています。普段生活していると日常に流されること多く、欲に流されることもあるし、自分ではどうにもならない他人のことが気になることもありますが、心がけとして正しい道に戻ってこよう、 という思いを新たにしました。

目を閉じるのは、反応しないため。目を開くのは、妄想から目を醒ますため。Kindle 位置No.1,673) 

このなかに、ブッダが語ったいろいろなアイディアが共有されています。
ちなみに全体読みながら、日本の仏教ってブッダが行ったことと全然ちゃうやん、となりました。

ブッダの考え方の特色は、「人生には悩み・問題がつきものなのだ」という現実を、最初に受け入れてしまうところにあります。

私たちが日々感じている満たされなさ、生きづらさ、憂鬱といった思いを「ある」と認めてしまうこと。そのいさぎよさ、合理性が、仏教の特徴です。(Kindle 位置No.209)

荒々しい言葉を語る人もいるかもしれないが、わたしは荒々しい言葉を語らないように努力しよう。

自分の考えに囚われる人もいるかもしれないが、わたしは自分の考えに囚われないように心がけよう。

間違った理解や思考を手放せない人もいるかもしれないが、わたしは正しい理解と思考が身につくように頑張ろう。

見栄やプライドにこだわる人もいるかもしれないが、わたしは見栄やプライドから自由でいられるように精進しよう。

自分をよく見せたがる人もいるかもしれないが、わたしはありのままの自分で生きていくように努めよう。(Kindle 位置No.725)

道の者よ、迷いに満ちたおのれの心の状態に気づくがよい。そこには〝五つの妨げ〟がある。 すなわち、

①快楽に流される心、
②怒り、
③やる気の出ない心、
④そわそわと落ち着かない心、そして

⑤疑い、である。

気づくがよい。このような心の状態では、物事をよく理解することも、正しく考えることもできない。ゆえに苦しみの連鎖は、いつまでも続くであろうと。(Kindle 位置No.1,784)

 

 悩んだ時に返ってくる本がもう一冊増えました。すばらしい一冊です。