ねずこん読書記録

小さな会社を経営しています。読んだ本について書き残していきますー

まとめ#4 2015年1~3月】読んでよかった本5冊

今年は四半期ごとに更新できればと思います、頑張ります。
転職のタイミングだったこともあり、お仕事っぽいものが多めです。

どなたかの読書生活を少しでも豊かにできることを祈りつつ。

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・いい会社をつくりましょう

とてもとてもとても良い本でした。今期一番です。
寒天製品の国内シェア80%、海外シェア15%以上(2009年時点)を誇る伊那食品工業、その社長さんが書いています。20代から50年以上経営に携わり、この会社を「日本でいちばん大切にしたい会社」(坂本光司 著)の一つに選ばるような優良企業に育て上げられました。
本のタイトルはこの会社の社是。

「いい会社」とは、単に経営上の数字が良いというだけではなく、会社を取り巻く総ての人々が、日常会話の中で「いい会社だね」といってくださるような会社のことです。
「いい会社」は自分たちを含め、総ての人々をハッピーにします。そこに、「いい会社」をつくる真の意味があるのです。

急成長を目指さない。自然がそうであるように、木が毎年年輪を重ね少しづつ成長していくように、地域に広く深く根を張り、「公器」としての役割を長期にわたって果たしていく。
目先のブーム・トレンドは追わない、中長期でどう社会が進歩していくかを追っていくんだ。というところも、なるほどー、という思いでした。

言葉として響いたのは、特にこの2つ。

ロマンだからと、景気がいい時は思い切り急拡大しておいて、ダメになったら放り投げる。多くの人を犠牲にする。そういう考え方の人は、経営者になってはいけないのかもしれません。

人生というのは「いい思い出」と「これからの夢」で成り立っていると考えています。「いま」というのは存在しません。

とにかく良い本でした。ぜひご一読。

新訂 いい会社をつくりましょう

新訂 いい会社をつくりましょう

 

 

・ゆっくり、いそげ〜カフェからはじめる人を手段化しない経済〜

著者の影山さんは、コンサル、VCを経て、いまは西国分寺でクルミドコーヒーというお店をやられています。大学院時代にたくさん通わせていただきました。

タイトルだけ読むと、最近流行りの「市場経済反対!」みたいなものに見えなくないけどそんなことはなく、バランス感のあるフェアで説得力のある内容でした。
本自体も素晴らしいです。でも、ぜひ直接お店にいってください。
この本を通じて伝えたいことが、自分の肌で感じられる場所になっています。

ゆっくり、いそげ ~カフェからはじめる人を手段化しない経済~

ゆっくり、いそげ ~カフェからはじめる人を手段化しない経済~

 

 

・The Lean Enterprise: How Corporations Can Innovate Like Startups

 古い業界、大企業にこそイノベーションを!
これから、こんな仕事ができればと思います。

A corporate innovation manager's job isn't to pick winners; it's to create opportunities for winners to rise above the chaos.

The Lean Enterprise: How Corporations Can Innovate Like Startups

The Lean Enterprise: How Corporations Can Innovate Like Startups

 

 

古典落語

 この2月に初めて寄席に行きまして、それに合わせて。
自分が素敵だなぁと思う人がもれなく落語好きなのですが、実際に自分で見てみて、なんとなくその理由がわかった気がします。
扇子と手ぬぐいだけで一つの世界観・ストーリーを伝えられる噺家さん。尊敬します。

古典落語 (講談社学術文庫)

古典落語 (講談社学術文庫)

 

 

・しんがり 山一證券 最後の12人

 昨年の第36回講談社ノンフィクション賞受賞作。
世間を揺るがせた山一證券の破綻。涙を流しながら「社員は悪くありませんから!」という会見のシーンは、今でも時々流れますよね。(この会見を行った野澤元社長、屋代高校の卒業生なんですね、初めて知りました)
最後の最後まで清算業務に携わった方々から感じる侠気。自分がここまで出来るか、出来る人になれるか、そんなことを考えながら読みました。力強い本です。

私の好きな言葉は「勿過去悔 莫将来按 無万事怯」である。
過ぎ去ったことをくよくよ後悔するな。これからのことをあれこれ心配するな。すべてのことを恐れるな、という意味であろう。
人生万事塞翁が馬だ。まだ、我が人生の結論は出ていない。

人間はその場に合わせて咲く能力がある。突然の失職も大したことはなかった。人生はなんとかなる。 

なんとかなる!

しんがり 山一證券 最後の12人

しんがり 山一證券 最後の12人

 

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4月以降も、気の向くままに読書していければと思います:)