まとめ#3 2014年 今年の10冊
今年読んで良かった10冊の本をご紹介します。
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- 信州教育に未来は有るか
著者の山口先生は、長野県の元教育長&母校校長で、かつ両親の仲人でもあります。話し好きで、人格的に素晴らしい方。
生徒、親、教員、そのほか学校職員、周辺住民、それぞれの立場から学校教育を見つめなおします。とても素敵な本でした。
私は、「大人はすべて教育者を目指すべし」と思っています。もちろん、職業としての教育者ではなく教育を広く「大人と子供の関係」としてとらえる視点からです。私が言う「教育者」とは、子供らに接する大人の姿勢をいいます。気付いた時、一つでも、できることから、でいいのです。(表紙帯より)
浄土思想の核心と、その代表的な3人の思想家についてその違いをわかりやすく解説してくれます。
著者は、浄土思想が仏教を、修行を通じた「悟り型宗教」から祈りを通じた「救い型宗教」に転換したとしています。「あれもやれ!これもやれ!」といっていた過去の仏教と決別し、「ただ祈れ!」とした法然は、スコープを切るのがうまい良い上司だなと感じました。
- 素数の音楽
素数ってすごい。美しい。ガウス以来続く、素数の謎をひも解こうとするを描いた本です。数学者も人間なんだなぁと身近に感じさせてくれました。
素数のおかげで数学の従来無関係とされていた分野を隔てていた扉が開かれた。数論、幾何学、解析学、確率論、量子物理学、リーマン予想を解くためにこれらのすべてが結集した。~。数学は、パターンの学問ではなく、関係の学問になったのだ。
- 五郎治殿御始末
映画化された「柘榴坂の仇討」が含まれた短編集。
私は、江戸期には有能な天文方としてつかえながら、明治期の暦作成には関わることができず悶々とする男を描いた「西を向く侍」が心に残っています。題は、暦が31日単位でない月の覚え方(2,4,6,9,11。に、し、む、く、さむらい(士))を示しつつ、西洋のものを無配慮に受け入れようとする日本人に対する皮肉を含む、ウィットの効いたものだなぁと。
再掲。東京で働いているだけではわからないことが、あたりまえだけどたくさんあるんだと実感させてくれます。
- 年収は「住むところ」で決まる
上半期の再掲。やっぱり素晴らしい。
年収は「住むところ」で決まる 雇用とイノベーションの都市経済学
- 作者: エンリコ・モレッティ,安田洋祐(解説),池村千秋
- 出版社/メーカー: プレジデント社
- 発売日: 2014/04/23
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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- 僕は数式で宇宙の美しさを伝えたい
自閉症の子供を持った母によるノンフィクション。
日常のできないことを克服することを目指す教育ではなく、本人が喜ぶこと・好きなことを中心に教えていくことですべてがうまく回りだす。
映画化もするらしいけど、ぜひ本として読んでいただきたいです。
好きなことを思う存分できる時間があれば、好きでないことにもいい集中力を持って向き合える
- 教養としての経済学
買いましょう!(ステマ)
- 坂の上の雲 & シャンタラム
毎年読み返すこの本たち。刺激的です。
- 作者: グレゴリー・デイヴィッドロバーツ,田口俊樹
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2011/10/28
- メディア: 文庫
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来年も、仕事と関係のない本を読む時間をうまいこと確保して行きたいと思います。
引き続き、どうぞよろしくお願いいたします。