ねずこん読書記録

小さな会社を経営しています。読んだ本について書き残していきますー

記録#308 『「サバを読む」の「サバ」の正体: NHK 気になることば (新潮文庫)』

 

「サバを読む」の「サバ」の正体: NHK 気になることば (新潮文庫)

「サバを読む」の「サバ」の正体: NHK 気になることば (新潮文庫)

 

 

感じたこと


  • 自分の第一言語が英語だったら日本語を学ぶのはスーパーハードだっただろうなと。複雑過ぎる。しかしその複雑性が魅力でもある。改めて言葉を学ぶ時間になりました。この本あまりに素敵。
  • 語源系のおはなしはどれ呼んでも面白い。個人的にはさかなの話がすき。

内容


  • 「丁」には、ちょど良い時期にあたって盛んである様、という意味があり、一丁やるか!などに使われる。銃を数えるときの丁はもともと挺だったが代わりに用いられるようになった。挺は真っ直ぐなものを数える時に用いる単位で、農具の鋤や鍬、三味線やバイオリン、そろばんも挺で数える。
  • 数字・三は不思議な数字。再三、という言葉に現れる通り「たびたび」という意味もあれば、三年=多くの年月という意味もあれば、三日天下のように短い期間を表すときもある。
  • 「仕事をサクサク片付ける」「さくっと食事に行く」のときの”さくさく”とは、連続する軽快で爽やかな感じのする音を表す語。もともとは水の流れをイメージしているとも。ネット時代になってから便利な言葉になったぞ。
  • 不具合という言葉が広がったのは昭和20年台の航空機産業で、その後車や電車、その後コンピュータや手続き・処理関係でも使われるようになった。故障や欠陥などの言葉のイメージを引きづらないように、しょうがないことなんですというニュアンスを伝えるように編み出された言葉。
  • 「朝っぱら」のぱら、元々は朝腹。朝食前の空腹を意味していたが、江戸時代にはこの意味が転じて、朝早い時間・早朝を意味するようになった。さらに転じて朝食前に食べるちょっとした食べ物や、物事が容易なこと、を意味するようになった
  • 圧倒的とは、他とはかけ離れて優れていること/他を全くしのいでいること、という意味。少ない、不便、不利などの状況に使う言葉としては本来適切ではない。同様に、指折り、屈指という言葉も同様。
  • 七夕はもともと「棚機」と書き、棚は神棚、機は機織りのこと。水の神を祀る民間信仰が、中国からやってきた七夕(しちせき)と結びついて現在の形に。
  • 傘をすぼめるは傘の広がりを小さくする動作、傘をつぼめるは開いていた傘を畳む動作のことをさす
  • 母のことをお母さんと呼ぶことの語源は、平安時代の上流社会の奥方が住んでいたのが寝殿造りの北の方角にあったため「北の方(きたのかた)」と呼ばれており、「おかたさま」と呼ぶようになったことがはじめ。おふくろと呼ぶのは「お金など大事なものを入れる袋」を取り仕切っていたことから。
  • 「さかな」は元々酒の肴のほうがはじめ。酒の肴のなかで最も美味だったものが「魚(うお)」だったことから、魚のことを「さかな」と呼ぶようになった。