ねずこん読書記録

小さな会社を経営しています。読んだ本について書き残していきますー

記録#290 『巨大投資銀行』

 

巨大投資銀行(上)

巨大投資銀行(上)

 

感じたこと


  • 最初読んだときは桂木さんに共感して、その後はソルトのかっこよさに惚れて、今は藤崎さんやロジャーに侠気を感じる。これだから読書は面白い。
  • 最前線の現場で戦う人はみな美しい。稼ごう。最前線で。

内容


  • 旧態依然とした日本の都市銀行を飛び出し、ウォール街の巨大投資銀行モルガン・スペンサーに転職した桂木英一。外資流のビジネスに翻弄されながらも、巨額のM&Aや証券引受で勝機をつかみ、一流のインベストメント・バンカーへと駆け上っていく。やがて、その運命は日本の金融再生と劇的に絡み合い、桂木は外資で培った手腕を邦銀再生のために捧げようと決意する…。日米企業間で繰り広げられる巨大買収劇の裏側、伝説のトレーダー・竜神宗一が仕掛ける巧妙な裁定取引アービトラージ)、ソロモンvs野村證券の息を呑む攻防戦……ヴェールに包まれた米系投資銀行の内幕を圧倒的なリアリティで描き切った金字塔。

引用メモ


「東野さん」  桂木が呼びかけた。 「もし、五年前に戻れたら、同じことをやりますか?」 「…………」 「わたしを産銀に呼んで、投資銀行本部を立ち上げますか?」  その問いに、東野の両目が強い光を帯びた。 「やるさ! やるとも。あなたを呼んで、まったく同じことをするよ」  白髪交じりの東野が青年のようにムキになっていった。  その答えに桂木は満足そうに笑みを浮かべる。 「わたしも同じことをします。産銀に行って投資銀行本部を立ち上げるため、全力を尽くします」  東野も柔らかな笑みを浮かべる。 「我々はやるべきことをやったんです」 「そうだね」  東野も満足そうな表情。 「この五年間を我々の一章として、今日閉じることにしましょう」  桂木の言葉に東野は頷いた。無言でビールのグラスを掲げる。  桂木も東野の目を見ながら、無言でグラスを掲げた。