ねずこん読書記録

小さな会社を経営しています。読んだ本について書き残していきますー

記録#281 『伝わる・揺さぶる! 文章を書く』

 

伝わる・揺さぶる!文章を書く (PHP新書)

伝わる・揺さぶる!文章を書く (PHP新書)

 

 

感じたこと


  • 魅力的な文章だった。「機能する文章」という表現に強く頷く。だいじ。
  • 書くことは考えること。課題を捉えて、相手の立場に立ち、自らの意思を明確にし、書く。そして伝える。続ける。こんなに刺激的なことがあるだろうかと。

内容


  • 働くために、生きるために、さまざまな必要や問題が生じ、そこに書く目的と読み手が生じる。状況に応じて、目的を果たすために、きちんと機能する文章の書き方を本書で紹介しようと思う。
     そういう文章なら、会社員も、先生も、学生も、子供も、ご隠居も、主婦も、実はたくさん書いている。メモ、張り紙、手紙、メール、ファクシミリ、議事録、小論文、連絡、誘い、企画、報告、相談、お願い、ラブレター、お詫び、募集、案内、宣伝、クレーム、注意などなど。それぞれに、読む人がおり、目指す結果がある。
     本書が目指す文章力のゴールは、1編の完成された文章をまとめ上げることではない。書くことによって、あなたの内面を発現することにも留まらない。あなたの書いたもので、読み手の心を動かし、状況を切り開き、望む結果を出すこと、それがゴールだ。
  • 意見と問いは呼応している。いい意見を出す人は、「問い」も深い。「問い」が 浅薄 だと、意見もそれなりになってしまう。
     多くの場合、問いは無意識の中にある。正体不明の違和感、ひっかかりを抱えて、ある日、ふと、自分が何に悩んでいたのかに気づくことがある。「問い」の正体がわかるだけで、ずいぶんすっきりする。
     だが、私たちは、「問い」を意識しないまま、意見を言ったり、書いたりすることの方が圧倒的に多い。
  • 自分の頭でものを考えるために、1つ、道具を持つことにしよう。考える道具は「?」の形をしている。そう、「問い」だ。
     自分で「問い」を立て、自分で「答え」を出す、さらに、その答えに、新しい問いを立てる。問い→答え→問い→答えを繰り返していくことで、考えは前に進む。 大きな問いに、いきなり答えを出そうとすると、考えるのがいやになってしまう。そこでまず、その問いを考えるために有効ないくつかの小さな「問い」を洗い出す。最初はいい問いが浮かんでこなくても、数を出していけば、徐々に慣れてきて、いい問いが立つようになる。洗い出した「問い」を選んだり、整理しながら、それぞれの問いについて、自問自答を繰り返す。これを、粘り強く繰り返していけば、自分の考えがはっきりする。

引用メモ


考えることは、もともと孤独で辛い作業だ。考えて、問題点がはっきりしたとしても、それは予想以上に厳しい現実かもしれない。例えば、想像以上の相手との距離、非力な自分の立場、これが自分かと疑うような本心に気づくことになるかもしれない。  しかし、それでも思考を前にすすめたとき、見えてくるのは、他のだれでもない「自分の意志」だ。  さらに、自分の意志を書き表わすことによって、人の心を動かし、望む状況を切り開いていけるとしたら、こんなに自由なことはない。本書を踏み台に、そういう自由をあなたに味わってほしい。