ねずこん読書記録

小さな会社を経営しています。読んだ本について書き残していきますー

記録#276 『勇気の心理学 アドラー超入門』

 

 

感じたこと


  • シンプルに纏まっている。嫌われる勇気、幸せになる勇気あたりを読んだ後に、まとめとして読むのが良さそう

内容


  • アドラー心理学では、「人間の悩みはすべて対人関係である」としている
    • 対人関係は以下4つの影響を受ける
      • 自分
      • 相手
      • 関係性
      • 環境
    • それぞれの要因の中で自分のみがコントロール下に置かれており、それを意識的に動かすのが最も即効性がある
  • ライフタスクとの向き合い方で、自分の現状の立ち位置を知る
    • 人生の指標として5つのライフタスクを想定
      • 仕事のタスク:社会の中で与えられた刺激のこと。学生の勉強や子供の遊びも含まれる。
      • 交友のタスク:周囲の人との対人関係を良好にすること
      • 愛のタスク:夫婦や親子などの家族関係やパートナーシップのこと
      • セルフタスク:自分自身との付き合い方や、受け入れること。健康や趣味、遊びなども含まれる。
      • スピリチュアルタスク:人間を超えた存在との付き合いのこと
    • どのタスクを今重視しているのかを明確にすること、すべてをパーフェクトにやろうとしない
  • 自分を変えていくときに、対象となるのがライフスタイル。その決定要因はあくまで自分自身
    • ライフスタイルには3つの要素が存在
      • 自己概念:自分をどういう人間だと思っているのか
      • 世界像:世の中の様々なことを「~である」と認識すること
      • 自己理想:自己概念、世界像について「こうありたい」「こうあってほしい」と感じていること
    • これらのライフスタイリに影響を与えるのは身体的な影響や劣等感、環境
    • ライフスタイルはあくまで自分自身で決めたものであって、身体性や家族はあくまで要素でしかない、という立場を取る
  • それぞれの課題を向き合うときに、前提となるのが勇気づけの概念。それを自己決定性、目的論、全体論、認知論、対人関係論といった理論を通じて共同体感覚に至る。それがアドラー心理学の要諦
    • 勇気づけとは、困難を克服する活力。それを持つ人は、自己受容をしており、リスク許容度が高く、感情コントロールが可能で、他者との関係は協力的であり、失敗や挫折を学習機会と捉える。この姿勢が困難に向き合う活力となる
      • 勇気づけは蛮勇とは異なる
      • リスクを引き受け、困難を克服する努力、協力できることが勇気の三要素。
      • 勇気づけの基本にあるのはお互いの信頼関係。他人の勇気づけができる人は、自分自身にも勇気づけできる。基本となるのはボディランゲージ。言葉だけではない
      • 褒めることは勇気づけとは異なる。人ではなく行為に対して、条件付きではなく無条件で、受ける側の関心で伝える。勇気づけしよう。
    • 自己決定性:自分の人生は自分自身で決定したものであり、トラウマなどは自分自身が作り上げたもの。未来は自分の手で変えられる。
    • 目的論:原因論を否定する。目的を設定し、現状とのギャップを埋めるために人は手段を探し、行動する
    • 全体論:心は矛盾しておらず全てつながっている。意識と無意識、理性と感情、心と身体、対立関係で捉えられそうなそれぞれの要素も、お互いに矛盾することなく、存在している。
    • 認知論:自分だけが感じる私的感覚を脱し、共通感覚に立脚する。その差分を見て、自分の意味付けの癖を知っておく
    • 対人関係論:相手と目的に寄って振る舞いが変わるのは自然のこと。個性ではなく、その人が対峙している相手や環境を踏まえて理解してあげる
  • 勇気づけを行うテクニックも実践していく
    • 感謝のブーメラン効果:感謝が良いスパイラルを生み出す。こちらが感謝を示せば、相手も感謝を感じてくれる
    • よい出し:ダメ出しでは成長は促せない、相手の適切な良い行動に目を向けて、言葉に出して伝えてあげる
    • 失敗の受け止め方:チャレンジの証、学習のチャンス、再出発の原動力、大きな目標へ取り組んだ勲章、次の成功の種。人に迷惑をかけたら、謝罪、原状回復、再発防止、の流れで
    • 課題の分離:自分がコントロールできることに集中する。相手の課題を相手の課題として割り切ること
    • I メッセージ:私は、私が、を主語にして相手を注意する。
  • 共同体感覚を持つことが幸福への道
    • 外部目的達成のために駆動するのが機能体で、それとは区別される存在、共同体
    • コミュニティに所属することで、所属感、安心感、信頼感、貢献感などを感じることを共同体感覚と呼ぶ
    • 良い人間関係を描くための工夫:相互尊敬、相互信頼、協力、共感、平等、寛容