記録#198 『先生、ちょっと人生相談いいですか?』瀬戸内寂聴さんが悩みを読み解く
人生相談の内容は、仏教が定める"四苦八苦"にほぼ当てはまっている気がする
そんなお話から始まる、瀬戸内寂聴さんと、詩人・伊藤比呂美さんの対話集。
仏教世界で基本となる四苦は、生老病死。
- 生:この世に生まれること
- 老:歳をとっていくこと
- 病:病にかかり痛みが出たり不自由になったりすること
- 死:最終的には無に帰すこと
そして更に
の4つを加えて、八苦がある。
宗教を離れて、市井の人たちから寄せられる悩み相談、人生相談も、大きく分けると↑の八苦のお話だと、お二方はいいます。
その人達にどんな武器をもたせてあげられるのか。
対話を読み解くに、過去自身の人生を不快苦しみの中で生きていらっしゃった二人は、結局は本人自身がその苦しみを癒やしていくしかないんだと、そうおっしゃっていたように読めました。周りの人は、本人が持つ自浄作用を支えてあげることにすべてを捧げること。古澤平作先生の例も出てきて、なるほどなと。
言葉の専門家二人だけに、素敵な言葉が溢れていました。
人を殺すことも盗むことも、悪いことよ、もちろん。
だけども、それをしなきゃならない人がいる。
それが人間の世の中だと思う。
(pp.23)
自分の悩みとは、自分自身が向き合わなきゃいけませんね。
誰も自分を幸せにしてはくれない、というポジティブな納得とともに。