記録#181 『鉄塾』中川礼二×原武史の鉄道論
「 鉄塾 」 ?関東VS関西 教えて!都市鉄道のなんでやねん?? (ヨシモトブックス)
- 作者: 中川家礼二,原武史
- 出版社/メーカー: ワニブックス
- 発売日: 2011/07/19
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
- クリック: 2回
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みんな大好き中川家・礼二さんと、明治学院大学教授・原武史先生のあつい鉄道論。
本編は3部構成で、
- お二人で近鉄・アーバンライナーに乗って名古屋→大阪を移動しながら、車窓から見える景色を丁寧に語っていく第一部
- 中川家・礼二さんの鉄道疑問について、歴史を紐解きながら原先生が答えていく第二部
- 関東と関西の私鉄を比較して、車両カラーや駅名、アナウンス、車内広告などについて語り合う第三部
と盛りだくさん。
まったく鉄分のない私ですが、引き込まれた本でした...!!
この本のコアにあるのが、関東と関西における私鉄の立ち位置の違い。
国鉄・JRを中心に発展し私鉄はあくまでその補完的な役割に甘んじた東京・関東に対して、関西は「お国なんか知るかい!」とばかりに私鉄が中心となって鉄道網が発展してきたとのこと。
日本で初めての私鉄・阪神は1905年に神戸-大阪間で営業を開始し、そのためにわざわざ技師をアメリカに派遣して技術を磨きました。現地で「線路幅は(当時の)国が定める1,067mmではなく1,435mmであるべきだ」として、その規定をあえて外すために鉄道ではなく路面電車として開業。ひっそりとしかし着実に沿線を広げていきます。
少し遅れて、阪急の前身である箕面有馬電気軌道も1907年に設立。阪神と同様まずは路面電車として営業を開始していたのですが、箕面-有馬温泉間をつなぐことを想起させる社名を「阪神急行鉄道」に変更し、沿線に温泉ランドや住宅地を造成することで人の動きを作り出していくことに成功。その中で生まれたのが、宝塚歌劇団だったりします。
さらには近鉄や京阪など、個性あふれる私鉄が並ぶ関西。一方で東京の私鉄は「関西のパクリやないか!」という感じで。東急も阪急のパクリで、相互乗入でろくなターミナル駅もなく、風景も面白くない、と。。。
いろんな発見がある本書。
- 阪急の創設者、小林一三は山梨県出身
- 自動改札が初めて導入されたのは阪急・北千里駅(1967年)
- パスネットカードを初めて導入したのも阪急(1989年)
- 宝塚歌劇団はもともと宝塚新温泉という健康ランドの余興担当チーム
- 梅田→神戸の移動速度は1936年の25分が最速で、いまはそれより遅い
- 三重県、都市にだいたい大学が設置されている
- 阪急京都線、もともと新京阪鉄道で、京阪が買収して、その後阪急が買い取って今の形になった
あつい鉄道愛が詰まった本書。おもしろかったー!
「 鉄塾 」 ?関東VS関西 教えて!都市鉄道のなんでやねん?? (ヨシモトブックス)
- 作者: 中川家礼二,原武史
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