記録#175 『職業、女流棋士』 香川愛生女流三段より。
注目が続く将棋界の中。「番長」の愛称で親しまれる香川愛生女流三段の著書が出ました。女流王将のタイトルを2期保持した一流の女流棋士です。
たまに「女性のプロ棋士=女流棋士じゃないの?」と言われたりしますが、棋士と女流棋士は、なるために必要なステップが異なります。そのあたりは、この本や、↓のマンガでぜひ読んでみてください。
15歳で女流棋士となりながら、棋士になるために奨励会にチャレンジしたり、大学に行ったり、様々な葛藤が本書でも描かれています。ぽんと出てくる、羽生竜王の姿勢に関する記述。
将棋に出会ってからというもの、どちらが強いか、価値観と価値観をぶつけることが全てだと考えてきました。でも実はそんなことはないと、羽生竜王の姿勢に習いました。棋士としても、人間としても尊敬している方のひとりです。対局中の険しい表情と、朗らかな一面を併せ持っていらっしゃり、過密なスケジュールの送られる中で「なるほど」「そうなんですか」とどなたにも耳を傾け優しく受け止める。将棋界の第一人者という立場は、私からは想像が及ばないほど抱えていらっしゃるものがあると思いますが、それでもしなやかな心でいられる柔軟さを見ると、自分の頑なさを反省せずにはいられません。
悲しみ喜ぶ自分を肯定し、心の豊かさと盤上の強さの両立を目指したい。
(pp. 203)
素敵だ、番長...!!