記録#167 『ミーティングのデザイン』ムダで退屈で苛立たしい打ち合わせからの脱却
ミーティングのデザイン エンジニア、デザイナー、マネージャーが知っておくべき会議設計・運営ガイド
- 作者: ケビン・M・ホフマン,安藤貴子
- 出版社/メーカー: ビー・エヌ・エヌ新社
- 発売日: 2018/09/25
- メディア: 単行本
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コンサルタントやプロジェクトリードとして働いている特性上、いろんな企業が主催するミーティングにおじゃますることになります。 ばりばりの機械製造、いけいけWebサービス、お固めSIer、ぱりっと製薬、業種は様々ですが、どの企業でも課題になっているのが「効率的な会議運営」です。
のように、より生産的な働き方を実現するための会議運営Tipsについては、同じ内容のことが延々と語られている気がします。そして、全く実行されない。
正直、この本の中で提案されている個別の手法は、↑で述べているような、なかなか実践されない・できないものにとどまっていると思います。しかし、タイトルに"デザイン"という言葉がある通り、そこには「会議の場を観察し、そこから示唆を得て改善していこう」ということを提示しているのが素敵だと感じました。ミーティングの成果を計測し、その成果が最大化されるように仕組みを変えていく。そして、会社の文化にも少しずつ影響を与えていく。そんな取り組みが必要なんだと、この本は訴えています。
アジェンダや資料を事前共有したって、その内容が意味不明だったらあまり意味はないし、会議のオーナーになっても結局意思決定できない管理職は多いし、中立的なファシリテーターは部署に紐付いた瞬間に色が付いてしまうし、「お前は会議に参加するな!」と強く言い切れるような会社員も多くない。
それでも、成果を生み出すために、観察と改善を重ねていこうとする姿勢はとても素敵だと思います。
個人的に参考になったのは、ファシリテーターがするべき質問として、
- 感情を明らかにする質問
- 動機を明らかにする質問
- 行動を明らかにする質問
- システムを明らかにする質問
を区別しているところ。これを意識すると、ワークショップや会議運営が変わりそうだな、と実感できました。
会議に悩む人は、謎のコンサルタントが書いた「会議をもっと効率的に!」とかいうペラペラな本を読むのではなく、こういう本を手に取りましょう。ゆっくりかもしれませんが、少しずつ働く環境・文化が良くなっていくはずです。
ミーティングのデザイン エンジニア、デザイナー、マネージャーが知っておくべき会議設計・運営ガイド
- 作者: ケビン・M・ホフマン,安藤貴子
- 出版社/メーカー: ビー・エヌ・エヌ新社
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