記録#115 『日日是好日 「お茶」が教えてくれた15のしあわせ』 身体に委ね"いま"を生きるために
学生のときの友人から、「ぜったい好きだから」と手渡された本。
日日是好日―「お茶」が教えてくれた15のしあわせ (新潮文庫)
- 作者: 森下典子
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2008/10/28
- メディア: 文庫
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副題にある通り、テーマはお茶。自宅でさっといれる煎茶ではなく、点てるお茶。20歳のときにふとしたきっかけでお茶を初めて以来、毎週土曜日の午後、森下さんはお茶の先生のところに通う。その中で感じる自然の変化、環境の変化、自身の変化、そんなことがこの本の中で語られています。
章立てがそのまま、お茶を通じた気づき・幸せのお話。
- 第1章:お茶の型を習い、掛け軸や茶器を愛でる中で、自身がなにも知らないということに気付く。「まだまだできないことがあるということを知ること、認識する」
- 第2章:お茶の点て方をメモして頭に刻みつけるようなことはせず、身体に感じさせ、自然な動作でできるようにまで高めていく。「頭で考えようとしない」
- 第3章:人生の節目で将来が不安になったり、周囲が気になったり心を振り払う。「今、に気持ちを集中すること」
- 第7章:夏には夏の雨が、秋には秋の雨がある。庭からの音を聞き、香りを感じ、五感全てで季節・自然を受けとめる。「五感で自然とつながること」
- 第10章:人には人の生きかた・ペースがある。他の人に惑わされるな。「このままでよい、ということ」
- 第14章:すぐにわからないこともある。コップから水があふれるように突然一気に分かるようになることもある、そこまで継続してこそ。「成長をまつこと」
他の本で読んできた、仏の心に通じるものがあると感じます。
自分の身体性を信じること、いまに集中すること、理解を相手に委ねること、変化を恐れないこと。
友人が私に勧めてくれた理由も分かる気がします。内向性が高く周りに影響されやすい私だからこそ、周囲を五感で感じ、受け止め、しかし自然の風を受け流す木々のように生きていくことを大切にしたいなと思いました。
良い本。
日日是好日―「お茶」が教えてくれた15のしあわせ (新潮文庫)
- 作者: 森下典子
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