ねずこん読書記録

小さな会社を経営しています。読んだ本について書き残していきますー

記録#77 『京都を知る100章(別冊太陽)』人を惹きつける何かが、京都にある。

千年王都・京都。関西に居を構えるからには、少しは触れておかなきゃ。 

京都を知る100章 (別冊太陽スペシャル)

京都を知る100章 (別冊太陽スペシャル)

 

 自社や文化の歴史から、クラフトや洋食、パンのようないまっぽいもの、しまつやもてなしなどの所作まで、京都を感じる100のこと。

  • 第1章は伊藤若冲。2016年にあった生誕300年記念の若冲展、混みすぎていて行けなかった思い出が...。家督を引き継ぎ青物問屋をやり、40を過ぎてから画事に専念した若冲は、懐の深い水墨画から、50歳を過ぎてからは着色画の世界を広げていく。この本の中で紹介されている水墨画果蔬涅槃図も素晴らしいタッチ。ぜひ直接みたい。
  • 第13章は富岡鉄斎。京都の一般家庭にその絵を好んでいたかというとそうでもない。それでも、扁額はまちなかの書店や宿屋、料亭に置かれている。街のお店の折り箱の掛け紙のための絵を書くときなど、高いお金をせしめるだけではなく、さっと書いてしまう。街と共に生きるその姿勢、素敵。
  • 第15章からの臨済禅の巨刹。室町幕府の影響を強く引き継ぐ南禅寺天龍寺相国寺建仁寺東福寺万寿寺などの五山と、在野的な存在感を放つ大徳寺妙心寺。学のない私はお庭がきれいなお寺や有名なお寺にすぐ行ってしまいますが、歴史と文化を噛み締めて、お寺に行くのはもっともっと素敵なんだろうなと思います。やろう。
  • 第35章はうどん。九条ネギをたっぷり載せて、生姜のちょこんと。寒い冬にはたまらないメニュー。紹介されているのは祇園界隈の萬屋さん、四条切通しを上がった権兵衛、つぎに京都行ったときには必ず行こう。
  • 第36章はおばんざい。無駄や贅沢を慎み、京野菜やお豆腐などを「始末して」作る食事。それがおばんざい。好き。
  • まだまだ書きたいけど、文章がどんどん長くなってしまいそうなので章のテーマだけ。後に続くのは、ぶぶづけ、古今和歌集、現代建築、御霊信仰、喫茶店、京焼、町家、京料理(この章は特に面白かった)、金属工芸祇園祭、水、仕出し、老舗、しまつ、もてなし、木工芸、禅庭、などなど。

各章を、各章の専門家・有識者が書くという、広がりと深みがある構図。

魅力的な京都を再発見できました。素晴らしい本、おすすめです。 

京都を知る100章 (別冊太陽スペシャル)

京都を知る100章 (別冊太陽スペシャル)