ねずこん読書記録

小さな会社を経営しています。読んだ本について書き残していきますー

記録#68 『フリーランスぶるーす』

小説です。 

フリーランスぶるーす

フリーランスぶるーす

 

主人公は中林健太。大学を卒業して30歳までアルバイトなどで働いていたものの、愛犬がなくなったのを期に、広告制作会社の正社員として働き始め、ずっと憧れていた業界人に。雑誌の企画や街の再開発までいろんなプロジェクトに関わるものの、自分の手柄を持っていってしまった社長に不信感を持って退社、フリーランスとなります。

そのあとは、全然うまくいかない。2年ほど取り組んだコピーライティングやストーリー作りのスキルを生かした仕事を探すが、あるのはAV関連の仕事ばかり。

しかし、正社員として最初の仕事を一緒に行っていた女優を目指すゆうなとAV撮影の現場で一緒になったことをきっかけに、少しずつ仕事が上向いていきます。

僕にあるものは少しばかりの経験だけだ。そのほとんどが、苦く、しょっぱく、失敗と呼ばれるものである。これもダメ、あれもダメと、ダメダメを繰り返すうちに、いつしか失敗の本質に気付かされ、昨日よりも質の高い失敗が希望へとつないでくれた。失敗とは成功を目指してこそ生まれる人生の教材だ。蓄積された失敗はライブラリーとなり、同じ失敗を繰り返さないという教訓がぬかるんだ人生に楔を入れる。強がりを言わせてもらえば、ラッキーで掴んだ成功よりも失敗から学んだ課題にこそ価値がある。

(pp.284)

主人公の経歴、ストーリーは、著者・栗山さんと重複するところが多くあります。

半自伝的小説でしょうか。さっと読める、いい本でした。

フリーランスぶるーす

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