記録#47 『発達障害の僕が「食える人」に変わったすごい仕事術』
Twitterの有名人、借金玉(@syakkin_dama)さん。
はてなブログも好きで良く拝見してます。
そんな借金玉さんが出版した、発達障害の方向けのライフハック術の本がこちらです。
私自身はADHDでもASDでもなく、ただ内向性がとても高いHSP(Highly Sensitive Person)なだけなんですが、参考になることばかりでした。
仕事術
第1章、まずカバンの選び方から始まったところに驚きました。それくらい、どんなツールを使うか(人間の頭に頼らないか)が大切、ということなんだと思います。
- とにかく一箇所に集約すること(カバン、手帳、片付け箱、アイデアシート)
- 突っ込んだ中身は一覧できるように。「見えない=存在しない」ということ
- その中身に対してすぐにアクセスできる・取り出せること
上の3つ、「集約化」「一覧性」「一手アクセス」は、借金玉さんが仕事をする上で通底するテーマ・コンセプト何だと感じました。
それを徹底するためのカバン選定、バインダーを活用した仕事術、手帳の活用法、印鑑の準備、素晴らしいと感じました。
本書の中で紹介されていた神棚ハックはさっそく実践しようと思っています。
人間関係
大きくポイントは2つ。
- 所属するコミュニティの掟を理解し原則従おう
- 相手を気持ちよくさせる「見えない通貨」を気前よく支払おう(挨拶、褒めること、メンツを立てること)
会社や組織には必ずくだらない、無駄だと思うことがあって(私もよくある)、でもそれにいちいち腹を立てていてもしょうがないし損。なら、まず掟を理解して、自分の負担にならない範囲で掟を守ってますよってことを伝えよう、と。
さらに、挨拶だったり相手のメンツを立てるってことは、こちらから相手に「見えない通貨」を支払うことだと。これをすることで、後々のやり取りがスムーズに行ったり。
この「見えない通貨」というコンセプト、すごく好きになりました。この通貨、ただだし。どんどん支払っていこうと思います。
生活習慣・依存
この章は、発達障害の方の辛さを追体験するような、読んでいて苦しくなる部分でした。
- どうやって薬を飲み忘れないか
- それぞれの薬の使用感はどうか
- お酒とどう向き合うか
周りにこんな人がいるのかも、と思うと、自分になにかできることがあるんじゃないか、読みながらそんなことを考えていました。
全然話は違いますが、本文で紹介されていたお香と作業用タイマーさっそくAmazonで買いました。
おわりに
ライフハックとは別に、いくつか本当に素敵だな文章がありました。下に引用しておきます。
人生において最も重要なスケジュールとは何でしょう。我々の人生に絶対に欠かすことのできないタスク。生きるために最も必要なもの。手帳のスケジュール欄に一番先に書き込んで確保すべき予定は何なのか。
これはもう本当に明確で、「休養」だと思います。休まなければ人は死にます。そして、「休む」というタスクの実行はあらゆるタスクの中で最も容易だと言えます。「何もしない」という最優先タスクから予定を考えていくことが一番重要、という結論に僕は達しました。
(Kindle位置:848)
世界は「人生ハイスコア自慢」で満ちています。新聞も、テレビもインターネットも、人生ハイスコア自慢だらけです。まるで、ハイスコアを出すことが人生の目的みたいな気がしてきます。 そんなことはありませんよ。あなたの人生を生きましょう。
ツイッターで僕のフォロワーが教えてくれた素敵な言葉を置いておきます。
「表彰台が全部埋まっていても、自分のレースを走り切ろうと思います」
(Kindle位置:2331)
繰り返し述べているように、 生存は全てに優先します。逃げていいし休んでいいのです。
努力なんてものは、やりたいときにやるべき環境が整っていたらやればいいことです。また、現在二次障害を患っている皆さん、どうか焦りすぎることなく心と身体を回復させることを優先してください。これだけ精神の疾患を患う人が増え、社会的にも知られるようになった現在でも、「うつは甘え」というあの言葉に集約される考え方を持っている人はいます。どうか、そういった言葉を真正面から受け止めず、自分の心を守っていってください。 (Kindle位置:1970)
自分の大切な人が毎日心穏やかに、元気に生きていけるように、 私も頑張っていこうと思いました。
素晴らしい本です。