記録#28 『これからは、生き方が働き方になっていく』内容はさておき。
Mistletoeでスタートアップ投資のディレクターを務める鈴木絵里子さんの初の著書。
Amazonでの本の紹介はこんな感じ。
楽しいのが一番だから、ワークライフバランスはもう考えない。好きなことを仕事にして、仲間やパートナーとコミュニティを作り、自分の多面性をさらけ出す。セクハラにもNOと言う。
ミレニアル女子の今と未来。
(「Book」データベースより)
現在を「時代の大きな転換期」と捉え、AIやロボティクスなどのテクノロジーを基盤にした社会変革が進む中で、自信・つながり・コミュニティ化の3つの要素を持って、未来に対してワクワクしながら行きていこう、といった趣旨でした。
個別には、
- 自分の好きなことを探ってそれを仕事に
- 過去の学びのUnlearnと柔軟な学び、PDCAの代わりとしてOODAの実践
- 土壇場では生き物として備わっている内なる声に従う
- 家族も一つのコミュニティ、↑の学びを家庭でも活かす
って感じでしょうか。
著者の鈴木さんは、ご自身でフェミニストを自称していらっしゃいます。文中でも、ご自身が男性上司とした辛かったコミュニケーションや男性社会で行きていくことの生きづらさについての記述がちょくちょく書かれています。
読みながら、ピーター・ティールが最近の米国政治について語った、下の言葉を思い出しました。
ティールはこうも言う。
「僕は、選挙が現状を改善してくれるとはあまり期待していません」
彼によれば、政事は多くの領域に介入しすぎている。ソフトドラッグを使うと捕まるのに、なぜ経営能力のない「無思慮」な金融機関を、自分たちの税金で救済しなければいけないのかわからない、というのだ。
「政治は人々をいきり立たせ、人どうしの結びつきを破壊し、人々のビジョンを二極化します。『われわれの世界』と『あいつらの世界』、『善人』と『悪人』という対立です」
(『ピーター・ティール 世界を手にした「反逆の起業家」の野望』 p217)
政治っぽい表現が苦手です。そんなに対立を煽ってなにかいいことがあるんだろうか、と思ったりします。
多様性や多面性を伝えようとする人やメディアがつかう「われわれ」と「あいつら」的な表現を見るたびに、わたしは少しずつがっかりして、かつその言説が社会に広がるのを見ると、 害悪であるとさえ思うわけです。