たなかの読書記録

30歳くらいの男が、読んでよかったなぁと思う本を紹介していきます。

記録#18 『どこでも誰とでも働ける』 フラット・リンク・シェアの時代に

ITビジネスの原理』や『ザ・プラットフォーム―IT企業はなぜ世界を変えるのか?』『モチベーション革命』なんかを書かれている尾原さんの新著。 

これらの本をKindle Limitedに提供していたり、Twitterでどんどん発信したり、今っぽい仕事との向き合い方をされてる人だなぁと思って拝見していました。

これからの社会の指針、そこでの働き方

尾原さんが考えるこれからの社会。それは、インターネットによって実現されるフラット×リンク×シェアがトレンドになるはずだ、と。

世界がインターネット化することによる影響は無数にありますが、個人の働き方は、多くの人や企業と対等(フラット) の関係でつながり(リンク)、知識や成果を分け合う(シェア) 形に進むことになるでしょう。むしろ、そうした働き方に適合する人でなければ、ビジネスの輪の中にいることができなくなっていくはず(Kindle位置:75) 

 一つ前の記事で取り上げたサイボウズ・青野さんの本にもある通り、会社という単位によらず働く人が増えていくだろう社会において、フラットな関係を築き、能動的にリンクして/させて、シェアすることをためらわない、そんな人がビジネスの中心になるだろうと、私も思います。

そのために必要なマインドセットや方法論がばばーっと書いてある本です。

働く上でのマインドセット

自分からまずオープンに、抱えない

自分自身が持っている知識や経験、つながりなんかをクローズド・丸抱えにしないこと。これは、

  • 自身がまずオープンにすることによる相手からの信頼の意味合いが大きくなること
  • オープンにすることによって、自分自身の旗を立てる・ブランドを立てる効果があること

という意味合い。

さらに、困っていることもどんどんオープンにしよう、というメッセージもありました。

ぼくが新人のときによく言われたのは、「自分で全部やるよりも先輩の力を借りたほうが時間も短縮されるし、結果的にコストも安くなるということなら、ためらわずに聞きに行け」ということ (Kindle位置:621)

 私も新卒のときに同じことをたくさん言われました。今でもよく偉い人に聞きに行くし、一方で人に頼られたときにはできるだけ答えようとも思っています。助け合い。

Planから始まるPDCA、ではなくDから始まるDCDCDC...PA

とにかくどんどん実行してみて後から軌道修正をはかる。スタートアップではある種の常識です。

一方でお客さんのところに行くと、まだまだ「計画は?」「見通しは?」から始まるPDCAです*1

成果物が紙だったり物理ハードなんかだと、Pの部分はものすごく大切で、なぜならやり直し・修正のコストが大きいから*2。一方でインターネット上のコンテンツなんかは比較的修正が容易です。

自分の目の前の仕事やキャリアはどうなのか。やり直しコストがむちゃくちゃ大きいのか、修正が効くものなのか。私は、ほとんどの物事は修正コストが小さく、まずやってみちゃったほうがいいと思っています。その見極めができるようになるといいなと思います。

先に行動ありきで何度も試行錯誤を重ねるDCPAサイクルも、コンピュータの処理能力をフル活用した確率論的なアプローチも、インターネットととても相性のよいやり方です。
それと対極にあるのが、プロダクトやサービスを通じて自分たちのこだわりや価値観を提案していく従来型のアプローチです。 この2つの違いは、そのままウェブメディアと紙の雑誌の違いに当てはまります。一長一短ありますが、どちらも必要というのがぼくの考えです(Kindle位置:483)

"ハッカー"になる

解く価値のある課題に対して、まっすぐに取組む人になること。

↓にあるような、これからの時代に活躍する人は少なからずハッカーである、というのはすっと自分に入ってきた内容です。

取り組む価値のある、難易度の高い〝いい課題〟を発見すると、
「おもしろそう! 一緒に解かせてよ」
と仲間がワラワラ集まってきて、世の中を変える解決策を生み出していく。それがハッカーたちの文化なのです。

リナックスLinux) をつくったリーナス・トーバルズのような大物ハッカーも、別に世界をよくするためにやっているわけではないと思います。単に自分の技量の中で挑戦できる最高の課題を、最高のチームでできることが楽しくてやっているのでしょう。それは、彼の本の原題が『Just for Fun』(『それがぼくには楽しかったから』 小学館プロダクション) であることからもわかります。

「自分の〝好き〟をとことん突き詰める」という意味でも、課題を発見するという意味でも、AI時代に活躍できる人というのは、少なからずハッカー的な要素をもった人なのではないか(Kindle位置:1,795)

 

こんな感じで、事例を用いながら、これからの社会で価値を出していくための働き方・マインドセットを紹介してくれています。

おわりに

内容にもすごく共感できたんですが、巻末にあったこの引用がとても素敵でした。

 

謙虚とは、自賛の反対であるとともに、卑下の反対でもある。謙虚とは自己を他と比較せぬということに存する。自己は一個の実在であるがゆえに泰然自若として、他の何物ないしは何者よりも、優れてもおらず、劣ってもおらず、大きくもなく、小さくもないのである」ダグ・ハマーショルドKindle位置:2,119) 

しっかり読んでも2時間くらいで頭に入ってきます。ぜひぜひ読んでみて下さい:-)

どこでも誰とでも働ける――12の会社で学んだ“これから

どこでも誰とでも働ける――12の会社で学んだ“これから"の仕事と転職のルール

 

 

*1:なんならPPPPPPPPPPP.....だったりします。

*2:今まさに取り組んでいる医療業界も、修正のコストが大きい業界の一例。死んでしまったら終わり。だからプロダクトの進化スピードが遅いのでは(気軽に試せない)という仮説