たなかの読書記録

30歳くらいの男が、読んでよかったなぁと思う本を紹介していきます。

記録#16『強いチームはオフィスを離れる』いい仕事をするためにオフィスは必要なのか

最近は働き方の多様化についていろんなところで議論がされていて、そのテーマの一つにリモートワークがあります。

日本で最初にテレワークが盛り上がった2000年代前半には企業単位でのリモートワーク導入率は20%近くまで高まりましたが、最近は10%程度まで落ち着いて着ているようです。*1

その理由としては、

  • セキュリティに不安がある
  • 社内コミュニケーションが不調になる
  • 柔軟・スピーディな連絡が取りにくい

などの課題が挙げられているようです。

私はリモートワーク推進派、PCとモバイルWifi片手にお外で仕事をしたりしています。下の記述に首がもげるぐらいうなずく。

なぜ会社にいると仕事ができないのか  本当に集中して仕事がしたいとき、あなたはどこへ行くだろう?  まわりの人間に、そうたずねてみてほしい。「会社」と答える人は、ほとんどいないはずだ。(Kindle位置:84) 

 

色んな人に話を聞くと、リモートワークはシステムの問題ではなく、人材・チームの質の問題だと感じます。

  • セキュリティに不安がある ⇨ ICTとしてのセキュリティはオフィスでもリモートでも一緒。結局社員の意識、会社の文化。
  • 社内コミュニケーションが不調になる ⇨ 質の高いコミュニケーションができる人をとり、チームを作る。
  • 柔軟・スピーディな連絡が取りにくい ⇨ 突発的な連絡を取らなくてもいい制度づくり、それでも付加価値を埋める個人・チームの育成

この本を読んで、その思いを新たにしました。

グローバル×多拠点で大成功を収めた37 Signals

37 Signals(現・Basecamp)はシカゴに本拠地を置くWebアプリケーションの開発会社。代表的な製品はプロジェクト管理ツールのBasecampで、現在はオープンソースとなっているプログラミングフレームワークRuby on Railsは元々この37 Signals向け開発されたものだったとのこと。

この会社の思想は明確で、

  • 個々人の能力が最大限発揮される環境・時間帯で働いてもらおう
  • チームの連携は必要なツールでできるよね、対面じゃないとできないようなレベルの低い人は採用しません

ということだと感じました。素晴らしい。

部下が信用できないなら、それは人材採用が正しくできていない証拠です。
成果のだせない社員や、自分の作業スケジュールを管理できない社員は、会社に必要ありません。それだけの話です。我々はスキルの高いプロフェッショナルだけを採用します。
自分のスケジュールを管理し、組織に貢献できる人間だけが生き残ります。
わざわざ会社で子守りをする余裕はありません(Kindle位置:385) 

危機対策としてのリモートワーク

 地震などの自然災害、突然の社員の退職、様々な事業の継続リスクがあるなかで、オフィス勤務にこだわるのはそのようなリスクに対して脆弱性を持ち続けることだ、とも指摘しています。

システムの世界には、SPOF(Single Point of Failure)という言葉がある。
その部分が壊れたらシステム全体が止まってしまうような、致命的な弱点を指す言葉だ。システムの信頼性を高めるには、SPOFを事前に発見して取り除くことが重要になってくる。
どんなに頑丈なものも、いつかは壊れる。だからその部分が壊れてもいいように、バックアップを用意しなくてはならない。ひとつが壊れたとたんにすべてが終わるようでは、あまりにも危険すぎるからだ。
社員全員を毎日オフィスに来させるのは、会社にとってのSPOFだ。(Kindle位置:772) 

社員全員にオフィス勤務を義務付けると、

  • 地方に住んでいる優秀な能力を持つ人間を採用できない
  • 社員の家族に変化があったときに退職をされてしまう 

などなどの問題が起きることが想定されます。SPOFを排除するためのリモートワーク導入、なるほどでした。 

生産性を高めるTipsいろいろ

社員に力を発揮してもらうためのリモートワークですが、それ以外の要素についても考えつくされているなと思いました。

  • ミーティングは料理の塩のようなもの。メインの素材(仕事)があってそこに少し加えるくらいがちょうどいい
  • 仕事以外の趣味を持っている人を雇う。燃え尽きを防ぐ
  • 1日4時間はコアタイムを作ってコミュニケーションを生む
  • それぞれの顔ではなくスクリーンを共有しながらミーティングをする。コミュニケーションの具体度が上がる

早速参考にしたい内容がたっぷりでした。

 

この会社が以前出している『小さなチーム 大きな仕事』もおすすめです。こちらも合わせてぜひ。

小さなチーム、大きな仕事 働き方の新しいスタンダード (ハヤカワ文庫NF)

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強いチームはオフィスを捨てる: 37シグナルズが考える「働き方革命」

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*1:正確には、テレワークの導入率。情報通信白書より