記録#265 『棋士と哲学者 僕らの哲学的対話』
感じたこと
- 勝負というものをどう捉えるか。糸谷先生の勝負哲学は、勝利を個々人としてどう捉えるか、それと向き合う必要があるということ。眼前の対局を考えるのか、棋戦全体を考えるのか、1年で考えるのか、棋士人生で考えるのか、それとも将棋を超えて考えるのか。
- 論争や勝負を、勝ち負けを決するものとしてのみ捉えるのではなく、お互いにさらなる高みを目指すための場として捉え直すことができるかどうか。
- 保守・リベラルの政治も、そこかしこで起きている対立も、勝負としてあまりに稚拙に見える。党派に縛られ、中途半端な客観性に縛られ、自身の視点をなくしていく。それでいいんだろうかと。大きな物語がなくなったときに中間的な組織を無意識に求めるこころがそこにある
- 糸谷先生が徹底して個人、人権というものを起点にして物事と向き合っていく原理主義者的な側面があるの、とても好きだと思ったです。同い年ながら、一線で戦ってきた、まさに勝負師。自分もそうなりたいところだ。。
記録#264 『Measure What Matters 伝説のベンチャー投資家がGoogleに教えた成功手法 OKR』
Measure What Matters 伝説のベンチャー投資家がGoogleに教えた成功手法 OKR (メジャー・ホワット・マターズ)
- 作者: ジョン・ドーア,ラリー・ペイジ,土方奈美
- 出版社/メーカー: 日本経済新聞出版社
- 発売日: 2018/10/16
- メディア: 単行本
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感じたこと
- GoogleのRe:WorkのOKRに関するページはとってもよくまとまっているなと実感
- Objectiveをどんな具体度で記載するかは実践するときにけっこう困っていて、このあたりコーチングをしてくれる人がいると最高にありがたい...
- OKR管理のためのSaaSっぽいプロダクトがポコポコ出てきているので、どこかで一度試したい
- 自分の会社はまだまだ数名の組織だけど、ステークホルダー向けの意味も含めて、OKRを明確に準備しておきたい
内容
- 健全なOKR文化の本質:徹底的な知的誠実さ、利己心の排除、チームへの完全な忠誠
- OKRの要諦とは
- 絞り込む:1サイクルあたりの目標は3~5個に。一握りの目標に厳選することで、何にイエス/ノーと言うべきかが明確になる
- 目標はボトムアップで:すべてがトップダウンになると意欲は削がれてしまう。OKRのほぼ半分は、相談しながら個々人に決めてもらうようにする。
- 押し付けない:協力的な合意形成が不可欠。OKRはあくまで協力的な社会契約。
- 常に柔軟な姿勢で。事業環境が変化したときには、サイクルの途中でKRを修正したり捨てることを厭わない。
- 失敗を恐れない:すぐに届かない目標を目指すとき、組織は伸びる。野心的OKRは困難で達成できない可能性もあるものにするべき。
- 手段であって、武器ではない:OKRと人事評価は切り離す。
- 辛抱強く、決然と:OKRをうまく回せるためには、4~5四半期必要になるかもしれない。組織にOKR筋肉がつくまでじっくりと続けていく
- 第一歩目の問いは「これからの~ヶ月でいちばん重要なことはなにか?」「我々は何にエネルギーをフォーカスするべきか?」
- 主要な成果は身近でかつ成果と結びついたものに。簡潔で、具体的で、測定可能で、アウトプットとインプットが組み合わさったものであり、それらの達成が必ず目標(Objective)の達成に結びつくものに
- OKRはただ設定するだけではなく、フォーカスが明確になった透明性の高いOKRを通じて組織のアラインメントを図ることが重要になる
- OKRを実践するためには、勤務評定のような固定的なシステムではなく、継続的パフォーマンス管理を導入し、その実践としてCFRを行う
- 対話(Conversation):パフォーマンス工場を目的に、マネージャーとコントリビューターの間で行われる真摯で深みのある意見交換
- フィードバック(Feedback):プロセスを評価し、将来の改善につなげるための、同僚との双方向あるいはネットワーク型のコミュニケーション
- 承認(Recognition):大小様々な貢献に対して、然るべき故人に感謝を伝える
- CFRもOKRと同様、組織のあらゆる階層での透明性、責任、エンパワーメント、チームワークを大切にする
- CFRもOKR同様、評価や報酬とは切り離されて運用される。コーチングと密接に結びつき、結果よりもプロセスに着目し、事実をベースにしたコミュニケーションが中心となる
引用メモ
ダメ会社は危機で潰れる。良い会社は危機を乗り切る。最高の会社は危機を糧にする
うんざりするほど繰り返してようやく、みんなが耳を傾けるようになる。
勝利する組織は、少ない矢を全身全霊で射つ
記録#263 『禅のこころを描く 白隠』
感じたこと
内容
記録#262 『縁起のよいデザイン ロゴや広告、めでたさのあるグラフィック集』
縁起のよいデザイン ロゴや広告、めでたさのあるグラフィック集
- 作者: フレア,グラフィック社編集部
- 出版社/メーカー: グラフィック社
- 発売日: 2017/09/08
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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感じたこと
- 海外のデザインロゴとかグラフィック集を見ると「わからん」ということがたくさんあるけど、この本に出てくる「日本的縁起の良いデザイン」の数々、しっくり来る、、、やっぱり私は日本の文化で育ってきたんだなぁ
- 扱う柄、動物、植物、数字、色、、、全てに縁起やメッセージがある。こういうこだわりを大切にしていきたいです。
内容
- (グラフィックなので割愛)
- 全般とてもしっくり来て素敵...
記録#261 『将棋「初段になれるかな」会議』
感じたこと
- わかりやすい!初心者として何を大切にすべきか、何は捨ててもよいのか、明確になりました。
- 目指せ、アマ3段!
内容
- プロの将棋を真似すれば強くなれる、とはいかない場合もたくさんある
- 最近のプロの将棋では玉を囲わない将棋も多く見られるが、級位者(初段未満)にはハードルが高い
- トッププロの多くは居飛車で戦うが、級位者にとっては飛車の側と角の側両方をケアしなくてはいけなくて難しい
- 将棋の格言も、級位者が実践してもむしろ逆効果になってしまうものも
- 「攻めの基本は飛車角銀桂」⇨桂馬を急いではねてしまい、逆に狙われる
- 「三桂あって詰まぬことなし」⇨つまないこと普通にある
- 「美濃囲いよりも銀冠」⇨1七、9七の地点をうまく使い、相手に渡してはいけない駒の計算ができないと固さを実感しにくい
- 級位者向けの10の格言
- 自陣は攻めと守りにわけよ:玉を主体とした守りのゾーンと、飛車を主体にした攻めのゾーンを分ける
- 玉の囲いは金銀3枚:しっかり守る!
- 攻めの順は歩⇨銀⇨大駒⇨最後に桂:桂馬を使うのは最後!
- 馬は自陣で使え:敵陣で活躍できていない場合がよく見られる
- 敵陣の龍は無駄に動くべからず:ただじっと。角のラインにご用心
- 飛車の二枚替えにはご用心:プロのようにはいかない。飛車の価値は高い
- 王手より詰めろ:王手は追う手
- 一歩千金:自分の損がそのまま相手の得になる将棋。
- 常に「と金」を考えよ:と金の遅早
- 底歩は堅し
- 詰みの形を覚える:詰将棋は解くだけではなく、答えを覚えるもの
- 基本となるのは頭金と腹金
- その後に肩金と尻金
- さらには飛車や桂馬を使った詰め方も
- なって詰む形。歩成や角成などなど
- 駒を取って詰む、一間龍なども扱えると更にレベルアップ
- 詰みを読むためには技をかけることが必要になることが多い。まずは詰めろから。
- かつ、安い駒を使った詰めろなど、筋のよい詰めろを書けることができるようになるのが初段への道
- 手筋:明確には定義されていないが「小さな投資で確実なリターンが見込めるテクニック」を指す
- 垂歩:次が厳しくなる歩
- 継歩:技を仕掛けるための事前準備の歩
- 連打の歩:大駒などに対して仕掛けていく歩
- 継ぎ桂
- 割り打ちの銀
- 銀ばさみ:歩でとりにいく
- 次の一手などなど、いよいよ頑張って考える!形勢判断がつかないときには、攻め急がないように
記録#260 『日本が生んだ偉大なる経営イノベーター 小林一三』
感じたこと
- さすがの迫力。関西の/日本の中産階級を生み出したと言っても過言ではない、社会事変革したイノベーター・小林一三さん。偉大だ。
- 小林さんの事業の進め方として、まず観察することからはじめ、その後に計算をし、後は強烈に実行していく。当にスタートアップだと。
- 阪急電鉄、阪急デパート、宝塚歌劇団、沿線の不動産開発、映画の東宝、阪急ブレーブス、東京電燈など、多くの事業に通底する「日本の中流階級を育て近代的な社会を建設する」というビジョン。壮大な起業家だ。
- 著者の方の、ちょこちょこ挟まれる「いうまでもなく~である」「~については原著をあたってほしい」「読者の方は混乱されるかもしれないが」のような表現は若手読者には辛いです。笑
内容
- 甲州・山梨出身で、慶應義塾大学に進学。
- 卒業後三井銀行に就職し、閑職に追いやられながらも様々な機会を求め、15年勤務の後に、倒産間近の鉄道会社に転職
- 転職先の代表として銀行と交渉。株式を買い取り、オーナー社長に。
- 神戸方面の鉄道を買収・吸収して、阪急電鉄の礎を築く。
- ただし、鉄道を基軸にするのではなく、沿線の不動産・街の開発を行うことを主眼として事業展開。
- 街や住宅、娯楽などを通じて、事業基盤をどんどん拡大。鉄道などで生み出した人の流れを強みとして、次の事業へと進んでいく。
- 関西で事業基盤を築いた後に、東急の監査役や東京電燈の代表としてさらに活躍することで、全国的な知名度を得る
- 背景にあった、拡大していく人口を前提とした将来ビジョン。すごい。将来が見えている。
記録#259 『新しい文章力の教室 苦手を得意に変えるナタリー式トレーニング』
新しい文章力の教室 苦手を得意に変えるナタリー式トレーニング できるビジネスシリーズ
- 作者: 唐木元
- 出版社/メーカー: インプレス
- 発売日: 2015/08/07
- メディア: Kindle版
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感じたこと
- 良い提案書や議論資料を作るときのコツと一緒だなと。
- メッセージと骨子を固める
- 言葉をクリスタライズして書く。
- 意味だけではなく、目でも耳でも心地よいビジュアルにする
- ライターさんには尊敬するばかり。素敵な言葉を紡げるようになりたい。
内容
- 良い文章とはなにか、様々定義はあるものの、まずは「完読」を目指すのでどうか
- そのためにはまず「書き始める前に主眼と骨子を立てること」が重要:プラモデルのように作文する
- 箱絵:主眼
- パーツ:要素
- 取扱説明書:順番・軽重
- 書きたいことのパーツを揃えるにはまず箇条書きから。そのために5W1Hなどのフレームワークも使いつつ。順番や整合性は気にしない。とにかく書き出す。
- 必要に応じて”取材”する。ネットリサーチで調べるのもある種の取材
- 文章のコンセプト・切り口を見つける。文章のオリジナリティはその切り口に宿るぞ!
- 文章の骨子(何を、どれから、どれくらい)を定める。要素⇨順番⇨軽重の順で確定させていく
- 構造シートのように、↑の内容をうまく捉えられるフォーマットシートを活用するのも吉。手書きでばらばらとかいていくのがおすすめ
- 「サビ頭」の構造、つまり結論からはじめ、その後に問題提起⇨状況説明と続いていく構造が、読者の興味を引きつける上で有用
- 上の構造を作るだけで7割の完成度の文章となるが、作文の完成度はロングテール。10割を目指して細かい技術にも意識を向けていく必要がある。
- 見直しは3つの視点で。
- 意味:脳。誤字脱字や事実誤認はないか。主眼と骨子が噛み合っているか。表現や文法が適切か。
- 字面:目。漢字や平仮名がやたら連続していないか。改行は適切か
- 語呂:耳。同じ発音が続いていないか
- 簡単なところで、言葉の重複チェックから始める。の、や、では、という、などの言葉が連続して出てきていないか。同じ文末ばかりになっていないか。時制が単調になっていないか。
- ザクッと文章を削る、言葉を削ることを恐れない。翻訳文体から離れる。濁さない。伝聞表現を避ける。係り言葉同士は近づける。
- 過度な体言止めや名詞化は読者の負担になる。
- 「企画」「作品」「資料」...ぼんやりワードは避けて、可能な限り具体的な表現を。
- 「こと」「もの」をへらす努力を。
- 具体的なエピソードを混ぜる、人名を頭に出す、閉じた言葉を使う、数字を入れ込むなど、読者を引きつける工夫を。